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2010年12月16日 (木)

柳の精、梛の精

 本年最後の文樂は友人を誘つて鑑賞教室へ。八百屋お七の《伊達娘戀緋鹿子(ダテムスメ コヒノ ヒガノコ)》の六段目〈八百屋の段〉終幕部分を最初の演じた。雪降りしきる中、火の見櫓に人形だけ驅け上がる樣も見事に、人形浄瑠璃の醍醐味を見せてくれた。そして、相子大夫と清丈の掛け合ひ漫才のやうな、親しみ易い解説が入り、大夫と三味線の役割を傳へ、紋臣の人形の説明後、本日の主演目《三十三間堂棟由來(サンジュウサンゲンドウ ムナギノ ユライ)》の粗筋を圖を使つて教へてくれた。

 全く事前勉強をせずに行ったので、てっきり三十三間堂の矢通しの話かと思つてゐたら、屋根の桁と平行に、最も高いところに配される「棟木」の秘話であつた。然も、柳と梛(ナギ)の精が人に生まれ變はり、再び結ばれて子をなすと云ふ「異類婚姻譚(イルヰコンインタン)」。

 玉女演じる平太、和生のお柳(妻で柳の精)の人形の動きが情に溢れ、素敵であつた。人ではないので、壁から抜けて來たり、柳が切り倒される斧の響きに連れて、柳の葉が舞ひ落ち、生命が縮まる思ひが迫つてゐた。

 そして、複數の大夫を一手に引き受ける宗助、若手乍ら實力を附けて來た清志郎、安定した清介の三味線もよかつた。但し、一氣呵成に進む場面は疊み掛けるやうな勢ひがあるので語り易いのだらうが、話がゆっくりして來ると、咲甫大夫の美聲も届かず、睡魔に襲はれ撃沈。こちらの集中力が續かなかつた。申し譯ないと思ふ。

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