日本で今最も手に入り辛いワインとなつてしまつた「楠田ワイン」。20年來の友人である楠田浩之さんが獨逸で醸造家の資格を取り、新西蘭(ニュージーランド)でワイン造りを始めて早10年、今年初めて黒字になつたと云ふ。久し振りの一時歸國に合はせて、輸入元のアサヒヤワインセラーとの共同企劃で、ご本人の解説ですき燒とワインを樂しむ會を開いた。6本入りの洒落た段ボールに入つたワインたち。今回は白1種に赤3種と全種目。アサヒヤさんもお手傳ひ下さつたお蔭で非常に圓滑に進行した。


前菜 冬瓜の翡翠煮 天梅肉削節
鰻の白燒(靜岡縣産) 色茗荷・ポン酢ジュレ
ミニトマトの旨出汁浸し
2010年産 クスダワイン マルティンボロ〈リースリング〉コルク栓
アルコール度數は高いものの、滑らかな酸味と爽やかな味はひが嬉しい。板前に指示した料理ともよく合つた。
御造 新涼造り 松阪牛 とっくり肉
2008年産 クスダワイン マルティンボロウ〈メルロー&カベルネ・ソーヴィニヨン〉
決して重くはないので、冷たいしゃぶしゃぶにも合ふ。ベンフィールド&デラマーの畑の葡萄だと云ふ。氣骨のある親父の畑も人に譲る筈が、急遽取り消され、楠田さんが葡萄を買ひ取つて生産したと云ふ。親父の笑顔の浮かぶワイン。
一品 米茄子しぎ燒 そぼろ味噌掛け 天芥子の實
2008年産 クスダワイン マルティンボロウ〈シラー〉
當初〈ピノ・ノワール〉に合はせやうかと考へてゐたが、現場で順番を入れ替へた。こちらの黒胡椒のやうな香辛料の風味がピノの果實味に負けてしまふからだと云ふ。慌ててデカンタージュしてお出しした。それなら、山椒粉をもっと利かせればよかつた。お客樣は大喜びしてくれたからいいか…。
すき焼 松阪牛 ロース肉&いちぼ、芯玉
2009年産 クスダワイン マルティンボロウ〈ピノ・ノワール〉
抜栓してから2時間、注ぐ前に5分だけ冷蔵庫に入れて瓶だけ冷やすとか、細かい指示が飛ぶ。 ワインの果實味が割り下の甘味とも調和して絶妙だ。
お食事 ご飯 あきたこまち(秋田縣特別栽培農産物認証取得) 香の物・赤出汁
水菓子 柚子シャーベット 無花果のコムポート
今回、硝子杯は全てリーデル社から借りたので、品種のもつ特性がよく出たのだと思ふ。羽織を着てると急いで立つ時に裾を踏んだり、着物に赤ワインを零しやしないかとハラハラしてゐたものの無事修了。お客樣の笑顔を見てホッとしてた。

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