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2011年5月25日 (水)

襲名披露

Shumei 今月の文樂五月公演は竹本綱大夫改め九代目 竹本源大夫、鶴澤清ニ郎改め二代目 鶴澤 藤藏の襲名披露口上があつた。體調を崩してゐるものの源大夫はよく頑張り、《源平布引瀧》の内〈實盛物語の段〉切り場を勤めた。息子藤藏は二回も弦を切る程の熱演で大いに盛り上がる。然もその前の〈瀬尾十郎詮議の段〉を住大夫が語り、ハバ(切り場の前)の本來流す場面が面白く聽き入つた。錦糸さんとの息もぴたりと合ひ、迷ひがない。特に人物の演じ分けが樂しくて目を瞑つてもわかるので、ああ、この人の語りだと思つてゐるうちに不覺にも眠つてしまつた。折角の語りを聽き逃したのは殘念だが、心地のよかつたことこの上ない。下手だと氣になつて仕方がないので、寝入ることもできないのだから、よしとしよう。

 襲名披露だと出演者全員の氣合ひが違ふのか、特に第一部の盛り上がりが違ふ。大嫌ひな千歳大夫が上手になつて吃驚。餘計な力が入らず、最後まで語れた。今迄なら勢ひばかりで大汗飛ばし、途中で聲は擦れて、ボロボロになるところが、通る聲が途切れず、素晴らしい。見直した。最近とみに自分の好みの聲と云ふものがわかつて來たので、咲大夫、英大夫はどうしても好きになれないが、呂勢大夫は益々よくなつた。

 太棹は寛治、清治の冴へがいいのは當たり前だが、何時になく響き渡る音がいい。そして、幼げな顔をした貫太郎の琴の正確なことにも吃驚。これまでは清志郎ばかりであつたが、若手に譲ったのだらう。

 人形は文雀が休演のため、簑助、紋壽以下、和生、勘十郎、玉女の中堅どころがそつなくまとめ、安心して見られた。


 第二部《二人禿》では錦糸さんのお弟子さん、錦吾も連れで床に乘つてゐたが、團吾に合はせるのが精一杯、全部彈けてをらず、間合ひの勉強中といったところだらう。《生冩朝顔話》の〈宿屋の段〉では團七の三味線に嶋大夫のくどきが、べたな大阪辯に合ひ涙を誘ふ。この人は時代物より、かう云ふ世話物が得意なのだらう。 


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