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2011年4月22日 (金)

エディット・ピアフ

 美輪明宏版《愛の讃歌》エディット・ピアフ物語を觀る。悲劇そのままに生きたやうな彼女の人生を、妹シモーネ役にyou、秘書ルイ役に大和田伸也、最後の夫テオ役の大抜擢の佐藤雄一と共に演じてゐる。
 路上で歌つてゐた時代、戰後愛に生き、拳闘家マルセルとの戀の時代、そしてアルコールと麻藥に溺れ、最後に救いの天使のやうに現れたテオの時代と三幕に分け、それぞれを象徴するやうな

 「薔薇色の人生( La vie en rose)」
 「愛の讃歌(Hymne à l'amour)」
 「水に流して( Non, je ne regrette rien)」

を熱く歌ひ上げる。獨特な聲なのにきちんと言葉が聽き取れる。くどい程のヴィヴラートが響き渡り、また照明が觀音菩薩のやうに輝かせる。今の我々には「愛」が足りなかつたのかと思はせる説得力に滿みた歌ひ方。相手に捧げ、見返りを求めない無償の愛。

 カーテンコールに立つ二人はまるで戀人のやうであり、もしかして、若い男の子とこれがやりたいが爲に劇を書き上げたのかと思ふ程、繪になつてゐる。併し、この芝居は1979年に澁谷ジァン・ジァンで自ら書き下ろし、主演初演されたものだ。公園通りの山手教會下、あの200名位しか入らない地下の芝居小屋で演じたのなら、さぞかし親密感があつたことだらう。もう閉鎖されて久しいが、以前フルトヴェングラー協會の集まりで行つたことがある。

 自傳や映畫では殆ど無視されてゐるが、21歳離れたテオで出會ひ、救われたエディット。彼はエディットの死後も借財返濟の爲に歌ひ、6年掛かつて完濟した途端に交通事故で亡くなつたと云ふ。震災後、ボランティアと云ふ無償の愛を捧げる人もゐるが、商賣人には嚴しい時代となつた。せめて、笑顔でゐたいものだ。

http://www.youtube.com/watch?v=D7Fyai861E4&feature=player_embedded

 因みに、最愛の人、マルセル・セルダンが1949年10月27日に乘つた飛行機には、提琴家ジネット・ヌヴーも搭乘してゐた。彼女の78回轉盤は心を温かくしてくれる。特にシベリウスとブラームスの協奏曲、リヒャルト・シュトラウスの提琴奏鳴曲、ショパンの夜想曲第20番嬰ハ短調等、他の追随を許さない珠玉の演奏。


そして、本日深夜24:20~ テレビ朝日 「タモリ倶樂部」では
「フルトヴェングラー生誕125年記念クラシック名盤『音』鑑賞會」
足音、間違ひ拍手、鼻歌等… クラシックの名盤に入つてしまつた
秘密の音が今、リマスターで甦る!
http://www.tv-asahi.co.jp/bangumi/

があるさうです。乞うご期待!

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» 美輪明宏版「愛の讃歌〜エディット・ピアフ物語」(ル テアトル銀座) [飴色色彩日記]
美輪明宏版「愛の讃歌〜エディット・ピアフ物語」を「ル テアトル銀座」で観てきた。そうえいば私「ル テアトル銀座」に行くと必ずマカロン食べているな。美味しいのだよね、あそこのマカロン。 歌と愛に生きたピアフ。第一幕では街角で歌って妹と娘の生活費を稼いでいたところから高級クラブの経営者ルイ・ルプレにひろわれ、作詞家レーモン・アッソーと出会い、成功していくところまでを。第二幕ではイヴ・モンタンやマルセル・セルダンとの出会い、そしてマルセルの死までを。第三幕ではマルセルを失って酒や麻薬中毒になりぼろぼろにな... [続きを読む]

受信: 2011年4月24日 (日) 15時33分

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