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2011年12月29日 (木)

大掃除

 昨日で平成23年の營業はお仕舞ひ。本日は大掃除なり。

 事務所机の回りは、作業途中のものも多く、すぐに散らかる。以前は、こまめに片附けてゐたが、ふたつの事務局長を引き受けてから、煩雑になり、中途の書類が山積みとなつて、これからと讀み終はつた本もあつて、すっかり混沌、無秩序となつてしまつた。それが、だいぶ綺麗になりました。すっかりとならないのは困りものです。

 また、來年も宜しくお願ひいたします。よいお年をお迎へください。

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2011年12月28日 (水)

タンシチュウ

FoiegrasLangue 基督降誕祭に家族で佛蘭西料理と行きたいところであつたが、忙しく混んでゐる店でお仕着せの料理を忙(セワ)しなく食べさせられるより、すきや連で社長と知り合つたのをこれ幸ひに、洋食にしようと「香味屋」へ行つた。

 昔は近所に何軒か洋食屋があつた筈なのだが、何時の間かなくなつてしまつた。こちらは 真っ白い卓子布の掛かる高級店である。フォア・グラのテリーヌを前菜にタンシチュウを主菜に選ぶ。オニオングラタンスープ、エスカルゴ、ビーフカツレツ、ビーフシチュウ、コロッケと家族は皆別のものを頼み、回して一口づつ賞味できた。懐かしい味はひばかり。特にデミグラスソースが秀逸。確かにかう云ふ丁寧なサービスと味はひであつたと昭和に浸る。

 ボルドーのラランド・ポムロールの赤ワインを半瓶だけ頂き、酔ひ過ぎず、心地よい中、ゆったり電車で歸宅した。


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2011年12月27日 (火)

手料理

Bolognese 時折、自宅で料理を作る。かみさんは和食と中華は習ひに行つたと云ふだけあつて美味いのだが、洋食は得意でない、と云ふか作つたことがない。そこで自分の出番だが、天火で燒くか、煮物程度しかできないが、カレーと並んで得意とするのがミートソース。ボロネーゼと云へるやうな代物ではなく、牛挽肉と赤ワインをたっぷりと使ひ、煮込むだけの家庭料理。他の違ふのは、榮養の釣り合ひを考へて、肉だけでなく赤豆を入れることだらうか。

 お蔭樣で娘たちが食べたいと言つてくれるので、時折作る。合はせたワインはオデッロ社の1993年産バローロ。既に頂上を越え、餘韻の少ない枯れた味はひ。もっと早くに飲んでしまへばよかつた。それと、冷蔵庫の奧に寝てた生ハムやらサラミも切った。


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2011年12月26日 (月)

女人抄

 銀座1丁目の雑居ビルの2階で畫廊を開いてから、15周年を迎へた「柴田悦子畫廊」で中千尋さんの美人畫展「女人抄」へ行く。スクーリングで京都へ行った際に、偶然開かれてゐた個展で知り合つてから、彼女の個展には可能な限り足を運んでゐる。

 濃淡のはっきりした、迷ひのない草花の墨繪と違ひ、淡い色彩の和装美人畫ばかり。今年描いたものばかりだと云ふのにも驚いた。長唄や歌舞伎を題材にしたものばかりで、自分には馴染みの作品が並び、女性らしい艶めかしい色氣を感じるものが並ぶ。鏑木清方を心の先生として、我流で描いてゐると本人は云ふものの、泉鏡花の『日本橋』の挿繪も描いてゐたり、古典に學ぶことは多いのだと云ふ。注目の女流畫家から目が離せない。

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2011年12月24日 (土)

等伯

 この間、『長谷川等伯と狩野派』展を觀に出光美術館へ行つた。丁度、日經新聞朝刊に安部龍太郎が『等伯』と題して、新聞小説を連載してをり、昨年の松林圖の印象も忘れ難く、よい機會となつた。

 狩野派全盛の時代に長谷川派を立ち上げた等伯。松榮には可愛がられたものの、永徳には蔑まれたと小説には出て來る。墨繪だけでなく、等伯の極彩色の屏風も美しい。完成された中に色々な影響が見えるのも面白い。わざと等伯の作ではないと但し書きを入れられたものや、「竹鶴圖屏風」は松林圖に繋がる幽玄な佇まひ。時の権力者に翻弄され、好敵手として邪魔をされた畫家の運命を考へさせられた。

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2011年12月23日 (金)

ローストビーフ

2011121918290000 義母、姪、うちの娘たちの誕生日會を兼ねて家族11人が集まり食事に行く。溜池のローリーズは米式のローストビーフの店。地下へ降りて行くが地上階部分まで天井吹き抜けで氣持ちよく、テレビのドラマの収録にもよく使はれてゐる。

 サラダは附くので、ローストビーフは目方賣。大きさにより東京カット、加州カット、英國カット、ローリーズカット、その上とあるが、晝間食べ過ぎたので、一番小さい東京カットにしてもこの分量。附け合はせにマッシュポテトとヨークシャー・プディングが附き、その他、ほうれん草を追加した。しっかり噛んで味のする肉もたまにはいい。勿論、血も滴るやうなレアな燒き加減も絶妙だ。


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2011年12月21日 (水)

基督降誕祭市場

2011121918280000 基督降誕祭までの間、六本木ヒルズで開かれてゐる「ヴァイナハツ・マルクト」じへ赴いた。英語で云ふクリスマス・マーケットなのだが、獨逸風の露天が軒を連ねる。昨年知り合つたケーニヒのソーセージを家族で食べまくる。
 久し振りに燒きソーセージにケチャップとカレー粉の掛かった「カリーヴルスト」、茹でた白ソーセージに甘いマスタードを添へて食べる「ヴァイスヴルスト」、燻製ソーセージ、ほうれん草とチーズ入りソーセージ、香辛料入りソーセージ等、本場の味さながらなのは、ご主人が獨逸で修業した故。
 濁った白ビール「ヴァイツェンビア」や獨逸の辛口白ワインも飲み、今頃、伯林は零下だなあと思ひつつ、獨逸の郷愁に浸れた。


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2011年12月20日 (火)

ゲリラ・ライブ

 學藝員の忘年會後、例年なら銀座の畫廊巡りをすることろだが、美術評論家の仲間が欠席であつった爲、日比谷公會堂のアーカイブ・カフェへ行き、ゲリラ・ライブを敢行した。勿論、事前に許可は頂いてをり、自分のサウンドボックスと78回轉盤に針も持ち込んだのだ。然も、各自飲物を買つて頂いたので、賣上にも少し協力できた。

 蓄音機の説明から始め、フルニエ(Vc)の《ヘ長のメロディ》 HMV DA1868B を竹針で掛け、ベーム指揮、ザクセン國立歌劇場管絃樂團の《フィガロの結婚》序曲 Electrola DB4692、シャンソン《りらの花咲く頃》、渡邉 はま子・霧島昇の歌聲による《蘇州夜曲》 日本コロムビア100063、そしてジーリ(T)の〈誰も寝てはならぬ〉 HMV DB3225 を奏でた。臨場感溢れる音に身を委ね、ゆったりして頂けた。丁度居合はせたお客さんも靜かに耳を傾けてくださり助かった。後から來たお客さんがズルズルと饂飩をすする音が響いたが、これは致し方なし。

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2011年12月19日 (月)

忘年會

 恒例の學藝員の忘年會では、和牛と國産牛の違ひに就いて語る。意外と皆さん知らない。

 和牛として認められてゐるのは、黒毛和種、日本短角種、褐毛和種、無角和種とこの四種の交雑種のみ。喩へ、日本で生まれた飼育された牛でも、乳用種のホルスタインやホルスタインと和牛との交雑種(F1)でも、決して和牛とは呼ばず、こちらは「国産牛」と表示しなければならない。日本の肉用牛の内凡そ45%が黒毛和種、和牛の中でも黒毛和種は95%を占めるので、和牛と云へば黒毛和種だと思つていい。

 黒毛和種は、赤身に大理石状の脂肪が入る素晴らしい肉質が特徴。筋肉に脂肪が交雑し易い特性を持ち、穀物飼料など濃厚飼料を與へることで「サシ」「霜降り」が増え、柔らかさとコクのある特有の肉質となる。何故なら、この黒毛和牛の脂肪は融点が低く、口の中で滑らかに廣がり、他の融点の高い赤身肉よりも、明らかに甘味や旨味を強く感じるからだ。

 肉質としては、雄よりも雌、經産牛より処女牛、育ちよりも氏が大切とされ、「生産履歴証明書」により血統を遡ることもできる。また、屠畜後の熟成も牛肉の味はひにはとても大切。出來立てがいい譯ではない。

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2011年12月17日 (土)

師走

Orchestra 師走に入り、手拭ひ額を管絃樂團の演奏にしてゐた。勿論、ベートーヴェンの交響曲第9番《合唱附》を念頭に置いてのこと。長身の指揮者の影がなんとなく、フルトヴェングラーぽいのもいい。
 今年、丁度1951年バイロイトの第9がデジタルリマスターされ、足音入りで復刻されたこともあつて、座敷に座つて見てると頭の中で鳴り出す。

 こんなモダンな柄は和装でないので座敷に相應しくないと弟から批判されたが、京都の老舗、永樂屋の、昭和初期の意匠なのだ。かう云ふ感覺の違ひはよくある。江戸時代の老舗ではないので、明治の心意氣、昭和の粋を取り入れたい。

 照明の當たる感じといい、新しい。平成の御代の意匠ではかう云ふ風には行かないだらう。お氣に入りの一品。


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2011年12月16日 (金)

かうもり

Sinnkoku 年に一度くらいは家族を歌劇に連れて行きたいと思つてゐるが、悲劇は嫌だとか、中學生にもなると好みがあつて難しい。丁度、喜歌劇《かうもり》がシャムパンの泡の所爲だと明るく終はるので合致し、觀に行つた。かうもりの扮装のまま置き去りにされて笑はれたファルケ博士の復讐譚なのだが、丁度、親友であり宿敵でもあるアイゼンシュタインが役人侮辱罪で投獄されるのを機に、ファルケ博士が最後の晩は夜會で羽目を外さうと誘ひ、自分の妻が扮した覆面の美女に求愛してしまふと云ふもの。 

 途中の會話が維納訛りの獨逸語故、全部聞き取れないが字幕を觀て理解。エッティンガーの引き締まった指揮に東フィルもよく附いて來て、藝達者なアドリアン・エレートのアイゼンシュタイン、見目麗しいアンナ・ガブラーのロザリンデ、ペーター・エーデルマンの粋なファルケ博士、露西亞貴族らしさを巧く出したエドナ・プロホニクのオルロフスキイ公爵、そして俳優フランツ・スラーダの看守フロッシュなど、放射能が怖くて來日しなかつたアグネス・バルツァのことを差し引いても珠玉の出來。實に樂しめた。

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2011年12月15日 (木)

奧州安達原

 十二月の文樂公演は《奧州安達原》から〈外が濱の段〉〈善知鳥文治住家の段〉〈環の宮明御殿の段〉。前九年の役で八幡太郎義家に敗れた安倍頼時一族の殘黨が再興を圖る中で苦闘する物語。

 前回の鑑賞教室でふぬけた《曾根崎心中》の後であつたからか、《奧州安達原》は、出演者の並々ならぬ氣迫が感じられ、完成度の高かつた。

 正月用テレビの収録を終へて臨んだお疲れの筈の錦糸さんも、全く普段通りかそれ以上の迫力でこちらが吃驚。4列目と云ふ目の前の席故か、他の人よりも三味線の音が大きく氣迫が傳はり、難しい手の内のさらりと彈いてをられ、天晴れ、さすがであつた。それに、文字久大夫も演じ分けが上手になり、聞き易くなつた。

 嫌ひな千歳大夫は相變はらず、途中で聲が擦れて聞き辛かつたけれども、呂勢大夫が好演。この人先が樂しみ。
玉女さんも勘十郎さん幸助さん相手だとぐっと引き立ち、よかった。久々に時代物の良さが全面に出て、友人と快哉を叫んでゐた。

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2011年12月14日 (水)

100年以上

100 先日、取材を受けたものが形となる。『100年の味 店100選』にワインを持つ自分の冩眞を發見。おでこが廣く見える、手の持ち方が不自然であつたり、氣になるところは多々あるが、店の宣傳なので仕方なし。
 同じすき燒店では今朝の他に、いし橋、江知勝、太田なわのれん、荒井屋、ちん​や、人形町今半(敬称略)など出てます。弊社の扱ひは何故か見開き2頁と扱ひが大きいのが一寸嬉しい。是非、お買ひ求めください。


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2011年12月13日 (火)

山梨のワイン

2011120916300000 「山梨縣産ワイン商談會」が新宿のハイアット・リージェンシー・ホテルであつた。
 飲食店、酒販店向けのものなので一般客が居ない分、仕入れを考へて試飲するので皆真劍。縣内22社が4~8種類程度の自慢のワインを持ち寄つてゐる。白は殆どが甲州種で、大別するとシュル・リーと樽貯​蔵に分けられてしまふが、赤の方はマスカット・ベリーA、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、ブラック・クイーン等、様々な品種が並び面白い。

 すき燒今朝の割り下を念頭に試飲したが、アルプスワ​インの2009 assemblage rougeがメルロー中心に5種のブレンドで軽やかでいて、非常​にまろやか。 そして、シャトー勝沼の2004 鳥居平今村 キュヴェ・ユカ・ルージュはブラック・クイーンとマスカット・ベ​リーAのブレンド。程よい熟成と丸みを帶びた柔らかさが割り下に​合ひさうである。

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2011年12月12日 (月)

文樂鑑賞教室

 12月の文樂公演に重鎮たちは上京しない爲、若手中心の組み合はせとなるが、特に「鑑賞教室」は大夫、三味線、人形の三業からなる文樂の説明が最初にあり、それから《曾根崎心中》の良いところ取りで〈生玉社前の段〉〈天滿屋の段〉〈天神森の段〉。

 Bプロを聞いたが相子大夫と清丈との組み合はせの解説が吉本新喜劇のやうな掛け合ひ漫才のやうで下品。そんなウケを狙はず、品を持つて傳へて欲しいところ。初めて耳にする小住大夫の一言もそこだけ浮いてしまつて語りが繋がらず、玉女の德兵衛に合はないのか、突ッ立てるだけで情が傳はらない清十郎のお初など、何だかいつもと違ふしっくりと來ないものであつたのが殘念。諸先輩が居ないので氣を抜いてゐるのであらうか。
 そんな中では津駒大夫、南都大夫、芳穂大夫はよく頑張つてゐた。それに錦吾くんも生真面目に彈けるところはきちんとこなしてゐる姿は好感が持てた。

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2011年12月10日 (土)

水の精

 新國で珍しいドヴォルザークの歌劇《ルサルカ》を觀た。物語は人魚姫傳説の水の精版で、人間に憧れた水の精ルサルカが魔女の力を借りて人となるが思ひを遂げて結婚するまで口が利けない爲、移り氣な王子に捨てられ、湖に戻つても仲間には受け入れられず、さりとて人間界にも居られず、苦惱と絶望が續く中、改心した王子がルサルカの元に戻り息を引き取ると云ふもの。

 2009年に諾威(ノルウェー)國立歌劇場で新制作されたものを先方の藝術監督ポール・カランとの連携で初臺に持つて來たもの。水を表す青を基調として、湖の底、水邊の畔、森の中、城の中と波紋が現れては消え、幻想的な世界を描き出してゐた。捷克(チェコ)の歌劇を英語圏の人々が諾威で舞臺にし日本に移送したのが成功した。

 ルサルカのアリア〈月に寄せる歌〉しか知らなかつたが、流れる旋律はどれも美しく、素直にメルヘンの世界に入れるだけでなく、万人向けの演出もわかりやすい。序曲は繪本を讀み聞かせ乍ら寝てしまつた父親の横で、月を見乍ら夢見る少女が鏡の中に入り込み、湖の底へ連れられて、そのまま自分がルサルカとなつてしまふ。然も、この家は第一幕が始まる前に奈落の底に沈み、奥から舞臺が迫り出すと云ふ舞臺装置を完璧に使ひこなしてゐた。勿論、終幕、王子が死んだ後、ルサルカに成り切つてゐた少女はまた、自分の屋根裏部屋の寝臺に戻り、月を眺めると云ふ序曲と同じ場面で終はる。

 過不足ない歌手陣、ヤロスラフ・キズリンク指揮する東フィルも本領を發揮して何処までも浪漫的によどみのない音樂を奏で、ルサルカ役のオルガ・グリャコヴァは華麗な水の精を演じ、ビルギット・レンメルトは威嚴のある恐ろしい魔女イェジババを、ペーター・ベルガーは相手の心が讀めないとすぐに浮氣したがる輕い王子を、ミッシャ・シェロミアンスキーは慈愛に滿ちた水の精の父を、ブリギッテ・ピンターは王子を手玉に取るファム・ファタルな外國の公女を捷克語で歌ひ切り、非常に完成度の高い舞臺となつた。これなら子供連れでも來れたと口惜しい。

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2011年12月 9日 (金)

納會

WakasagiAusternHaze 國際觀光日本レストラン協會關東支部の納會が新宿つな八総本店であつた。
 最初に綱八社長より店名の由來。初代は投網の漁師であつたことから、大正13年に「網八」と命名したものの、達筆な看板をお客さんが間違へて「ツナハチ」と呼び、人を繋ぐ良い名だからと、そのまま變名したとの由。

 天麩羅は南蛮渡來の料理故、葡萄牙語に由來するらしいが、江戸時代の戯作者、山東京傳が「天竺からやって來た風來坊が揚げた料理」と云ふ説が粋だ。江戸時代は精製の惡い菜種油であつたらしく、火力の弱い七輪では相當煙が出て屋内では全く無理故、屋臺の早飯であつた。また、季節により魚介の旬が違ふので四季折々樂しんで欲しいとご主人。天麩羅四天王と呼ばれる素材は車海老、穴子、鯊(ハゼ)、銀寶(ギンポウ)であり、一に油、ニに素材、三に職人の腕だと云ふ。

 そして、頂きいた天麩羅は車海老、まるで泳いでゐるかのやうな公魚(ワカサギ)、茸色々、牡蠣ピーマン、鯊、烏賊マスタード挟み揚げ、白子の天麩羅餡掛け、下仁田葱、蟹甲羅揚げ、活穴子、きのこ茸、一口蓮根と豪華の極み。海鹽、山葵鹽、ゆかり鹽、梅干し入りの大根下ろしなど、天つゆは殆ど使はず、素材の良さを堪能して頂けた。それに加へて、極上のワインの數々。此処にザールのほんのり甘味の残るドイツワインがあつてもよかつたのではと申し上げると、今度勉強會を開きませうと云ふので大いに盛り上がる。

その前後に前菜、刺身では生まれて初めて鯊の洗ひを口にし、口替はりのバジルのグラニテ、食事は小海老の掻き揚げの天丼か天茶漬けであつたが、先週の暴飲暴食が祟りもはや滿腹故食せず無念。これはリベンジに行かねばなるまい。


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2011年12月 8日 (木)

すき燒とドイツワイン

Sukiyakigermanwine すき燒今朝では、「すき燒とドイツワインの會」を開いた。10月に訪ね、買つて來た極上ワインを旅の仲間だけで飲むのは勿體ないと枠を廣げ、北嶋裕さんの解説を交へて、内容の濃いものに。

 1989年産のモーゼルゼクト、ザールのリースリング・ファインヘルプ、ヘッセンのシュペートブルグンダー、すき燒には少し熟成し、果實味の甘味が殘る2004年産のファルツのドルンフェルダー。ベタベタした甘さではなく、飲んだ後に仄かに甘味が殘る程度なので、すき燒の割り下によく合ふ。

 そして最後に1959年産のトリッテンハイムのリースリング・ベーレンアウスレーゼ。1971年の法律改正前なので、粒撰りで収穫された完熟葡萄粒だけで造られたワイン。夏から秋にかけて非常に乾燥し、貴腐菌率は低いものの1921年以來の最高の年であつたと云ふだけに、まだ酸味も元氣で長生きしさうな味はひ。かう云ふものを口にできるだけで幸福だと思ふ。然も、現地で安かったの嬉しい。


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2011年12月 7日 (水)

獨墺枢軸

Odajima 葡萄酒記者(ワインジャーナリスト)の岩城ゆかりさんの一時歸國に合はせて、囲む會が六本木の割烹 小田島であつた。古くから和食とワインの店で知られてゐる小田島へ行きたいと願つてゐたところ、よい機會となつた。画像は締めの稲庭饂飩。

 獨逸、墺地利のワインを持ち寄り、自分はトロイチの2002年のヴァーサーブルグンダーを持參。墺地利を中心に活躍されてゐる岩城さんの移住の切掛や現地の話も面白い。現状では獨逸は甘口、墺地利はワイン造つてるんだと云ふ程度の認識に皆憤慨。これからどうやって廣めるか色々考へたが、獨逸と墺地利で一緒に啓蒙活動ができればいいと云ふことで一致した。
 併し、相當量飲んでしまひ酩酊。翌日は午後まで二日酔ひとなつてしまつた。猛反省。


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2011年12月 6日 (火)

新たなる融合

2011113012030000 友人がポスター、チラシ、プログラムの意匠をを手掛けた現​代音楽を聞きに、みなとみらいの小ホールへ。Institute of Creative Musician and Entertainmentという団体の木管楽器を使った新曲発​表会。クラシックにどっぷり浸つてゐる人にはかう云ふ意匠はなかなか思ひ附かな​い斬新なもの。高速道路のようにピアノの前に、クラリネット、オーボエ、サックス、バスーン、フルートが縦横​に重なる素敵なデザイン。まるで高速道路の高架橋インターチェンジのやうで面白い。樂器を知つてゐると音域順に並べたり、餘計なことを考へてしまふだらうが、中頁も黒地に白抜き文字とは珍しい。

 シェーンベルクの12音技法を發展驅使したものや、武満徹やスト​ラヴィンスキーのやうな響き、鳥の地鳴きと云つた要素が絡み合ふ​不思議な音の羅列。正直理解できないが、何かを傳へたい氣持ちは​複雑な譜面を再現してゐる演奏者からビシビシと傳はる。

特にクラリネットが矢鱈上手いと思つたらN響の山根孝司さんであつた。高音が綺麗に出てるし、無音から息を入れてだんだんと音に變はる樣が美しい。また、その昔、ベルランで佐藤久成さんの伴奏をして下さっ​た藤原亜美さんの洋琴も美しいタッチであつた。

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2011年12月 5日 (月)

ケナークラブワイン會

 ドイツワインケナークラブ主催のワイン會があつた。最初に2011年度ドイツワインケナー及び上級ケナー呼稱資格認定試驗合格者の賞状授與、上位成績優秀者の表彰、日本ドイツワイン協會連合會會長によりセミナーの後、ワイン會が行はれた。ケナー最優秀者の佐久間 敦さんは110問中107問正解!40問の試飲試驗は滿點と云ふ非常に優秀な方で驚いた。然も、被災地磐城市の方。來年、上級ケナー最優秀者の方と共にドイツワイナリーツアーへ招待し、私が引率する。

 日本ドイツワイン協会連合會の集まりでは、いつも司會。ワイン會としては6回目で、第2回目から仕切つてゐるが、時間配分、受附やワインの指示などなかなか上手く行かない。それでも60名以上の方々が惠比壽ガーデンプレイス内のビヤステーション2階のホールに集まつた。

 式典だけで歸へる人、振込の人、當日現金の人、ケナークラブには入らずワイン會だけの人、申し込んだのに名前がないなど混亂はあつたが、昨年よりは割と滯りなく進んでホッとした。各社輸入元からご協賛頂いたワインの内、餘つたものは抽選で來場者に贈つたこともたいへん喜ばれた。餘つても他で使ふのがたいへんと云ふ内部事情もあつたが、皆さん大喜びでした。
 

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2011年12月 3日 (土)

99回

 後輩たちの定期演奏會を聽きにみなとみらい大ホールへ行く。今回が99回目であり、來春には100回を迎へる。その途中25年位前に自分も演奏し、その積み重ねが99回だと思ふと感慨深い。相變はらずOB受附に立つ。

 ベルリオーズ: 序曲《ローマの謝肉祭》

 ビゼー: 《カルメン》組曲より抜粋

 サン=サーンス: 交響曲第3番ハ短調《オルガン附》

 序曲は1年生の頃、休みの先輩の代はり吹いて練習したので細部に亘り覺へてゐる。緊張してゐるのか、血湧き肉躍るやうな嬉しさはこみ上げて來ない。そして、實際の歌劇を見たことがないであらう學生さんたちの《カルメン》。有名な獨唱や旋律が次々に現れるが、こちらも熱い西班牙の息吹が感じられず、お茶漬けのやうにさらりとしたカルメン。練習不足なのか、何か物足りないと思つてゐたが、《オルガン附》はホール專屬のオルガニスト飯塚 美奈の確かな演奏により、大いに盛り上がる。何だきっちり練習したのは交響曲だけかあと、先輩としては思ふが、最終樂章に向けてきっちり演奏して行く姿は學生乍ら天晴れ。ブラボーも飛び出すよい演奏であつた。
 指揮は清水 宏之。この人で來年演奏旅行にほんたうに行けるのかやや不安もあるが、學生の選んだ指揮者なので先輩は何も言はない。第100回もサントリーホールで頑張って欲しい。 

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2011年12月 2日 (金)

原木椎茸

201111241434000120111124143500002011112414350001 下仁田葱、蒟蒻と來れば群馬の名産は椎茸となる。松浦しいたけ園では原木に拘り、クヌギのほだ木に穴を空けて、其処に菌床を打つて栽培する原木椎茸だけを栽培。原木に菌が蔓延し、実際に椎茸が発生するのは1年半くらい掛かるらしい。最後にほだ木を水に一昼夜浸してから水を抜き、それを立てて行く。外で自然の雨と湿度で育てるのは露地もの、通常は適度に明るい屋内となる。刺戟を與へると椎茸はぐんぐんと伸びるが、出て來るのは花の部分に當たり、茎も根もほだ木の中に廣がつてゐる。實際菌糸なので見えないが…。
 菌床の杭の部分からは生えず、必ず違ふ場所からニョキニョキと生える。色白なのは身が詰まつてよいもの。肉厚で素晴らしい。


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2011年12月 1日 (木)

白瀧

201111241432000120111124143300002011112414340000 蒟蒻が蒟蒻芋から出來るのは知つてゐるが、實際に白瀧が出來るところを初めて觀た。小金澤下仁田蒟蒻をお邪魔して、すり潰した芋に水を加えて練り乍ら火入れをし、或る頃合ひで石灰水を入れて半凝固させる。それを別の機械に入れて、細長くして88度のお湯の中に流し入れて行くと白瀧が完成。最初は細いのが段々饂飩のやうになるのは、水分含有量の違ひで、時間が經つと同じ太さになると云ふ。出來たては饂飩のやうにツルツルして柔らかく甘くて美味い。
 隣ではバットに入れた蒟蒻に火入れして固めてゐた。これはセブンイレブンのお辨當に入るとのこと。これもプリプリして柔らかく、石灰臭くなくて美味い。臭いがなく、味浸みがよく、煮ても小さくならないのが最高だと云ふ。それには生芋から作るのが一番。この昭和初期に開發された「バタ練製法」は、手間も掛かり、殆ど絶滅した製法だが、芋粉よりも數段美味い。貴重な味はひであつた。

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