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2011年1月26日 (水)

嗣家

 先週から5回の連續講義「日本料理の素顔」を京都造形藝術大學の東京學舎で受けてゐる。講師は近茶流嗣家(シカ)、柳原尚之さん。
 かみさんが結婚前にこの「和食界の貴公子」のお父さんの一成家元の柳原料理教室で懐石を習つてゐたこともあり、きちんと和食の流れを知つてをかうと思つた。だいたい何故、ご飯が左でお味噌汁が右なのかも知らない、情けない五代目當主なのだ。

 かみさんが習つてゐた當時、嗣いだばかりの一成氏の下、生徒さんたちは先代から直接教へを受けたおばちゃんたちが主流で、少しでも違ふことを言ふと「先代はかうでした」と窘(タシナ)められて、シュンとしてしまつたらしい。
 和食を作らうとして、ふと不安になつたり、何か分からないことがあると、今でも先生のご本を紐解く位だから餘程爲になつてゐるのであらう。そんなかみさんの姿を身近に見てゐて、氣になつてはゐた。これを機會に同じ宗家(ソウケ)から教へを受けられると思つて申し込んでみたら、息子さんであつたので驚いた。かみさん曰く、まだ高校生位で家元の補助として仕へてゐて、やんちゃな盛りに偉いなあと思つたのに、大きくなつたのねえと。

 三十代前半の先生は溌剌として、ご自身の奈良お水取り修行の話や亞米利加での講義の話など、本筋以外の挿話も實に興味深い。話藝として、間合ひだとか抑揚だとかで人を惹き附けるところまでは行つてゐないが、上手にパワーポイントを使ひこなし、前途洋々とした未來を感じるのだ。ご自身も料理を作るのだらうけれど、人前で説明するのはたいへん。墨田區立中學での職業講話會は、この講義と重なりお休みするが、興味の餘りない人をこちらに向かせるのは難しいもの。料理一筋の自信に溢れた話し振りと、謙虚な姿勢はおばちゃんたちの心を掴んで離さないことであらう。

 15名の受講生は年配の男性ふたりと自分以外は女性ばかり。年齢層も幅廣い。最後は實習もあるので、樂しみだ。

 


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コメント

時々拝読させております。柳原先生の内容でしたのでひとことと思いお邪魔致します。すきや連で福神漬け持参のKでございます。奥様が習いに行かれた頃(もうちょっと前かもしれませんが、尚之さんは小学生だったかもしれません)一成先生の奥様の手料理取材で4ヶ月(月いちですが)伺った事があります。軽井沢の家が近くで、私の良く行く洋食屋は一成先生も良くお見えになるようで、最初は大奥様がお一人で召し上がっていらっしゃるので気付きました。私の家内も大学生の頃に友人のお誘いで何回か体験教室に伺ったようです。撮影以後のお目もじの機会はありませんが、軽井沢の家が近くと、行きつけの店が同じと言うだけでつい贔屓目で見てしまっているもので、つい今日の書き込みを拝見して書き込んでしまいました。3月京都は楽しみにしています。

投稿: 亀井秀吉 | 2011年1月27日 (木) 00時39分

いつもお讀頂きありがたうございます。> 亀井秀吉さん
その節に頂いた福神漬けは今度カレーの時にと云ふ前に、美味しくて直ぐに食べ終はつてしまひました。

毎回、この講義はとても勉強になります。京都で報告いたしますね。

投稿: gramophon | 2011年1月27日 (木) 11時01分

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