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2011年2月18日 (金)

住大夫

 今月の文樂公演では恐らく最後となる住大夫の《櫻丸切腹の段》が通しで聽けるとあつて、いそいそと出掛けた。御年86歳の最高齢でもあり、長丁場は相當しんどいらしい。《菅原傳授手習鑑》の中でも、《寺子屋の段》と並んで名場面であり、歌舞伎でもよく取り上げられる。

 今回文樂では初めて《吉田社頭車曳(クルマヒキ)の段》《喧嘩の段》も聽きくことができた。主の菅丞相(カンシヤウジヤウ=菅原道真)を失脚させた藤原時平(フヂハラノシヘイ)の牛車を襲はうとする三つ子の二人梅王丸と櫻丸。それを阻止せんとする松王丸と牛車から現れた時平の睨みが凄く二人は竦んでしまふ場面。
 
 すき燒 今朝 には六代目菊五郎の松王丸の隈取りがあり、この場面だとは知つてはいたものの、歌舞伎の華麗さとは別の新鮮味があつた。松王丸役の豐竹松香大夫と時平役の竹本津國大夫が、人形の登場に合はせて上手からまづ大聲を出し、それから床に上がる工夫には吃驚。その聲の大きさもさること乍ら、時平の惡役らしさも抜きにでて素晴らしい演出だ。きっと、江戸時代からかうなのだと思ふと尚更のこと。

 そして迎へた切腹の段。素淨瑠璃の時の勢ひがなく、淡々とこなしてゐる住大夫。各々登場人物の演じ分けは素晴らしいが、廣かつた舞臺が小さくなつた感じで、少し殘念であつた。あと何回名人の聲を聽けるかと思ふと寂しい。

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