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2010年12月29日 (水)

猛省

Hinode 今月頭、お客樣の來店にも氣附かず、圖録發送準備に追はれて作業をしてた。それを見たお客樣から、後程お叱りの電話を頂く。全くお客樣を迎へる態度ではなかつたと。營業時間であつたことすら忘れて、作業に没頭してゐた爲、全く申し開きができない。ご指摘の通りで面目なく、再度ご來店した際に平身低頭して謝つた。かうして注意してくださるだけでも、有り難い話である。肝に銘じて猛省した。


 さて、すき燒今朝は本日より新年4日(火)迄、お休みを頂きます。よいお年をお迎へください。

畫像は荒木十畝作「旭日圖」。

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2010年12月28日 (火)

半古

Hanko1 平維茂の鬼退治を描いた能樂《紅葉狩》。これは後に歌舞伎にもなつてゐるが、すき燒今朝には梶田半古(1870 - 1917)の掛軸がある。絹本の本紙の繪も汚れ、八雙(掛軸の上に附いてゐる半月形の棒)のところで破けて、とても鑑賞に耐へるものではなかつたので、本年、根本彰德堂に直しに出してゐた。こちらも季節に間に合はなかつたものの、美しくなつた。

 この半古は小林古径、前田青邨、奥村土牛等の先生に當たる人なのだが、近年すっかり忘れられてゐる。能の題材だと知る迄、何故幽靈が出てゐるのかと訝しく思つてゐたが、美女の正體が鬼女だと知れて、刀を抜いた場面を非常に劇的に描いてあり好きな繪である。

 天(上)・中廻し・地(下)の三段仕立てに、風帶の附いた大和表具として甦り、金襴緞子の輝きも増して、繪も引き立つやうになつた。これでまた50~100年は保つだらう。

Hanko2


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2010年12月27日 (月)

Kikugo1 歌舞伎名優、六代目(菊五郎)は繪も嗜んだらしい。色紙の菊の繪を描いたものが、すき燒〈今朝〉にもあるが、この墨繪菊花圖は昨年私がまくりで購入したものを、根本彰德堂さんにお願ひして軸に仕立てて貰つたもの。季節に間に合はなかつたがやっと完成した。

 絹本(ケンポン)に墨だけの地味な繪なので、歌舞伎俳優だけに色氣が欲しいと注文したら、金襴緞子ではなく、着物の裂(キレ)を使つてくれたお蔭で、佳い雰圍氣が出た。さすが職人技である。まだ、七作目で裂の柄合はせに四苦八苦してゐる自分の表具の技術では此処まで決してできない。最低、10年は必要だと痛感してゐる。
 綺麗な服を着せて貰ひ、別人のやうに甦つてくれたので、來秋は十二分に樂しませてくれるだらう。

Kikugo2


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2010年12月25日 (土)

基督降誕祭

Sanglier 謹んで基督降誕祭のお祝ひを申し上げます。

 飲食店にとつては繁忙期であり、毎年仕事なので別段特別なことはしないのだが、たまには家族で佛蘭西料理でも食べやうと、原宿のシャネルの上の「ル・プレヴェール」へ。

 此処はアラカルトが主で、組み合はせて定食としても頂ける。ビストロ故、簡易卓子でテーブルクロスもなく、紙ナプキンと氣樂なのもよい。壁の黒板に料理名が並び、巴里の白黒寫眞が所狭しと飾つてあり、佛蘭西ぽいのはよいが、惜しむらくは窓がないのでやや息苦しい。

前菜と主菜を選び、食べられるやうならデザートと思つたが乾酪(チーズ)を食べてしまひお腹一杯に。前菜には白ソーセージのサラダを頼み、すっかり食べてから寫眞を撮り忘れてゐることに氣附き、主催の「仔猪の煮込み(ラギー)」のみ撮影。脂身の少ない部位故、パサパサになりがちだが、上手に煮込んであつた。

 定食で皆同じ料理ではない爲、一口ずつお裾分けし合つて、色々樂しむ。シェフの故郷、アルザス料理も多く、獨逸風な味はひも氣に入つた。氣が弛んだ所爲か、發泡酒、白ワイン、赤ワイン2種と硝子杯で飲んでしまひ、ほろ酔ひで歸へることに。


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2010年12月24日 (金)

討ち入り

6daime 昨日は國立劇場で《假名手本忠臣藏》を觀る。松の間刃傷(三段目)、判官切腹と城明け渡し(四段目)、道行旅路、一力茶屋(七段目)そして討入(十一段目)と云ふ構成で、大序の部分は茶坊主たちが語り、勘平お輕の話は講談師が語るまど、辻褄合はせもされた爲、話の流れとしては違和感はない。それに、幸四郎が師直と由良之助の敵役二役、染五郎が判官、勘平、寺岡平右衛門の三役をこなし、高麗屋の爲の舞臺。

 友人に頼んだお陰で前から4列目中央の好位置なのだが、前の人の頭で歌舞伎座ほど見易くはない。家族4人分ともなると、大枚叩くこととなつたので、デパ地下で買つた安いお辨當にした。演舞場の食堂は美味いが、此処は今一つなのが殘念。

 松の廊下では、桃井若狭之助と高師直との遣り取りも削除されてゐるので、いきなり虐めから入る感じはやや違和感があつた。染五郎の判官は、師直が恥辱を加へられて段々と感極まつて刃傷に及ぶ演技ではなく、あるところでいきなりプッツンとキレる演技であつた爲、昨年、浅草の中村座で觀た勘太郎の方が上手で説得力があつた。
 道行での染五郎(勘平)と福助(お輕)の踊り、一力での染五郎(平右衛門)と福助(お輕)の兄妹の情愛では、福助に若々しさはないが演技は格段によい。染五郎は平右衛門が一番しっくりと來た。

 幸四郎は初役の師直を樂しんで演じたのであらうが、左團次の方が憎々しげでよい。由良之助ははまり役故、無駄がなく、案外と友右衛門(原郷右衛門)が脇を固めて貫禄があり、普段、憎まれ役の左團次が切腹立ち會ひの情に厚い石堂右馬之丞を演じて、新鮮であつた。

 歌舞伎は文樂との違ひを樂しみ、役者の違ひを樂しめるので、何度觀ても樂しい。畫像は入り口正面ロビーに有る六代目菊五郎像。

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2010年12月22日 (水)

鐵板

Ten
朝の聯續テレビ小説「てっぱん」の所爲か、鐵板燒が食べたくなつた。娘たちの誕生日會を兼ねて「」へ。生雲丹、鮑、フォア・グラに釣られてコース料理を選ぶ。仕切つてある席の卓上には電磁調理器があり、その上の金屬盆にシェフが調理した料理が載せらるが冷めない。

 加州のピノ・ノワールと共に頂いた。やや少なめの量が程良く、ぺろりと平らげる。次回は是非カウンターで腕捌きを見たいものだ。

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2010年12月21日 (火)

照明

Ginza 銀座の照明は顔が明るく美しく見えるものだと聞いてゐた。さう、以前は雪洞(ボンボリ)の形をしてゐたが、ふと見ると柱も光る新しいものに。きっと、發光ダイオード(LED = light emitting diode)の力で電力も喰はず、明るくなつたのだらう。


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2010年12月20日 (月)

ハマ

Hama2 來春、3月12日(土)に横濱大桟橋で行はれる「春のドイツワインフェスタ」實行委員會に參加した。

 當初豫定の波止場會館へ赴くと會議室に名前がなく、慌ててメールを確認すると場所が移動となつてゐた。その萬國橋會議センターも海添ひなので、港が見渡せる。

 散らし、ポスター、協賛願ひ、出展依頼、切符の販賣等、成すべきことは澤山ある。少しでも獨逸ワインの普及に役立つてくれれば、幸ひだ。

Hama1


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2010年12月18日 (土)

四穀物

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 辰巳先生のお話の後は會場となつたエドモントホテルのレストラン「フォー・グレイン」で、先生の考へに基づいた食事を頂くことに。料理の美味ひ不味ひではなく、調理人の心意氣を高く買つてゐるとのご説明。

 鱈場蟹と健菜卵のフラン・椎茸のスープ
 
 天然真鯛のライム風味マリネ 冬野菜を添へて

 葡萄牙風人參のポタージュ

 氣仙沼産帆立貝と相馬原釜産鮟鱇のソテ
 グリーンオリーヴとバジル風味ソース

 シャラン産鴨胸肉のロティ ポートワインと柚子風味のソース

 ショコラとフラムボワーズの特別デザート

と晝間から豪華な佛蘭西料理。最初の椎茸のスープが一番印象深い。畫像はないが椎茸のえぐみが出ぬやうに直火ではなく、蒸して作るのだとか。もうこのデミタス一杯だけで元氣の源が五臓六腑に染み渡り、底力を得るやうに、芯から温まった。勿論、人參の羮(アツモノ)とて比類なきポタージュであり、先生ご推薦の調味料が隠し味に使つてあつたり、頭の知識だえでなく、垂下丹田から感じることができた。

 お隣の席は宇都宮で「石の藏」を經營するご主人とクラシック談義の華が咲き、素敵な晝食であつた。

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2010年12月17日 (金)

食のあり方を考へる

 友人の誘ひで、辰巳芳子講演會「食のあり方を考へる クリスマスの集ひ」に參加した。ご自身の介護經驗からスープの大切さを説き、食事の重要性を訴へ續けてゐる、御年86歳の料理研究家として知られる大先生。私も何冊か讀んでをり、「出汁」の重要性を考へてゐたところであつた。


 ほんたうに大切なことは、言葉にならないものであり、食事も蔑(ナイガシ)ろにしてはいけない。スープを手掛けて早50年、スープの向かうにあるのは優しさである。飲む人はその優しさに癒され、作る人は我を通さない、優しい人でないとできない。出汁を引くなんて面倒臭ひかも知れないが、何年も繰り返すことで優しい人になれる。

 生物としてのヒトが人になるために食べる。食べるものがあつて當たり前と云ふのは大きな間違ひ。死なないだけの食事は命との結び附きを考へてゐない。料理を作るのは人の命を祝福することであり、食べる行爲は命への敬ひとなる。

 一日三食何を食べたか、何を食べたいか、何を食べねばならないか、一週間統計を取ると解つて來るものがある。20、30代の獨身者は朝食を抜き、菓子パン、出來合ひの飲料水が多く、おみおつけを食べず、お浸しは皆無、煮附けもなく、煎茶もいれない死なないだけの食事ばかり。これでどんな働きができると云ふのであらう。

 低體重兒、帝王切開が増えてをり、終戰後の食糧難の時も酷く、かう云ふ子は40代に入ると急激に老化もする。これは社会的損失であり、認識をもって食べる人になつて貰ひたい。5年、10年先にも生きて行けるやうに食べていかねば、いざと云ふ時に慌てることになる。

 ミケランジェロのパワーの源、坂本龍馬の柔軟な發想の源は何か。現地へ行つて調べたら、仔牛の出汁や鰹のアラ汁であつた。半年育つた仔牛から、たいへんな手間と時間を掛ける作る出汁に比べてば、2~3分でできる鰹と昆布の出汁は實に簡單。一週間分作り置きをして冷藏庫で保管して欲しい。

 自分を發見するのも體力、前へ進むにも體力が要る。その人が行きたいところに行けるやうに食べさせる。辿り附けるやうに食べなさい。明日からでも食生活を變へることがまづ第一歩。


さう云ふお話でした。話の途中、

 「食べるとは、何に向き合ふべきか。そこの眼鏡の男性、お答へください。」

えっ、それは私を指してゐたのだ。會場の人々の視線が刺さり、何?何?考へが驅け巡る。 

 「…」

 「私はねえ、年寄りだから大きな聲でお願ひします。」

 「命を育むことでせうか。」

 「さうですね『命』です。よいお答へです。」

先生と共鳴するところがあつてよかつた。食に関はる者の一人として認められた氣がした。

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2010年12月16日 (木)

柳の精、梛の精

 本年最後の文樂は友人を誘つて鑑賞教室へ。八百屋お七の《伊達娘戀緋鹿子(ダテムスメ コヒノ ヒガノコ)》の六段目〈八百屋の段〉終幕部分を最初の演じた。雪降りしきる中、火の見櫓に人形だけ驅け上がる樣も見事に、人形浄瑠璃の醍醐味を見せてくれた。そして、相子大夫と清丈の掛け合ひ漫才のやうな、親しみ易い解説が入り、大夫と三味線の役割を傳へ、紋臣の人形の説明後、本日の主演目《三十三間堂棟由來(サンジュウサンゲンドウ ムナギノ ユライ)》の粗筋を圖を使つて教へてくれた。

 全く事前勉強をせずに行ったので、てっきり三十三間堂の矢通しの話かと思つてゐたら、屋根の桁と平行に、最も高いところに配される「棟木」の秘話であつた。然も、柳と梛(ナギ)の精が人に生まれ變はり、再び結ばれて子をなすと云ふ「異類婚姻譚(イルヰコンインタン)」。

 玉女演じる平太、和生のお柳(妻で柳の精)の人形の動きが情に溢れ、素敵であつた。人ではないので、壁から抜けて來たり、柳が切り倒される斧の響きに連れて、柳の葉が舞ひ落ち、生命が縮まる思ひが迫つてゐた。

 そして、複數の大夫を一手に引き受ける宗助、若手乍ら實力を附けて來た清志郎、安定した清介の三味線もよかつた。但し、一氣呵成に進む場面は疊み掛けるやうな勢ひがあるので語り易いのだらうが、話がゆっくりして來ると、咲甫大夫の美聲も届かず、睡魔に襲はれ撃沈。こちらの集中力が續かなかつた。申し譯ないと思ふ。

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2010年12月15日 (水)

他の選択肢

 六本木ヒルズまで行くのだから、ついでに映畫でも見ようと前日に座席を豫約して行った。子供達は「ハリポタ」がよいと云ふのだが、どうせ半年もすれば有線乃至衛星放送で見られるだらうからと、實冩版「Space Battleship ヤマト」へ。

 小學生高學年の頃に熱狂したアニメをこの21世紀にどのやうに味附けするのか非常に興味深かつた。宮川泰の有名な旋律に乘り、多少の粗筋變更も目くじらを立てる程のこともなく、丁寧な假想繪作りで迫力もあり、古代進と森雪との戀愛も深まり、なかなか見所の多い大作に仕上がつてゐた。山崎努の沖田艦長、柳葉敏郎の真田技師長、西田敏行の德川機関長等、似た配役も好感がもてた。娘たちは皆生き殘つて歸へつて來て欲しかつたとか、かみさんは危機感の薄い人ばかりでハラハラさせられたとか、それぞれ、見方が違つて面白い。

 主役の古代と森に他の俳優は居なかつたのかと、見乍ら思案してゐた。見終はつても、かみさんとやけに力を入れて話した。が、木村拓哉と黒木メイサ以外にないのではないかとの結論に達したのだった。キムタクが演じると全て木村拓哉になつてしまひ、役柄よりも木村の個性が全面に出るのが氣に喰はないが、王道を行くヒーローであり、ロンゲの雰圍氣が似合ふのは他に居ないだらうと。

 小栗旬ではニヒルになり過ぎるか熱が入り過ぎるだらうし、成宮寛貴だと途中で折れさうだし、玉木宏はロンゲの雰圍氣や艦長は合つてもアニメのヒーローの感じが出ないだらうし、向井理ではアクションに甘さが出さうだし、他のジャニーズの若手、松本潤、山下 智久や亀梨和では雰圍氣がかけ離れてゐるから却下されたのだ。

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2010年12月14日 (火)

基督降誕祭市場

Koenig1Koenig2Koenig3 丁度、六本木ヒルズでは、獨逸風「クリスマス市」が立つたと聞いて訪れた。と云ふのも、先日の「すき燒とドイツワインの會」にご參加下さつた獨逸仕込みの腸詰屋の「ケーニヒ」のご主人が出展してゐる聞いたからである。行つてみると、此処だけ並んでゐた。

 この市場の爲に雇つたバイトなのであらう、決して効率のよい燒き方をしてゐる譯ではないので、どうしても注文を受けてから調理をして時間が掛かる。それでも待つた甲斐があつた。日本では一般的にフランクフルトと云はれる「テューリンゲン・ソーセージ」にゼンフ(洋辛子)をたっぷり載せ、ゼンメル(丸い堅燒きパン)で挟んで食べる。懐かしい味が口に廣がる。
 娘たちは伯林で覺へた「カリー・ヴルスト」を食べ、かみさんは「レバーケーゼ」を食べ、大滿足。輕い晝食にはもって來い。獨逸で修業されたご主人が現地で學んだレシピで作つてゐるのであらう。香辛料の使ひ方に、記憶が呼び戻される。そして、ミュンヘンの茹でソーセージ「ヴァイス・ヴルスト」は甘いゼンフを附けて食べるのだが、これはご馳走になつてしまつた。25日まで營業してゐると云ふので、是非、訪れてほしい。

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2010年12月13日 (月)

畫廊巡り

 土曜日の「學藝員仲間の忘年會」の後、同期の美術評論家の案内で、畫廊巡りをした。

  1. 永善堂畫廊では、動物繪の河嶋淳司展(日本畫)
  2. 石川畫廊では、掛軸&木彫で樂しむクリスマス
  3. ギャルリーためなが では、ラウル・デュフィ展(洋畫)
  4. 相模屋美術店では、川内真梨子他若手作家展
  5. ギャラリー櫻の木では、吉岡耕二展(洋畫)
  6. 和光・並木館三階では、今右衛門窯展(磁器)を觀た。

樣々な作家の色々な作品が刺戟となる。少し時間が餘つたので、少人數を引き連れて、シェルマンのサウンド展(蓄音機)へ。初體驗故にかなり印象的であつた模樣。私の顔で同じ曲をフォトギーとHMVの聽き比べもさせてくれたので、喜んで貰へた。


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2010年12月11日 (土)

お寶

Tani 師走故、本日土曜日も營業。けふはこれから、學藝員仲間の忘年會を弊社で開催。蔭干しを兼ねてお寶掛軸を飾る。谷文晁(1763-1841)の《月の時鳥》。丸く切り抜いた紙本の本紙に蝙蝠のやうな自筆著名がある。鑑定して貰つた譯ではないが、我が家に傳はるもの。

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2010年12月10日 (金)

桔梗ヶ原

 信州「桔梗ヶ原」と聞いて、ワイン好きならメルシャンの造る最高級ワイン「桔梗ヶ原メルロー」を思ひ浮かべることだらうか。

 昨夜、東京公演を聽く。重鎮級は來られないものの、若手育成の場とも云ふべき12月公演は安壽と厨子王の物語《由良湊千軒長者》と《本朝廿四孝》。鷗外の『山椒大夫』の原作とも云へるもので、溝口健二の映畫で慣れ親しんでゐる。また、《廿四孝》で自分が觀たことがあるのは、八重垣姫の〈十種香の段〉〈奥庭狐火の段〉場面なのだが、今回は山本勘助誕生秘話のやうな段組は初めて。

 その《廿四孝》の三段目にけふの外題の〈桔梗原の段〉が出て來る。舞臺中央が國境で、兄の子供を育てる爲に實の子峰松を捨てる場面。枯れ須々木の寒々とした盆地の樣子が描かれ、國境に於ける甲斐の武田家と越後の長尾家との確執がよく描かれてゐる。此処で今はワイン用葡萄が造られてゐるかと思ふと感慨深い。
 そして、物語は弟慈悲藏は實は長尾の家來、直江山城之助であり、不孝でがさつな兄が實は切れ者の策士で、父の名を繼ぎ勘助となり、既に武田家の家來であり、將軍の幼君を匿ひ、源氏の白旗を守つてゐたと云ふ大團圓を迎へる。

 前半の《由良湊》はつばさ大夫、希大夫が清丈の力を借りて何とか作品にした感じで、まだまだ力不足。聲が出てゐないので、情が傳はらない。それに對して《廿四孝》は床が回る度に段々と大夫の語りが上手になるのが面白かつた。相子大夫は落ち着きが出て來て、三輪大夫はややビブラートがきつくて聞き取り辛く、呂勢大夫は力が附いて嫌味がなく、津駒大夫は滿遍ないがやや演じ分けが不足するものの、後の文字久大夫は力演なのに空回りしてつまらなかった。三味線で寛太郎が當たり障りなく無事に切り抜け、清友は貫禄が出て、燕三や富助は安心感が出て、後の錦糸の手數の多い段では終始冷靜に確實に彈き切つてゐた。かう云ふ力量の違ひも判るやうになつたのも樂しい。人形は和生が演じた勘助の母と勘十郎の直江山城之助が氣持ちがビシビシ傳はつたが、玉女の勘助は動きが大きいので大味となつて殘念であつた。

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2010年12月 9日 (木)

ご招待

 以前、航空自衛隊聯合幹部會會報『翼』に、「ツェッペリン伯號の料理」に就いて寄稿してからと云ふもの、懇親會にお招き頂いてゐる。昔で云ふところの將校の集まりなので、時間通りに始まり、寸分違はず時間通りに終はるので助かる。
 今の制服はバーバラ寺岡さんが日本の傳統色の藍染めを見直して濃藍色にした爲、引き締まった素敵なものになつてゐる。かう云ふ懇親會でないと一般の方と交流する機會がないのだと云ふ。會場には慰問に訪れたことのある藝能人や、各界の名士も多い中、自分も含まれる不思議。
 元バレーボール選手の大林素子さんは抜きに出てでかく、どんなに遠くからでも見附かると同じやうに、私のヒゲも負けず劣らず目立つので、以前名刺交換した方や幕僚長も聲を掛けて下さった。

 立食とは云へ、こまめに食べ物を持つて來て下さったり、腰の低いご接待振りにこちらも恐縮してしまふ。今年は曲藝飛行で有名なブルーインパルス創設50周年記念だと云ふので、素敵な動畫も見せてくれ、隊長のご挨拶もあつた。全國に散らばつてゐる隊員が、曲藝飛行の時だけ集まるのかと思つてゐたら、松嶋基地第4航空團に所屬してゐると云ふ。全く知らなかつた。
 この不穏な東亞細亞の秩序と國土を命懸けで守る諸氏は立派である。せめて銃後の我々は仕事に邁進して、企業の發展が日本の未來に繋がるとよいが…。

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2010年12月 8日 (水)

電飾

Omotesandou 久し振りに再開された表參道の電飾。週末ともなると大勢の人が繰り出し、犬の散歩どころではなくなつた。綺麗だが歩道橋も閉鎖されたので、人いきれに疲れ、とても歩く氣がしない。


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2010年12月 7日 (火)

すき燒とドイツワイン

 Deutsch 先週末は「すき燒とドイツワインの會」を開いた。頭で考へてゐるよりは、實際に試してみると思ひの他、合ふものだ。特に獨逸ワインの葡萄を凝縮したリースリング種の甘味がすき燒の割り下にとても合つた。
 併し、暫くすると口の中で果實香が殘り、牛肉の繊維質とは違和感を感じ、シュペートブルグンダー種(ピノ・ノワール種)の赤ワインだと最初の口當たりが澁過ぎて違和感があるが、咀嚼してゐると段々と牛肉との相性の良さが出て來る。それならば、ドルンフェルダー種の甘口赤ワインなんか、もっと合ふのではないか。最高の組み合はせを探すのが、一生涯の目標なのかも知れない。

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2010年12月 6日 (月)

理想郷

 1937年の米映畫『失はれた地平線』に出て來るヒマラヤ奧地に在るとされる理想郷(シャングリ・ラ)。は實在の冒険家ジョージ・リー・マロイに触發され、ジェームズ・ヒルトンの冒険小説の映畫化だが、今も公開當時のまま「失はれた」と表記するのが嬉しい。この理想郷を指す言葉を冠したホテル東京でレス協の納會があつた。
 その前に客室見學會もあり、七萬圓の通常部屋、見晴らしのよい八萬圓の部屋、寝室の他にもう一部屋あるスイート(二拾萬圓)を見せて貰つた。特注の百五拾萬圓の寝臺、間近に遮るビルがない爲、風呂場からも夜景が見え、更に百五拾萬圓の部屋まであると云ふ。恐れ入ったが、庶民には到底泊まることはできない。

Nadam1Nadam2Nadam3納會は「なだ万」。50名ものお客に同じ料理を手早く、均一の質で提供できるのは素晴らしい。然も手の込んだ献立なのだ。先附だけでも、白海老・ちちゃとう・長芋・甘海老鹽辛・真魚鰹西京燒・射込み赤伏見唐辛子・鮑柔らか煮餅粉揚げ 共肝ソース・鯖小袖ずし 銀杏松葉刺し・の巻パン キャビアと豪華この上なく、山海の珍味が並ぶ。
 續いて出て來た羮(アツモノ=スープ)は上海蟹スープ蒸し 鱶鰭(フカヒレ)餡。絶品と云ふ言葉くらいしか思ひ浮かばない。鹽加減、茶碗蒸しのやうな柔らかさ、繊細な餡が口の中で渾然一體となる。本鮪、甘海老、あら昆布〆、寒鰤(カンブリ)の造りには土佐醤油と胡麻醤油が附き、旨味と香ばしさを樂しめる。

 そして、煮物には小鍋蕪仕立てとなつて、ひとりひとり炭火の小鍋で供出される。然も、火が通るので最初はぬるい程度のお出汁が段々と食べ進む内に温まる心憎い演出。甘鯛、車海老、蛤、刻み野菜に針柚子と贅澤が續く。
 白魚の酢の物、鱈場蟹の炭火雲丹燒と赤ムツの一夜干しも素敵で、釜炊きご飯には貝柱、大根、炙り唐墨まで入つてゐて、數人づつ炊いた釜を見せてくれる演出。赤出汁、香の物と附き、マスカルポーネの白い汁粉を食べた頃には、既に理想郷へと到達してゐた。


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2010年12月 4日 (土)

完成

Zuroku 昨年學んだ京都造形・通信教育の、博物館實習圖録がやっと完成した。蓼科に在る康耀堂美術館で實際に展示をした際の記録だ。

 ほんたうなら3月の修了式で手渡す筈が、擔當者がうっちゃったまま無駄に歳月ばかりが流れ、夏前に再度催促したものの完成せず、先月知人編輯者の協力を得てやっと完成に漕ぎ着けた。各人が頭を捻つて書き上げた作家解説、作品解説それに本人と作品の冩眞が総天然色で載る豪華版。著作権が絡むので中身をお見せできないのが殘念。中表紙、右左、頁の割り振り等、編輯の勉強になつた。本日、それをやっと發送。これで一段落。長かった。

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2010年12月 3日 (金)

ボネ

Bonet 先日、子供の授業參觀の後、仲のよいご夫婦たちとランチをした。六本木通りから並木橋へと坂を下りる途中、金王神社の前當たりに在るANTIVINO。結構古くから在り、昔から氣になつてはゐたが、なかなか這入る機會がなかつた。

 硝子杯で白ワインを飲み、2,000圓のランチBはやや少なめの量だが、前菜、パスタ、肉料理と釣り合ひも取れてゐて、樂しく談笑できた。下の子も中學に上がるともう、親の出る幕は殆どないのが殘念。子供の成長に從ひ、苦樂を共にした仲間だからこそ、語れる話もある。

 セットに附いてゐるデザートで久し振りにボネ(bonet)に出會ふ。以前、ワインツアーでピエモンテを旅行した際に、地元のデザートをお願ひすると、何処へ行ってもこればかり。少々うんざりもしたが、土地により、店により、微妙に味が違ふのは味噌汁が違ふ如く。一口口に含むと、なだらかな丘陵地の葡萄畑や醸造所が蘇る。單なるチョコレート・プリンとも云へるが、これは本物。ダブル・エスプレッソに砂糖をたっぷり入れて掻き混ぜず、伊太利に思ひを馳せた。


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2010年12月 2日 (木)

昔乍ら

Iseju1Iseju2 すきや連の句會で初めて『繪硝子』を主宰されてゐる和田先生の特選を得られた。

 すきやきがすきでたまらぬすきや連

ご祝儀としても、感じがよく出てゐるとのお言葉。參加者の投票では向笠千恵子さんの

すき燒きや 大願成就の 宵なれば

が選ばれた。昔はお祝ひの席と云へば、すき燒であつたもの。よい句なので、自分も一票入れた。

 さて、今回は小傳馬町の「伊勢重」。例の炭火である。

 卓話として、粟國生なり糖の沖縄さとうきび機能研究所社長、高村義雄さん。
 砂糖黍を内實部だけを搾ると餘計な色が附かず、製紙に使ふやうな加熱高壓で搾汁するとポリフェノールも多く、強い抗酸化能効果が期待でき、然もPH調整の石灰を使はずに炊き上げるので、ミネラルが豐富で身體に優しい砂糖が出來るのださうだ。泉重千代さんの長壽の蔭にはいつも砂糖黍があつたとのこと。白砂糖は惡者扱ひが多いが、かう云ふ砂糖のすき燒ならさぞかし美味いことだらう。

MiyamotoIseju3 炭火は途中で火加減を調整できないので、割り下や水を足して加減しないといけない。自分の卓は銀座吉澤の社長ご兄弟と、吉原の櫻鍋中江のご主人と專門家ばかりで五月蝿いのだ。それを見かねたのか、途中、伊勢重の社長が直接、鍋を見てくれる贅澤も味はつた。「何故今も炭火」と云ふ質問に「昔からやつてゐるから」。よい老舗に理由なんか要らない。創業明治2年の重みだ。

 最後に我々の卓だけ裏メニュの「おじや」を注文。美酒に酔ひ、極上和牛に舌鼓を打ち、滿腹の微酔ひでお開き。肉好きの集まりは樂しい。次回のすきや連は愈京都へ繰り出す。


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2010年12月 1日 (水)

木炭自動車

P1070666 犬の散歩の途中、子供の城で古典車(クラシックカー)が展示してあつた。トヨタ博物館から數臺の出張らしく、綺麗にレストアされ、完動品と云ふのが素晴らしい。馴らし運轉か、内燃機關に火が入り、いい音を響かせてゐる自動車も。

 中でも、戰時中石油不足から愛國式瓦斯發発生装置なるものを取り附けた「木炭自動車」に改造された1937年の「ビュイック (Buick)」がいい。普段は大きいだけのアメ車なんか大嫌ひと言つて憚らないが、これは美しい。後部座席の扉が前開きなので、すぐに足を出し易いし、荷物入れが後部にあるし、中は案外廣さう。
 そりゃあ、できたらロールスかメルセデスがいいが、かう云ふ車に乘りたいもの。オートマに慣れてしまひ、運轉下手なので、盛装して後部座席で新聞を讀んだり、シャムパーニュを飲んだり。そんなことができたら…。

P1070662 この方向指示器がまた、堪らない!電氣で光るのではなく、反射板が跳ね上がるだけの單純なものだが、美しい。

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