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2011年1月31日 (月)

藏の中

 蹴球日本代表が亞細亞王者になつたのは嬉しい。不覺にも前半戰で寝てしまつたが、ザッッケローニ監督の采配と共に、和をもつて尊しとなした協力態勢がよかつたのだらう。嬉しい週明けとなつた。

 さて、淺草には結構古いものが殘つてゐるが、先日訪ねたギャラリー・エフは慶應年間に建てられた藏を利用して演奏會を開いてゐる。友吉鶴心さんが主催するの琵琶の世界に触れる會「花一看」を聽く。
 冷え冷えとした板張りの狭い空間にぎっしり座布團が並び濃密な空間で、西郷隆盛の最後を詠つた《城山》を聽く。定員を超えてから申し込んだ人は二階席となり、音だけしか聽けない。そして、元日本放送協會(NHK)に演劇監督(ドラマディレクター)の佐藤幹夫さんとの對談となる。これが滅法面白い。
 大河演劇ならば、《太平記》《秀吉》、特別演劇《聖德太子》の他、三年掛りの《坂の上の雲》のメガホンを取った方。今回の《坂の上の雲》は今までの大河演劇の數賣の數億圓の豫算を附け、原作の元帳を調べ、資料を當たり、6年の歳月を掛け下準備をし、日本放送協會の総力を擧げて制作したと云ふ。20箇所で収録は言ふに及ばず、破格の演劇であり、その舞臺裏を氣さくに話してくれた。友吉さんは演劇の裏附けとして舞臺裏で參加した爲、収録場面にも立ち會ひ、打ち上げにも呼ばれたのだ。

 土の在るスタジオは日活しかなく、わざわざそこで撮影したとか、正岡子規の寝てゐるところから見えるやうに切り花を揃へたり、幅廣く明治と云ふ時代を見せるのに相當苦勞したやうだ。
 また、日本海海戰ではバルチック艦隊を追尾する際に、軍艦松嶋の艦長命により、薩摩琵琶で《蓬莱山》と《川中嶋》を山口一治軍醫中佐が演奏した史實があるにも拘はらず、演劇を知らない時代考証に當つた海上自衛官はそんなことがある筈ないと否定したらしい。軍事だけでしか歴史を見ても全體は描けず、戰爭賛美にならないやうに演出し、右翼左翼兩方から非難されないやうにする工夫をしたり、原作にない明治天皇をちらりと描き出すなど裏話が面白かつた。

 メッケル少佐が日本にモーゼルワインを傳へた場面があつたので(原作にもある)、最後に、若い士官に振る舞つてゐたと事實はあるのかと尋ねたら、あの場面は創作ではあるものの、きっとあつたに違ひないと確信したと云ふ。よく描けてゐた。10箇月後が樂しみだ。

 吾妻橋の手前からスカイツリーがよく見えた。
Tree


 

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