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2011年8月 1日 (月)

すき燒を食べよう

 放射能を浴びた藁をを食べた牛からセシウムが出て、内部被爆が問題視され、すっかり牛肉が惡者扱ひされてゐるのは由々しき事態。安全だと信じて買つた飲食店も小賣店も被害者なのに、まるで我々が惡いやうな報道の仕方には正直憤りを感じる。毎日200グラム食べ續けても、凡そ問題ないと云ふ暫定數値もあてにならないが、豚肉や鶏肉が安全だと誰が言へよう。それにセシウムは人體から排泄されるもの。全頭檢査をしない限り難しいだらう。
 
Yosizawa1Yosizawa2 ユッケ問題に續き、牛肉業界は難癖ばかり附けられてゐるが、銀座吉澤での「すきや連」には全國から52名が集ひ、牛肉を食べて元氣にならうと話した。大廣間に収まりきらない爲、別室に送られ、そこで靜かに語り合へたのはとてもよかつた。冩眞はないがこの日も和装で行つた。

 最初に、「江戸仕種(しぐさ)とすき燒作法」の題で、桐山勝さんが話をされた。商賣繁盛の秘訣のやうな生活の智惠が、後繼者が身に附けるべき態度や儀禮と自然と整備されたものだと云ふ。被害を受けた方が先に謝る「うかつあやまり」、惡いことの出會(くわ)しても「無悲鳴の仕種」など、現代の經營者でも學ぶべき點は多い。

 最初に松阪牛を東京で廣めた吉澤畜産では、現在いわて牛や仙臺牛の育成にも力を貸してゐる。だからこそ、東北を應援しようとしてゐるにも拘はらず、今回のセシウム騒ぎで手の平を返したやうな仕打ちに涙を飲んだと云ふ。弊社の和牛は全てこちらでお世話になつてゐるので、いつも熟成した最上級のものを回してくれてゐるだけに、さう云ふ店が在ると思ふと殘念でならない。

 こちらでは白い根深葱と玉葱と兩方鍋に入る。戰前は玉葱は高級品であつたから、東京會舘では玉葱だけだとそっと東京會舘・日本料理総調理長が教へてくれた。岩崎家では鐵板で牛肉をバターで燒くのが好まれたとか、今度チョウザメ&キャビア尽くしをするとか、樂しい話に華が咲いた。また、斜向かひのかなわ水産社長から、廣嶋で牡蠣は通年捕れるのにも拘はらず、夏は岩牡蠣しかないとされてしまつて、供給路がないので賣れないのだとか、筏の上でシャムパーニュ・パーティーを開くとか、吃驚するやうな話がぽんぽん出て來る。そして、自分の隣に座つた北十勝ファームの社長からは、今でこそ短角牛で有名だが、昔は大晦日になると村で持ち回りで一頭潰して分けて正月を迎へたとか、餌となる藁の収穫が今最盛期だとか、知らないことばかりでとても勉強になつた。

 この日は個室の7名分を仲居さんが焜爐で炊き、火を止めて取り分けるのだ。最後に炒(い)るやうにして白瀧を燒のも美味。牛尽くしの料理には牛を愛する店ならではの工夫が凝らされ、美味しかつた。次回のすきや連は群馬へ行くと云ふ。

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