« 2011年1月 | トップページ | 2011年3月 »

2011年2月28日 (月)

飛行船船長

 ブイヤント航空懇談會で、大森 二三男さんの「私が乗った飛行船」と云ふ題で講演があつた。輕飛行機、ヘリコプター、飛行船の操縱を續けたベテラン・パイロットの話は興味深かつた。飛行船だけでも、ツェッペリンだけでなく、樣々な型に乘り、長所短所を知り尽くしてをり、專門家ならではの話。

 氣温が上がると浮力が附くこと、格納庫がないので雨晒しの上雪や突風に弱い他、製作會社により皮膜の暑さが違ふこと、ヘリウム瓦斯の濃度が94%迄落ちるともう飛べない等、知らなかつたことばかり。
 運行地近くの格納庫が在り、ヘリウム瓦斯の温度を一定に保つ高品位技術が確立されたり、皮膜の強度が更に上がったら、ひょっとすると、國内常駐の飛行船が飛ぶかも知れない。

| | コメント (3) | トラックバック (0)

2011年2月25日 (金)

レス協セミナー

Reskyo 昨日はレス協主催の「調理師・マネージャーセミナー」の司會を仰せつかつた。幾度か口の中でもごもごと事前に講師紹介を練習したにも拘はらず、本番では何度も噛んでしまつた。氣持ちが焦ると速度は増すし、滑舌も惡くなつて、さぞかし聞き取り辛かつたと思ふ。少しは慣れたかと思つたが、かう云ふのは苦手なのだ。氣の利いた一事も挟めず、大いに反省。

 八芳園の名譽料理顧問、森田さんの「八芳園の結婚式おもてなしお料理」と云ふ講義では、從來の調理場の流れ作業的な効率だけを求めたメニュから、一組毎の個別對應に徹した「顧客滿足第一」に變へ、全てのお客樣に氣を配るサービスとなり、賣上も倍増し、再び訪れるお客様が増えたと云ふ成功譚。調理場から、料理を見直さうと云ふ心意氣は學びたいところ。

 そして、仙臺「勝山館」の伊澤會長はご自身の米國での大學院生としての體驗、英國での銀行員としての挿話などを通し、現在の「食」の氾濫の時代に、外國は食料を戰略物資として扱つてゐるのに、輸入量の過大な日本は調理人だらうと廣い視野を持たねばならない。多量の添加物の使用で今後どんな影響が出るのか考へて欲しいと云ふ話。
 實際に昨年5月賞味期限の切れた便利店(コンビニ)のサンドイッチを持つて來てくれたが、常温で腐つてゐない。見た目は食べられさうなので吃驚。黴も生えないとなると、人體にどんな影響が出るのやら、末恐ろしい。


| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年2月24日 (木)

総会

Sokai 昨日午後は國際觀光日本レストラン協會の総會が東京國際展示場(ビッグサイト)であつた。會長に引き續き、觀光廳事務次官のご挨拶があり、外國からのお客樣は日本での食事をとても樂しみにしてゐる。綺麗な器に盛り附けられ、美味な上に極上のサービスが評判らしい。であればこそ、會員店が日本の代表として頑張つて欲しいなどとハッパを掛けられた。

 そして、決算報告に就いて監事なので一言報告し、無事終了。夜は食味會があつたのだが、すき燒 今朝 に戻り、仕事。加賀料理はどんな味はひがしたのだらうと考へる暇なく、忙しくしてた。

 春のドイツワインフェスタはまだまだ切符があるので、是非聲を掛けてください。特別價格でお分けできます。


| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年2月23日 (水)

ケナークラブ ワイン會

R00R05 月曜日の晩は六本木ヒルズの獨逸料理屋「フランツィスカーナー」でドイツワイン ケナークラブのワイン會が行はれた。此処は蹴球の映像が流れる麦酒店のやうに見える。確かに、ヴァイツェンビールは旨いが、實は直輸入獨逸ワインも多く扱つてゐる。

 大阪から會長も來てくれたので、來月の横濱で開かれる「春のドイツワインフェスタ」の宣傳と自主的無償奉仕のお願ひ、最新獨逸ワイン情報、それに10月に行はれる葡萄収穫體驗とワイナリー巡りのお知らせもできた。

 若手の從業員の丁寧なサービスも心地よく、洗練された料理に獨逸ワインがよく合ふ。特に驚いたのは佛蘭西品種ソーヴィニヨン・ブランがなかなか美味しい。酸味の強さに獨逸らしさが殘るが非常に洗練されてゐる。また、赤のドルンフェルダーも以前は日照量不足から色が附き難いシュペートブルグンダーの色附けに加へられた亞流品種と考へられてゐたが、單獨品種でここまで奥深く上品に仕上がつてゐるとは豫想だにしなかつた。日本ドイツワイン協會連合會の事務局長と雖も、現地體驗から既に10年位差があり、知識だけでは分からないことが多い。勉強になつた。

R04 だいぶ無理をお願ひして、各皿に硝子杯一杯としてくださり、デザートはないので、極甘口のアイスヴァインを持ち込ませて貰つた。ずっと我が家の押し入れにほったらかしにされたままであつたが、まだ酸味が強く、あと10年後でも問題なく飲めさうな1995年のワインであつた。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年2月22日 (火)

狐と合ひの子

 第一部の文樂公演は《葦屋道滿大内鑑》より〈葛の葉子別れの段〉〈蘭菊の亂れ〉と《嫗山姥(コモチヤマンバ)》より〈廓噺の段〉。
 今月は文雀、紋壽が休演となり、人形の名人藝が見られないのが寂しい。その分、中堅所の和生、勘十郎が頑張つた。

 前半は安倍の晴明の出世譚となる安倍保名と信田の狐の夫婦と云ふ異類婚姻譚。本物の葛の葉姫が現れてしまひ、狐に戻り悲しい子別れから古巣へ歸へるところと、菊の亂れ咲く野原で後ろ髪を引かれる思ひを舞ふ幻想的な場面。これが文雀であつたら、どんな風に舞つたのだらう。

 そして、後半は源頼光の四天王と呼ばれた家臣の一人、坂田金時の出世譚。頼光が政敵を倒して鎮守府將軍となるまでを描く全五段の内、坂田時行(トキユキ)に再會した八重桐から、妹に仇討ちを咲子されたと聞かされて自害し、その魂が八重桐の胎内に入り、受胎します。まるで基督のやうですが、神通力を得た八重桐は山姥となり、鬼の首「ガブ」に替はるところが見物。そして、その子供が怪童丸の後の金時となつて活躍すると云ふお話。

 嶋大夫の力演、久し振りに元氣な姿で聞き易くなつた綱大夫もよく、今回の三部の中では最も樂しめた。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年2月21日 (月)

知盛

 文樂東京公演、第三部は《義經千本櫻》から〈渡海屋・大物浦の段〉〈道行初音旅の段〉。この《千本櫻》では、いがみの権太が寿司桶を取り替へて平維盛(コレモリ)を助ける〈すしやの段〉、狐忠信の活躍する〈河連法眼館の段〉と並んで歌舞伎でもよく上演される物語。中學生の時であつたか、歌舞伎教室で知盛入水の場面を見て、偉く印象に殘つてゐる。

 義經に恨みを抱いたまま壇ノ浦で戰死んだ筈の平知盛(トモモリ)が實は生きてゐて、都落ちした義經に復讐を挑むと云ふ場面が渡海屋から大物浦の段となる。安德天皇を義經に預け、典侍(スケ)の局は自殺し、最期に岩の上から身體に縄を巻き附けた先の錨を沈め、入水自殺を圖るのだお。歌舞伎のやうに縄がスルスルスルッと滑り落ちるのと違ひ、齣送りのやうなゆったりとした動きを見るやうで哀れを誘ふ。

 もごもごした咲大夫の切り場(物語の頂點)なので、よく聞き取れないが好演。その後の踊りを主體とした〈道行〉では靜御前(簑助)と狐忠信(勘十郎)の息の合つた舞が吉野の櫻が咲き亂れる背景の中で美しく、津駒大夫と咲甫大夫の掛け合ひもよかった。勿論、三味線は人間國寶、寛治の冴へ渡つた導きで連れの若人が安心して合はせてゐた。錦吾くんも好演。上手になつた。
 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年2月18日 (金)

住大夫

 今月の文樂公演では恐らく最後となる住大夫の《櫻丸切腹の段》が通しで聽けるとあつて、いそいそと出掛けた。御年86歳の最高齢でもあり、長丁場は相當しんどいらしい。《菅原傳授手習鑑》の中でも、《寺子屋の段》と並んで名場面であり、歌舞伎でもよく取り上げられる。

 今回文樂では初めて《吉田社頭車曳(クルマヒキ)の段》《喧嘩の段》も聽きくことができた。主の菅丞相(カンシヤウジヤウ=菅原道真)を失脚させた藤原時平(フヂハラノシヘイ)の牛車を襲はうとする三つ子の二人梅王丸と櫻丸。それを阻止せんとする松王丸と牛車から現れた時平の睨みが凄く二人は竦んでしまふ場面。
 
 すき燒 今朝 には六代目菊五郎の松王丸の隈取りがあり、この場面だとは知つてはいたものの、歌舞伎の華麗さとは別の新鮮味があつた。松王丸役の豐竹松香大夫と時平役の竹本津國大夫が、人形の登場に合はせて上手からまづ大聲を出し、それから床に上がる工夫には吃驚。その聲の大きさもさること乍ら、時平の惡役らしさも抜きにでて素晴らしい演出だ。きっと、江戸時代からかうなのだと思ふと尚更のこと。

 そして迎へた切腹の段。素淨瑠璃の時の勢ひがなく、淡々とこなしてゐる住大夫。各々登場人物の演じ分けは素晴らしいが、廣かつた舞臺が小さくなつた感じで、少し殘念であつた。あと何回名人の聲を聽けるかと思ふと寂しい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年2月17日 (木)

新世界ワイン

Weincaf 歐州(舊世界)ではない新世界ワインを得意とするデプトプランニングの試飲會に參加した。事務所での輸入ワイン勢揃ひ。35種を品種別に順繰りに試す。
 以前は加州に植ゑられてゐなかつたヴィオニエやシュナン・ブランと云つた品種が佛蘭西とは違ふ趣でなかなか面白い。値段は氣にせずに香りを嗅いで口に含んだ途端いに、お~と感激するワインがあるがこれは上代で一萬圓近くするので納得。
 自分の好みばかりでは賣れないので、飽く迄もお客さんの立場で注文し易い價格帶を選ばないとならない。マクナブリッジのジンファンデルがなかなかよい。但し、葡萄畑からゴジラが生まれ出たと云ふ挿繪が大きく入つてゐるので、すき燒 今朝不向きなのが殘念。空想科學映畫好きの所有者の趣味らしいが、餘り個性的なのは困る。中身は同じで別ラベルはないか尋ねたが、現状ではないらしい。氣樂な加州料理屋やワインバーでは受けてるらしいが、來年の辰年に合はせて龍の意匠を提案してゐるらしい。どうなるのやら。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年2月16日 (水)

シュパーゲルワイン

 Spargelwein 先週は東京國際展示場(東京ビッグサイト)で開かれたスーパーマーケット・トレードショウに出掛けた。ドイツワインを出品してゐる知人を表敬訪問。スーパーマーケット、量販店向けの安價なワインばかりだからと恐縮してゐたが、このやうにシュパーゲル(白アスパラ)と共にジルヴァーナー種をキリリと冷やして飲むとシュパーゲルの持つ自然な苦味が丁度ワインの酸味と澁味に合ひ、とても相性がよい。然も、\1,500はお買ひ得だらう。日本でシュパーゲルは罐詰めの印象が強く、ぬるっとしてふにゃっとして筋ばって美味しくないと思はれがちだが、朝採れをその日の晩に食べるのは春を食すのと同意語と云へる位獨逸では當たり前のい風景なのだ。日本では新鮮な生のシュパーゲルに馴染みがないので、日本向けにはわざわざラベルに緑のアスパラガスを描き加へたと云ふ。
 然も、 「コンテナでなくてパレットでも賣ります」だなんて表示を見るに附け、飲食店が6本單位なのと比べて規模の差は大きい。


| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年2月15日 (火)

テレビドラマ

 ルクセムブルク大手民放放送會社のRTL(Radio Télévision Luxembourg)が、どうやら飛行船「ヒンデンブルク號」の最期の航空をドラマ化したらしい、とラインヘッセンの葡萄酒醸造家、淺野さんから連絡があつた。
 まづ日本では放送されないだらうから、非常に氣になる。ネットを通じて見られるとよいのだが如何に。

Zep1Zep5Zep4 時を同じくして米國の競賣に「ツェッペリン伯號」の食器60點が掛けられてゐる。400萬圓あれば落札できるだらうが無い袖は振れない。これさへあれば大勢集めて直ぐにでも、再現料理ができさうだ。或ひは展示に貸し出すか… よい夢を見せて貰つた。

Zep3

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2011年2月14日 (月)

墨繪

 二年前、京都で偶然立ち寄つた展覧會で知り合つた中千尋さんの墨繪が出品されてゐる團體展へ、柴田悦子畫廊を訪ねた。
 中千尋さんは滲んでぼやけた墨繪ではなく、迷ひが一切ない濃くて、力強い植物繪を描く。昨年は美人畫一本槍であつたらしいが、繪に對する真っ直ぐな心意氣がいい。元々意匠を勉強してゐたらしいが、墨繪に目覺めたと云ふ。彼女の墨繪がすき燒今朝に飾れたらと思ふが、生憎豫算もないのが口惜しい。
 昔なら一宿一飯の禮として、或ひは長逗留の禮として、はたまた一生分の食事代として襖繪や屏風繪を描いた話を聞くが、株式會社となつた現代では經理が許してくれず、社長の思ひ附きなど却下されてしまふ。百年後に殘る仕事とはかう云ふこともあらうかと思ふが、難しいものだ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年2月10日 (木)

鹿續き

Y5 一昨日はとんだ日歸りドライブであつたが、この間の日曜日、歸る前の晝食は山中湖畔のK's Pointで、前日の晩に鹿肉を食べたにも拘はらず、折角なので「鹿肉のボルシチ」を食べた。こちらは鹿肉にキャベツたっぷりのトマトスープに黒胡椒が効いて、酸味に奥行きを生んで美味い。此処は犬も一緒に入れるのは嬉しい。

 考へてみると、土曜日の晝食も鹿肉のカレーであつた。
鹿ばかり… 馬を食べなかつたので馬鹿にならずよいか。

Yamanaka 山中湖は棧橋邊りまでは一部氷附いてゐた。もう何年も全面氷結は見てゐない。


| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年2月 9日 (水)

日歸り

 昨朝、次女がインフルエンザに罹つたので迎へに來るやうにと學校側からあつた。冬のキャンプ最終日に… 鋲無雪(スタッドレス)タイヤを履いてゐたお蔭で、急遽黒姫高原迄迎へに。
 都心から関越を抜け、上信越道路の信濃町から降りた途端に雪の壁。施設に入ると雪、雪。東京から3時間半でこんな雪深い山奥に來られる便利さと、自然の凄さに感じ入る。
 でも、こんな時にスキーもせず、温泉にも入らず歸へるのは實に殘念。然も、柳原先生の授業も受けられず、口惜しい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年2月 8日 (火)

鹿

Y4 犬と泊まれる施設woofで夕飯は、一品料理の鹿舌肉のシチューに\1,200を足して、前菜またはスープ、サラダ、ご飯またはパン、デザート、珈琲の定食とした。きちんと基礎のできたコックさんが調理してゐることがわかる丁寧な料理。前日に泊まつた義姉夫婦は別内容が供され、それなりに工夫もある。

 甲州で馬肉はよく食べるが、何故、この山中湖で鹿なのか疑問に思つた。然も、北海道産なのだが、脂肪分の少ない鹿肉がソースに絡まり美味しかつた。以前、秋の夜更けに車で別荘に戻る途中、ばったりと野生の鹿に出くわしたことがある。立派な角と角なしの大小、全部で三頭なので家族であつたのかも知れない。かう云ふ野生動物を見るだけで、旨さうだと思つてしまふのは飲食業の性か。

 さて、woofはきっと、皆さん二食附きで泊まるのであらう。決して多くないお客さんに係の方は、單品に追加して定食仕立てにするのに慣れてゐないのか、幾度も訊き直して四苦八苦し、飲み物は忘れるは滯つたが、誰も文句を言ふやうな仲間ではないのでにこやかに頂けた。かう云ふ場面でいちいち苦情を申し立てられては興醒めである。また、ワインリストには白葡萄の甲州種から赤ワインはできないが、甲州種の赤ワインなんてものまで書かれてゐたが、間違ひは指摘しなかつた。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年2月 7日 (月)

犬と共に

 冬期割引がある爲、犬と泊まれる山中湖の「woof」へ行った。
 芝生の犬走(ドッグラン)で球を追い驅けたり走り廻り、プールで殆ど無理矢理泳がせたり、長女は大喜びで我が家の犬と大はしゃぎ。わざわざこんなところまで來て、遊ばせなくてもよいとも思ふが、周りに氣兼ねなく安心して走り回れるのがいいのだらう。
 元は会員制の庭球ホテルであつたものを、躯體はその儘に改造して犬と泊まれるやうにしてある。犬好きにはたまらないだらうが、誰かが吠えると釣られて應じる爲、大騒ぎとなるし、躾のできてゐない犬や行儀の惡い犬も一緒になるので、傍に寄らないやうにするのが案外難しい。犬の接し方でその家族の姿が浮き彫りになつてしまふ。誰にでも愛想を振りまいてゐたり、他所の子のおもちゃを取り上げて我が物顔で威張つてゐたり、無駄に吠えてるだけの犬の家族の觀察が面白かつたりする。

 但し、昇降機(エレベーター)内が獣臭くてむっとしてゐたり、壁は厚いものの扉は薄く廊下の聲は丸聞こへ、夜中に何処かで吠えると、姿が見えず不安なのか必ず應へてしまふ爲、こちらは寝不足となつた。犬も含めて家族が皆樂しんでくれたのでよしとしよう。


| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年2月 4日 (金)

明朝表具

J 柄入(ガライリ)裂(キレ)地に一文字(本紙の上下の別裂)、明朝(柱の外側に一本布帶が入る)仕立ての掛軸が完成。十月からなので3箇月半掛かった。薄い正絹裂地を選んでしまつた爲、特に柄合はせに骨を折つた。最初の裏打ちで正方形にしないといけないのだが、どうしても布生地が曲がつてしまふ。およそ縦の柄は揃つたものの、光の加減で糊の濃淡が浮き出てしまつた。また、最初に裂を引ッ張つたらしく、中裏打ちで縮みが出てしまひ左上に皺も殘つてしまつた。擧げていくと切りがないが、義理母の栗繪の本紙に色合ひはよく合つたと思ふ。

 次回は風帶(フウタイ:上から二本垂れ下がる布棒)附きの三段大和表具に挑戰する。天地は同じ裂だが、本紙周りの中廻し、一文字と風帶と三種の裂を選んで來た。丸表具は一種だけなので迷はず簡單に選べたが、組み合はせの妙を見せやうと慎重に重ねて熟慮した。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年2月 3日 (木)

立春

Ohinasan 寒い寒いと思つてゐても、立春を迎へた。一月餘りで雛祭り。店内に飾る所はないので、手拭ひ額だ。昨年の内に京都で買ひ求めた手拭ひは永樂屋細辻伊兵衛商店のもの。

 粋で洒落た江戸風なものと違ひ、技巧を凝らし、ほんわかして見せる技は京都ならではだと思ふ。こんなに買ひ込んでどうするの、とやや怒りに聲を震はせたかみさんをよそに、店用なんだからと納得させるのも一苦勞。
 普段から取り替へ引つ替へ鞄に忍ばせ、汗を拭き、膝に載せてナフキン代はりにし、たまにはアスコットタイのやうにして使ふので既に自宅には山程手拭ひはあるからだ。特に藍染めだと臭ひ消しの役目もあるので、大汗かいた夏には大活躍。温かくなるとすき燒は賣れなくなれど、春が待ち遠しい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年2月 2日 (水)

行事

 立春を過ぎたら掛軸も春ものに交換するので中身を確認してた。雛人形を飾る季節となる。昨日の柳原先生の「日本料理の素顔」では行事食と旬の話であつた。

 出席を確認し乍ら「雑煮」に就いて尋ねると関東式の澄まし汁に燒いた角餅が多かつたが、全國各地、同じ名前で中身が違ふ。この邊りは『スタッフアドバイザー』の連載に書いたので、結構調べたので自分も詳しい。知ってる、知ってると大きな聲を出したかったが、ぐっと堪へてよき生徒に徹する。
 實に要領よくパワーポイントで實例を見せてから、五節句の決まつた料理に就いて解説があり、季節の食べ物を取り入れる大事さを説いてくれた。

 辰巳先生のお母さんの濱子さんの『料理歳時記』を讀んでも、技術の進歩が季節感を失はせ、便利によってわからなくなつたことを嘆いてをられた。昭和37~43年の高度成長期に毎月『婦人公論』に書き綴つたものをまとめたものだが、既に新しいものばかりに飛び附く若者、公害問題などが出て來て、ちっとも變はつてゐないことがわかる。

 最近、かみさんは面倒だと文句を言つてゐるが、簡易袋出汁は止めさせ、最近、我が家ではきちんと出汁を取るやうになつた。すると、化學調味料がますます駄目になつた。今まで以上に味がきつくて、舌に殘る。日本人は繊細だつたのだ。

料理歳時記 (中公文庫)Book料理歳時記 (中公文庫)

著者:辰巳 浜子
販売元:中央公論新社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年2月 1日 (火)

どぢゃう

DojouNamzu 鶴心さんの薩摩琵琶を聽いた後、淺草をぶらぶらして飯田屋でどぢゃう鍋を食べる。舊假名遣ひではどぢゃうと書くのだが、三枚の暖簾に入らないので「どぜう」と書いたらしい。
 此処のどぢゃうの丸煮鍋は駒形よりも柔らかく箸で崩れてしまふ程。葱と牛蒡をたっぷりと載せて、熱々を頂く(左の畫像)。旨い。生麦酒の後、熱燗を傾け乍ら友人と唐揚げ、鰻の肝を當てにして、二人前の鍋を直ぐに平らげでしまひ、鯰の唐揚げと鯰鍋(右の畫像)を試してみた。髭の附いた新鮮な切り身二人前をじっくり灰汁を取り乍ら煮込んで頂くのだが、これもまた美味。北九州出身の友人は全て初めてで目を白黒。東京好みの味はひに舌鼓を打ち、盛り上がつた。


| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2011年1月 | トップページ | 2011年3月 »