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2011年10月31日 (月)

北緯50度

 ライン河を見降ろす丘の上に在るシュロス・ヨハニスベルクはメッテールニヒ侯爵が維納會議の功績により、ハプスブルク家から下賜されたもの。今も最後の末裔が住んでゐる。此処のワインも素晴らしいのだが、高い。そして畑へ行くと、丁度此処を北緯50度の見えない線が走つてゐて、葡萄の北限を感じさせてくれる。
 また、此処はシュペートレーゼ(遅摘みの意味だが、その昔は貴腐ワインを指した)發祥の地としても知られてゐる。領主フルダの司教から収穫許可証を持つた傳令が歸路追ひ剥ぎに遭ひ到着が遅れたことから、葡萄畑は貴腐菌の附いた葡萄房ばかりで真ッ黒になつてしまひ、泣く泣く収穫してワインにしたところ非常に高貴な香りと類ひ稀な甘味の黄金色のワインができたと云ふのである。1775年のことだ。

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