« 同窓會 | トップページ | 吟遊詩人 »

2011年10月 5日 (水)

ローエングリン

 バイエルン國立歌劇場來日公演の内、歌劇《ローエングリン》と管絃樂演奏會に行く。主役ローエングリンを歌ふヨナス・カウフマンが樂しみで買つたのに、手術で來られないと云ふ。幾人もの歌手や裏方が來日を拒否する中、ほんたうは放射能が怖いのではないかと憶測も飛ぶが、代役はヨハン・ボーダー。でかくて、とてつもなくいい聲をしてゐるが、結構幅のある関取のやうな容姿が殘念。ルートヴィヒ二世が好んだやうにローエングリンは白鳥の牽く小舟で登場するだけに長身の美男子がいいのだ。カウフマンは聽けなかつたが、主役エルザ、魔女オルトルート、それに唆(ソソノ)されるテルラムント伯爵、ハインリヒ國王との釣り合ひもく、非常に水準の高い演奏となつた。
 音響の芳しくない日本放送協會ホール三階隅席でもバエイルンを率いるケント・ナガノの手腕が活かされ、よく響く。前回、メータで聽いた時は遅くて、重くてイラッとしたものの、ナガノさんは早めのテムポでぐいぐいと引き摺る込むやうな勢ひがあり、ワーグナー初期の伊太利式番號アリア附歌劇としては溌剌として、とても樂しめた。

 そして、サントリーホールでのオケ演奏は巴里版《タンホイザー》序曲とヴェーヌスベルクの音樂、リヒャルト・シュトラウス《四つの最後の歌》、ブラームスの四番と後期浪漫派で纏めたプログラム。オーケストラボックスと同じ配置でヴァイオリンが左右兩サイドの來るので、掛け合ひとなつて面白い。懐の深い音幅、きっちりと最後の一音の響きがホール全體まで響き終はるまで演奏を續ける姿、將にお手本とも云ふべき獨逸らしい音がした。これがベルリンフィルだと、もっと世界的なメンバーでグローバルな萬人向けな完璧な演奏をするところだらうが、バイエルン州のミュンヘンが本拠地だからか、地方色の濃いふくよかさがある。

 終演後、現役學生の後輩たちと樂屋を表敬訪問。6月のお禮と感動醒めやらぬことを傳へ來年、もしかすると學生が獨逸へ行くかも知れないと傳へると、「是非、ミュンヘンへ遊びに來て下さい」とお優しい言葉。獨逸人秘書の方とも名刺を交換し、決まったら連絡すると傳へる。ナガノ氏の奧様が日本人だと初めて知った。

|

« 同窓會 | トップページ | 吟遊詩人 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 同窓會 | トップページ | 吟遊詩人 »