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2011年9月30日 (金)

魚三樓

 本日よりツインリンクもてぎでバイクレースの最高峰、MotoGP世界選手権、日本グラン・プリが開幕する。自由走行、豫戰を經て日曜日の決勝戰を迎へる譯だが、MotoGP級は破竹の勢ひに乘るケーシー・ストーナーの年間優勝が懸かつてをり目が離せない。明日、未明に家族を引き連れて出發し、9時過ぎからの排氣量125cc級の自由走行に間に合はせる。上り調子の青山博一、まだ結果の出ない高橋裕紀、今回のみ伊藤真一、秋吉耕佑、それに中上貴晶當も出走するので樂しみ。それ故、本日はどうも落ち着かない。

2011092711420000Matutake さて、京都伏見でのレス協理事會の後は、1764(明和元)年創業の魚三樓で食味會。入り口の格子には鳥羽伏見の戰ひの彈痕が有ると云ふ。
 京都は公家の街なのに對して、伏見伏見城が在り武家の街。それ故、料理の味附も微妙に違ふと云ふ。
 伏見の酒も樂しみにしてゐたが「月の桂」のにごり酒が食前酒として杯に注がれる。概して甘味の多いたおやかな味はひだが、この月の桂はかなり獨特。食中酒として他の酒造藏のものも頂いたが、五百万石の特別純米「嘉都良(カツラ)」も​酸が強く個性的で美味。勿論、藝者や舞子が舞ひ、お酌をしてくれるのは京都ならではの雅なもの。

 確かな傳統を繼いだ料理の數々はどれも素晴らしい。彩りも見事な前菜、細やかな心遣ひのお造り、甘鯛のパリパリの皮まで美味い燒物、吸物、蓮根小倉煮や鮑の酢の物の柔らかさ、冬瓜の蒸し物は鼈(スッポン)仕立て、そして、いくらご飯に鮭が加はり鹽加減が絶妙であり、京都の漬け物の良さを噛みしめ、止め碗、最後に南瓜プリン。
でも、季節柄初めての松茸の土瓶蒸しほど感動したものはない。鮮度が違ふとかうも違ふものなのか。恐れ入つた。

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2011年9月29日 (木)

ケナークラブワイン会 in 大阪

Osakakenner1972 京都出張を前泊にして、大阪で初めてドイツワインケナークラブワイン会を開催した。20名のもの人がヴィア・ジィオーベ・クワットロに集まつた。
 何故、伊太利料理に獨逸ワインと云ふ質問は置いてをいて、8種の獨逸ワインと料理を樂しんだ。案外、大阪辯と獨逸ワインは合ふんだと阿呆なことを考へつつ、會長の補佐として會計、ワインの抜栓、注ぎ係と忙しく立ち回り、慌ただしく閉會。會長寄贈の珍しい39年前のワインは酸味がまだ生きてをり、綺麗に枯れたふくよかな甘味を樂しんだ。

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2011年9月28日 (水)

試驗對策講座

Taisaku 日本ドイツワイン協会連合会・ドイツワインケナークラブ​主催の「ドイツワインケナー呼称資格認定試驗對策講座」で司會進​行を務めた。こういふのは場數がものを云ふので、もうあがらないが​、未だに氣の利いたことが言へない。それでも、淡々と滯りなく進み大助かり。

 歸國したばかりの北嶋裕さんの「エクスレからテロワール」と題した​、來年から運用の始まる新ワイン法に就いての生情報は貴重であつた​。學者さんらしい立派な講義。 それに對して小柳會長はバリトンの通る聲で冗談を交へ、親しげに​受験生に語つた。何とも對照的な二人のお陰で減り張りが附き樂しいセミ​ナーとなつた。

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2011年9月27日 (火)

パーティー

Kuuji 一度、會報『翼』に「ツェッペリンの飛行船の料理」と題して寄稿しただけだが、今年も、航空自衛隊聯合幹部會の懇親會のお招きを受けた。
 震災後、最初に福嶋原發にで給水作業をした方々の話や、松嶋のブルーインパルスが津波で水没した話など、現場の生々しい話を伺つた。空自OB有志が被災基地で頑張つてゐる隊員に義損品として提供された「日本一心」のTシャツを買ひ、ささやか乍ら協力。書家の紫舟さんの字だと云ふ。肩には日の丸と絆の文字が入り、まだまだ復舊復興途中だと云ふことを忘れないやうにしたい。

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2011年9月26日 (月)

九月文樂公演

 今月の東京での文樂公演はなかなかのもの。第一部は《壽式三番叟》《伽羅先代萩》《近頃河原の達引》の三本、第二部は《ひらがな盛衰記》《紅葉狩》の二本立て。

 特に普段は住大夫が語ることのない三番叟の翁を語り、開場45周年に加へ、格調高く、震災復興への願ひが隠つた名演であつた。《先代萩》は珍しく歌舞伎から人形浄瑠璃にされた作品で、既に歌舞伎で觀てゐたが、嶋大夫の乳母政岡とお家乘ッ取りを企む八汐との掛け合ひもべたな大阪辯で人情味たっぷりであつた。住大夫の得意とする〈堀川猿廻しの段〉は源大夫と藤蔵親子の熱演。併し、相變はらず源大夫の聲は聞き取り辛いのが殘念。

 《ひらがな》の大津の宿で襲はれて腰元お筆以外皆殺され、敵の中、山吹御前の亡骸を笹に括り附けて引き摺つて戻ると云ふ悲しい〈笹引きの段〉を呂勢大夫と清治組が哀愁漂ふ夜の場面を演じて光つてゐた。そして、能を主題として文樂に移した《紅葉狩》は歌舞伎と粗筋は全く同じでも腰元の數や馬上の人として現れない、刀は盗まれないが山の神は起こしに現れる等、微妙に違ふが、これはもうエンタテイメントとして平維茂と鬼姫の激闘を單純に樂しめた。
 若手の大夫、三味線、人形遣ひとそれぞれ技が磨かれ、向上してゐるのがはっきりと解り、樂しかつた。

 

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2011年9月22日 (木)

オペラ座

Garnier1Garnier2 巴里ではお決まりの凱旋門やオルセー美術館へも行つたが、忘れられないのはやはりオペラ座だらう。ガルニエ宮とも云はれる通り、地下水に苦しめられた大工事の末に完成した歌劇場。コテコテ、金ピカの大階段や二階ロビーは幕間の賑はひを感じさせる豪奢な建物。そして、ホール天井繪はシャガール。でもこの下に往年の繪が有ることは意外と知られてゐない。塗り潰してしまつたのは惜しいと思ふのは自分だけだらうか。
 お土産に此処の屋上で採れた蜂蜜を買つて歸へつた。


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松屋銀座

 たまたま松屋銀座に半襦袢を買ひに昇降機で七階に辿り着いたら、真ッ先に眼に入つた「遊びギャラリー」に足が向いてしまつた。「橋 寛憲 針金造形作品展」。よく觀光地に針金で名前を作るヒッピーが昔はゐたものだが、それを上品にアートに極めた感じ。大きな作品は西表山猫にもなるが、金魚、蛙、蜥蜴、甲蟲、蝉のやうな生き物が立體的に作られてゐる。身體は波場にした針金の山の部分を巧く接續して自分の脚で立つてゐるのだから素晴らしい。安ぽい針金ではないのであらう、輝きが違ふ。見てゐるだけでふと微笑みが零れる。何氣に飾つてもいいのだらうなあ。

 そして、その隣の美術畫廊では丁度「イレブンガールズ アートコレクション」をやつてゐた。アートの新しい風 11人の女子が彩る美術展と副題が附いてゐる通り、1980年代生まれの若手の女流作家11人の展示會。洋畫、日本畫、水彩畫、銅版畫、木版畫、陶造形など色々。作家本人もゐるのでまた樂し。もう判らないことは本人に尋ねるのが一番だと云う癖が附いてしまつた。

 一所懸命説明してくれるし、直接疑問點をぶつけられるのがいい。川瀬巴水の影響かなと木版畫の百瀬晴海さんに問へば、矢張り好きだと云ふ。彼女は葉書大に鳥や動物を描いてゐたが、もう少し色を重ねてしっかりと着色した方がかすれた今の感じよりもいい氣がした。

 また、アクリル畫で軸装してある動物繪の瀬下梓さんの表装が實に殘念。何処で表装したのかと訊いたら、軸になつてゐるものを買ひ、真ん中の本紙の後から描いた作品だと云ふ、それで合點が行つた。天地の裂が如何にも出來合の個性がないもので、本紙の周りの裂も今一つ、一文字にしてもぱっとしないし、黒い軸先が全體の雰圍氣を臺無しにしてゐるのだ。ご本人は軸の柄の色に合はせて、色合ひを決めたと云ふが本末轉倒だらう。これは素直に傳へた。然も、化學糊なのだらう、機械表装だと長い間に色變はりするので、きちんと小麦澱粉の生麩糊(シヤウフノリ)でないと勿體ないとも。

 軸装すると高くはなるかも知れないが、こんなところで妥協していけないと勝手な意見も重ねて述べた。繪が引き立たないのが、とても殘念。作品を生かせるやうに、もっと眼を養つて欲しいとも。犬の背景の植物がアール・ヌーヴォーぽいので尋ねると、大正時代の繪も好きだと云ふ。まだ、かうして伸び白がある分、行く末が樂しみでもある。

 総じて云へるのは、氣迫に欠ける。好きで描いてゐるのは傳はるが、それ以上の息をのむやうな個性や壓倒的な力を感じないのだ。作品に命を賭けた先人たちとは違ひ、これから畫業にして行くにしては、ゆるい平成の作品なのだらうな。十年後にまた彼女たちの作品が觀たい。

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2011年9月21日 (水)

ボビンレース

Lace3 ルーヴルでは長蛇の列を避ける爲、豫め指定市内美術館連日有効の入場券を購入してゐたので、すんなりと入れた。「モナリザ」「ミロのヴィーナス」サモトラケのニケ(Victoire de Samothrace)」「ナポレオンの戴冠式」「ハムラビ法典」等、美術史で學ぶやうな作品を眺め、ナポレオン三世の食堂、アール・ヌーヴォーの家具もしっかりと目に燒き附け、そして最後に17世紀和蘭繪畫室を訪ねた。
 此処にはひっそりとフェルメールの繪が二枚「レースを編む女」と「天文學者」が有る。極小さな繪なのだが、初めてこれがボビンレースだと氣附いたのだ。ごった返し中國人團體に押され氣味の名品の前と違ひ、精々日本人しかやつて來ないので、ゆっくり觀られた。


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2011年9月20日 (火)

レバノン料理

LibanaiseLibanaise1 巴里で流行つてゐるレバノン料理屋「ヌーラ」。亞剌比亞料理なのだらうけど、我々日本人には全く馴染みのないものばかり。シテ嶋が見渡せる左岸に在る亞剌比亞研究所の屋上階故見晴らしもよく、黒服の上品なおじさんのサービスも美しい。流れる亞剌比亞音樂が異國情緒たっぷり。但し、兎に角量が多い。晝食でも豫約していい席を押さへ、折角なので傳統的な定食48ユーロを注文したが、前菜だけでお腹一杯に。一尺はある大皿に冷製、温製の料理が盛られてゐるが、酸っぱい葉物に穀物のおかゆ、それに揚げ物。どれも美味だが、量が多い。食べても食べても減らない。

Libanaise2Libanaise3 主菜のケバプは我々のイメージするものとは違ひ、穀物の生地に挽肉が挟まつたものにヨーグルトソースを掛けて食べる。そして、もう一品の本日の皿は野菜のシチュー。孰れかの選擇だが、遂ひに殘してしまつた。

Libanaise4 デパート内の店ではこの揚げ物とかが珈琲と供出されてゐるやうだからそちらにすればよかつたか。これもよい經驗。

※NouraのHPはハッキングされてをり、到達できない。

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2011年9月16日 (金)

リヨン驛

Trainbleu2Trainbleu3 巴里で行つたら是非食べに行きたかった一つ星のレストラン「ル・トラン・ブルー」。青列車即ち寝臺車と云ふ名のこのレストランはリヨン驛の驛舎の二階部分に在る。ネット上からよい席をお願ひしたら、TGVのよく見える窓際の席にしてくれた。
 1900年創業のこのレストランは天井が高い上に旅情を誘ふ南佛蘭西や地中海沿岸の繪が描かれてゐる。ロココスタイルの金ピカな天井がまるで宮殿のやうで居心地がいい。東洋系のギャルソンの温かいサービス。4人揃つて98ユーロのフルコース「ムニュ・デグスタシオン」にした。シャムパーニュが附いて1萬圓一寸と云ふのは圓高のお蔭。附き出し、自家製のフォア・グラのパテ、大鮃、口直しのグラニテ、仔牛肉、デザートとボリュームもあり、古典的佛蘭西の神髄が味はへた。晝食を輕く濟ませたので、何とかデザートまで辿り附いたが、最後の珈琲と共に出されたマカロンがもう口に入らない。そっと持つて歸へつたが、殆ど割れてしまつたのは殘念。

 隣の若い日本人夫婦のご主人の食べ方が酷く、雰圍氣をぶち壊してゐたのが口惜しい。うちの娘たちは會話を樂しみ、飲み過ぎるなと注意をし、大いに食べて食事をゆったり樂しんでくれてよかった。

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2011年9月15日 (木)

若礼

Expo_jacoulet_gd_eng 巴里に到着して旅装を解いて間もなく、地下鐵で國立圖書館へ。本を四隅に立てた意匠廣場の地下は全て藏書となつてゐるが、此処で「ポール・ジャクレイ」の展示があると知り、真ッ先に觀に行つた。初めて故に案内所へ行き尋ねたら、無料な上廣い館内の行き方まで丁寧に教へてくれた。英語の質問に全て佛語で返して來たが、何故か意味がよく判つた。併し、家族は珍紛漢紛(チンプンカンプン)で何故理解できたのか質問攻めに合ふ。右だの左だのその先にモニュメントがあるだの幾つかの單語から想像した筈なのだが、そこは察する氣持ちさへあれば判ると思つてゐたら、普通はさうではないらしい。

 南洋や日本の戰前戰後の風俗や人を木版畫で描いて人としか知らなかつたが、西洋と東洋の融和が繪に込められてゐた。調べてみると、お雇ひ外國人の息子として幼くして來日、ソルボンヌ大學を出てまた日本に戻り、義太夫を習ひ、日本畫に親しんだジャクレイの繪には、和の心がある。落款は「若礼」と彫ってある。成る程、真っ黒い瞳が印象的。水彩畫の原畫と新版畫(木版畫)の違ひ、版木も展示してあつて、南洋、日本、韓國、中國の風俗に分けてとても見易い。平面的な畫面に醸し出る佛蘭西の香りと和風の佇まひが面白い。かう云ふ人がゐたんだなあ。早速、古本で2003年に横濱美術館で開かれた展覧會圖録を取り寄せた。

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2011年9月14日 (水)

タリス

ThalisThalis2 ブルージュから一般の列車に乘りブリュッセルに出て、其処から巴里まで國際列車タリスに乘つた。深紅の車體も美しく、家族連れなので安心して乘車できる一等にした。柔らかく大きな座席は何とも優雅であり、丁度晝食時には輕食のサービスもある。重い荷物を引き摺つて乘つただけのことはある。大麦とスモークサーモンのサラダ、野菜のマリネ、果物にパン、飲物、珈琲も附く。飛行機の食事に似てゐるが、全く歐州人向けの食事故、次女はダメであつたが、野菜好きな長女と自分はぺろりと食べてしまつた。

 思へば15年前の特急は3時間も掛かつたが、これは半分の1時間半で到着する。それに今はユーロになつたので、兩替の必要がないので樂だ。

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2011年9月13日 (火)

燒肉

Grill2Grill3Grill1 ブルージュの舊市街を取り巻く運河沿ひにあるグリル専門店「ビストロ・デ・シャール」は庶民的な店だ。前菜には馬刀貝(マテガイ)、蛙の大蒜バター燒き、それに蝸牛とシャムピニヨンのカレークリームソース(畫像なし)を頂く。大きな馬刀貝は新鮮なところを最初に見せてくれた。蛙の足は日本では殆ど食べられないが、鶏肉よりもあっさりして美味。エスカルゴも貝の味はひがとてもよい。

 そして主菜には子羊(畫像)、牛ロース、鴨等のグリルが絶品。肉は全て天火の網の上で燒くので香りがいい上、燒き具合も最高だ。西班牙の發泡酒カヴァで乾杯して、モンテプルチアーノ・ダブルッツォを飲む。白耳義は何処で食べても外れがない。

Grill4


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2011年9月12日 (月)

海の幸

Mer1 ブルージュから車で30分海の玄関口ゼーブルッヘの西側のブランケンベルクへ行つた。ゼーブルッヘの反對側のクノッケが高級ブティックの並ぶ街なのに對して、このブランケンベルクは庶民的な街。海沿ひの遊歩道を歩いてゐる人も違へば、店も全く違ふ。
 さて、此処の海鮮料理屋「ウーステルプート」へ。どうしても氷の上に魚貝類が並んだ「プラトー・ド・フリュイ・ド・メール」が食べたかった。23年前に巴里で生牡蠣で大當たりをしたので、巴里よりも鮮度のよい白耳義の港町で食べたかったのだ。その日の朝水揚げされて直ぐに鹽茹でされたた新鮮な小海老、手長海老、大正海老、生牡蠣、ツブ貝、ピリ辛く塩茹でした貝、蟹等が並ぶ。それを無言でひたすら食べる。シャムパーニュとセットもあつたが、ブルゴーニュの「リュリイ」と頂く。食べても食べても、全然なくならない。黒い貝はピンでほじくり出して食べる。ワイン酢やマヨネーズを附けてもいいが、そのままが一番。嗚呼、たまらん。
 他に帆立貝のグラタン、鰺の塩燒、そしてムール貝とドーヴァー海峡で揉まれた肉厚の舌平目。ムール貝は一人前一瓩(キロ)もあるので、皆で分ける。魚介の旨味を堪能した。
Mer2Mer3Mer4


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2011年9月 9日 (金)

レース

Lace ブルージュは「レース織り」でも有名で特に「ボビンレース」が市民に愛好されてゐる。時折、扉を開けて自然光でレースを編む姿が見られる。糸をボビンと呼ばれる糸巻きに巻いて、織り臺の上で型紙の上にピンで固定し、ボビンを両手で持ち、左右に交差させ乍ら、平織り、綾織り、重ね綾織りの3種類で紡いで行く。

 このブルージュのレースは、19世紀に聖職者の衣服の装飾品などに使はれたらしい。中世の王樣や貴族の襟のレースを思ひ出して貰ふとわかるが、細かい編みは熟練の職人でも作成に膨大な時間が掛かるので富の象徴でもあつた譯。今は趣味でやる人が増えて來たと云ふ。よいことだ。手藝屋では材料も賣つてをり、矢張り毛足の長い埃及(エジプト)綿は高い。漂白した真ッ白のものとしてゐないものとあり、壁に掲げられた作品は日用使ひには勿體ない程。丁度、レースの展示會もあり、是非購入したかつたのだが、個人の出品は展示のみで販賣はしてゐなかつたのが殘念であつた。

Lace2 その後、巴里のルーヴル美術館ではフェルメールの名畫「レースを編む女」を觀たが、これはボビンレースだと初めて氣附いた。然も非常に小さい繪で吃驚。白耳義で實際に織る所を見たお蔭。


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2011年9月 8日 (木)

たぬき

 その昔、フランクフルトで一緒に働いてゐた同僚が白耳義へ戻り店を開くのを手傳つた。それが此処「たぬき」。最初の簡單な圖面を引いたり、イメージ繪を描いたり、店の障子や和風の扉を見たこともない大工に指示したり、ロゴを描いたり、手書きで献立表を書いたり、自分の得意分野でのお手傳ひであつた。今も仲のよい友達で、家族ぐるみの交流を續けてをり、年に一度はすき燒今朝から制服の着物やら日本酒や日本のワインを送つてゐる。
Tanuki1Tanuki2Tanuki3 娘たちは始めて訪ねる店内で話される日本語と和風の趣にすっかり日本に歸へつたやうに寛いだ。前菜、壽司、餃子、鳩の揚げ物、鐵板燒き、水菓子と堪能した。地元の人に愛されてをり、一緒に街を歩くと度々お客さんに遇ふ。海外で確かな技術に裏打ちされた本物の和食に出會ふことは少ないが、たぬきはミシュランガイドにも載る程の實力を附けたのは嬉しい限り。

Cond此処で飲んだコンドリューも美味かつた。

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2011年9月 7日 (水)

スパゲティアイス

Spagetti1Spagetti2 今はそんなに甘いものは食べないが、在獨時代に同僚たちとよく食べたのがこのスパゲティアイス。アイスクリームを少し柔らかくして麺状に出した上に苺ソースかチョコソースが掛かつてゐるもの。白耳義へ行つたら、これを娘たちに食べさせてやろうと思つた。

 友人お勸めの「ダ・ヴィンチ」では真ん中には生クリームがたっぷり入つてゐて量もあり、大喜びしてゐた。


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2011年9月 6日 (火)

奥津直道展

 この間、柴田悦子畫廊からの案内で「奥津直道展」を觀に行く。丁度、柴田さんは次の展示の打ち合はせで沖縄に發ち作家ご本人一人であつた。

 前回「男が描く男・女が描く女」展の際にも、筋骨隆々で褌姿の男が金地を背景に巨大な鯉を仕留めやうと格闘してゐる繪が展示してあつた。男の魅力を傳へやうと云ふのか、ゲイテイスト滿載の繪で吃驚した。但し、モデルさんを見て描いてゐないのか、筋肉の附き方が不自然で、岩繪の具、アクリル繪の具の使ひ方も單にごてごてして必然性がなく、まだ稚拙であり、どんな作家なのか氣になつてゐた。

 さうしたら、何と華奢で控えめな佇まひの若人であつた。徹底的に素描(デッサン)を繰り返して得られた力ではない、何か迷ひが全面に出てゐるので素直に感じたままを傳へた。すると、まだ挑戰中なのだと云ふ。自家薬籠中にした技の數々を披露するのではなく、新しい試みに挑戰してゐる最中だと云ふ。葉書大の繪だと率直に物語や奥行きを感じるのに、大きい繪になると焦點がぼやけ、何を訴へたいのか判らなくなつてしまふ。折角いい繪なのに、餘白を汚した爲、適當に胡分を塗つて誤魔化してゐたり、勿體ない。

 彼がこれらを乘り超えられたなら、きっと凄い畫家になるのだらう。單にゲイアートを超えて、普遍的な人間の美に迫つて欲しいものだ。暫く注目して行かう。

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2011年9月 5日 (月)

大地の歌

Daiti2Adagietto 第二回「蓄音機の會」は颱風の所爲か參加者は12名と少なかった。メンゲルベルクの指揮、紐育フィルの「エール」はバッハ作曲、マーラー編曲のもの。遅めのテムポににポルタメントが目立つが、心に沁み入る演奏。

 そして、《大地の歌》はマーラーの弟子、ワルター指揮の維納フィル、1936年當時としては珍しい實況録音。最初の數枚は盤の痛みが氣になつたものの、後半に進むに從ひ音もよく、維納樂友協會大ホールの奥行きや残響が確認できる名演。ナチス政権から伯林を追はれ、併合前の墺太利と云ふ不穏な世情を微塵も感じさせない。初演者ならではの深い理解と師匠に對する畏敬の念が溢れてゐる。晩年のステレオ録音もよいが、ふくよかな音像はこちらの方が優れてゐる氣がした。アンコールは同じくワルター指揮、維納フィルの〈アダージェット〉。以前廳いた時と比べて、今回の方が素晴らしい。ホールの所爲か、こちらの心の状態なのであらうか。

 ところが、公共のロビーの扉を閉めるのはおかしいと苦情が來たとかで、蝉時雨に雨音に惱まされた。それ故、集中するのがたいへん。然も、聲が通らないからマイクロフォンを使ふので、緊張して思ふやうに話せず、反省點は多い。また、一箇月前にならないと、上階ホールの使用が確定されず、こちらの日程が決められないと云ふ不都合もある。なかなか難しい。

Daiti1 東洋趣味の曲に合はせて和装にした。


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2011年9月 2日 (金)

アニメ化40周年

Lupiniii 「ルパン三世」のアニメ化40周年を記念して松屋で展覧會があつた。
 モンキーパンチが1960年代後半に描いた漫畫が1971年に動畫化された際は大人向けのアニメ故、視聴率が伸びず23話で打ち切りとなつたと云ふ。それが再放送で人氣が出て、子供向けにギャグを増やし、1977に新シリーズが放送され、映畫版では宮崎駿監督の「カリオストロの城」等、更に人氣が出て、國民的なアニメとなつた。
 その漫畫原稿、アニメのセル畫、フィギュア等、かなり氣合ひの入つた回顧展であつた。オタクではなく、老若男女の幅廣い層の觀客を見てもどれほどの人に愛されてゐるか分かる。
 ルパン三世、次元大介、峰不二子、石川五ヱ門、銭形警部と個性の際立つた登場人物も魅力のひとつ。自分は舊シリーズの何処の國だか判然としないのが好き。佛蘭西歸へり故、モーリス・ルブラン原作のアルセーヌ・ルパンも氣になるところ。

 明日は日比谷公会堂アーカイブカフェ第二回「新蓄音機の會」!13時にお待ちしてゐます。

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2011年9月 1日 (木)

ワッフル

 Wafeln 白耳義で忘れられならないのは「ワッフル」だらう。朝食がたっぷり食べられる宿故、いつも午後はクレープかワッフルで輕い晝食とした。醗酵させた生地を格子柄の鐡板に挟んで焼き上る簡單な菓子だ。蘭語で「ヴァッフェル」、佛語では「ゴーフル」と云ふのだが、ブリュッセル式は長細い型全面を使つたもの、リエージュ式は真中で丸く燒いたもの。ブリュッセル式の方が輕くサクサクしてゐて、上に粉砂糖を振ったり、猪口冷糖を掛けたり、アイスクリームを寄せたり、お酒を掛けたりして色々と變形が樂しめるのがいい。

Wchoco ブルージュ市内のカフェなら何処でも食べられるが、市場廣場から小路に入つた所の「ビタースウィート」がよかった。此処は9時の朝食から提供してをり、12時から昼食、14時半からおやつと云ふ風に献立も分けてある。開いたままで提供されるクレープを、自分で真中に砂糖を散らして丸めて食べるものだと初めて知った。最初はピザのやうにして食べてゐたが、隣のお婆さんの食べ方を見てゐて氣附いたのだ。
 また、花辯状の猪口冷糖を温めた牛乳に溶かして飲む「ミルクチョコレート」は特にかみさんのお氣に入りとなつた。勿論、英語も通じる。


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