« ラフマニノフ | トップページ | 紙箱 »

2011年7月 7日 (木)

冩樂の正體

 明石散人 『東洲斎写楽はもういない』 講談社 を讀む。既に1990年に單行本として出版されてゐたものを、その後の文庫版を底本にして圖表を加へて昨年末に新たに出版された、冩樂とは誰かの謎解き本である。これこそ、決定版と云ふべき内容なので、ネタバレしないやうに細かいことは此処では書かない。

 文献から探るのではなく、史料から探すのだ。だから、必ず原本に當たる。なければ、最も古い記述を探し出す。さうすると、1922年に出されたユリウス・クルトの獨逸語による研究本『SHARAKU』が至極真ッ當であつたと氣附くのだ。史料の細かい差違を擧げ、順番に並べ、何が正しいのか判斷するところが非常に説得力がある。Y氏から授けられる知識を主人公の私が考察して行く。

 十返舎一九の記述、「とうじゅうさい」と讀む筈だと云ふ發見、能樂師、齋籐十郎兵衛との関はりなど、自分には新しい事實ばかりであつた。浮世繪好きなら一讀をお勸めする。

東洲斎写楽はもういないBook東洲斎写楽はもういない

著者:明石 散人
販売元:講談社
Amazon.co.jpで詳細を確認する


|

« ラフマニノフ | トップページ | 紙箱 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/41030/40586577

この記事へのトラックバック一覧です: 冩樂の正體:

« ラフマニノフ | トップページ | 紙箱 »