« 2012年1月 | トップページ | 2012年3月 »

2012年2月29日 (水)

壇ノ浦

 本日、都心は大雪です。雪に慣れてゐないので、足下の惡さに、滑らないやうに歩くのもたいへん。

 さて、先週末、鶴心さんのギャラリー・エフでの獨奏會へ行つた。江戸時代末期の藏の中での演奏會「花一看」も既に第九章「レクイエム」の第四話「壇ノ浦」であつた。鎮魂と題したこのシリーズも今回で終はるが、死者への手向けとしての音樂も意識するとしないではだいぶ違ふ筈。

 丁度、大河ドラマ「平清盛」の音樂監修の裏話や源平の合戰の樣、それをどのやうに琵琶で演じるかを詳しく説明してくれた後に演奏。波間の音、鬨の聲、舟のぶつかる音… そして、最後に無常觀が漂ふ。この曲は實は錦史師匠が映畫に合はせて、昭和に作曲したものであり、盲僧琵琶が語り續けたものとは違ふのだと云ふ。傳統は時代に合はせて、變幻自在に變化して受け入れられなければ繋がらないとの言葉は重かつた。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年2月28日 (火)

中 千尋

2012022418120002 先日、雑誌『ブルータス』の對談で女優、町田マリーさんと友人の中千尋さんがいらして、撮影を篠山紀信さんが行つた。今時珍しいエイト・バイ・テンと呼ばれる、まるで冩眞館のやうな8吋X10吋と云ふ大判の冩眞機で撮った。あのもじゃもじゃ頭に氣さくな人柄で、あッと言ふ間に終はる。4月號に載るらしい。

 中さんが持ち込んだアロエ圖屏風は昨年、京都のお寺に展示された。


| | コメント (0)

2012年2月27日 (月)

セミナー

2012022418120000 最近は顔本(Facebook)にちょこちょこ書き込んでゐる爲、ブログがだいぶ疎かになつてしまつた。
 先週開かれたホテレスで、調理師&マネージャー・セミナーを受講した。藤田觀光會長より「觀光マーケティングにおける”食”の役割」と題して、もっと和食を見直し、世界無形文化遺産に登録申請してゐる現状や。韓流は國家戰略であり、醫療ツーリズムでは和食も重要になりつつあり、家族の絆、地域の絆を大事にし、ニーズを掘り起こしてセールスするのではなく、ご案内を提供し、そこへ行かうと云ふ氣にさせなければならない。ラグジュアリーホテルのおもてなしの基本は旅館の女將がもつノウハウであつたなど興味深い話であつた。

 そして、椿山荘の総料理長は椿山の歴史と魅力のひとつとして、「螢の夕べ」は既に1954年から續ける庭園を樂しむイベントであり、故郷の絆としては、全國系列店で各地の名産品を紹介し、フェアをやるのと地域ブランドを全國に紹介でき、觀光誘致にも繋がること、そして、變革の時と題して、在庫管理、料理の無駄をなくすなど最新調理システムを築いて信頼を回復し、婚禮日本一を取り戻した話を聞いた。お客樣優先の現場は何処の素晴らしい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年2月24日 (金)

愛のワイン

 應援してゐる歌聲訓練士の友人、関口將人さんがつひに歌手デビュー。ジャズ・ライブは聽いたことがあつたが、かう云ふ歌も歌ふのかと吃驚のムード歌謡。紫煙曇る、昭和の香りたっぷり。徐々に持ち歌を増やして、數多くの舞臺に立つて欲しいもの。

 ワインの注がれたワイングラスの足を持つて、色を觀て、ゆっくり回して香りを嗅ぎ、口の中に廣がるやうにして頂き、それから、是非、歌つてみませう。

http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=_oYldimuS2M
 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年2月23日 (木)

杏仁豆腐

2012022015040001 中華料理は全般に何でも好きだが、最後の杏仁豆腐の善し惡しで店の印象もだいぶ變はる。ただの牛乳ゼリーみたいのもあれば、きちんと扁桃の香りが殘り、ぷるるんとした喉越しが樂しめるものもある。千駄ヶ谷の新亞飯店は特に素晴らしい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年2月22日 (水)

前祝ひ

2012022015040000 20日の誕生日を前に夕飯後、姪も來たのでモーゼルのリースリング・アウスレーゼを空けた。心地よい甘味が口に廣がり、しっかりとした酸味があるので後味に嫌味がなく、かみさんと三人であつと云ふ間に空けてしまつた。


| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年2月21日 (火)

餘韻

Sigure 松阪で散々特産松阪牛を食べた餘韻を味はひ、家族へのお裾分けで買つた志ぐれ煮。
 和田金の方が肉の味が強く、甘めで濃い味なのに對して、三松屋は生姜の風味の効いたさっぱりとした味はひ。どちらもご飯のお伴に最高です。時雨煮は肉の形が殘りますが、これがそぼろだともう少し砕かれたもので、どちらも同じ味はひです。今回はこれに牛銀の肉味噌も購入。こちらはまた後程頂きます。


| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年2月20日 (月)

炭火の関西風

Wadakin2_425x640Wadakin4Wadakin3 愈、和田金の宴會ではまづ專務が松阪牛の歴史と和田金の流れを説明。1877年には山路德三郎が二週間歩いて牛50~100頭を東京へ定期的に出荷した頃、初代松田金兵衛が東京、深川の仕出屋「和田平」で料理の腕を磨き、1876年に松阪へ戻り伊勢街道で馬車屋を始めたところ當たり、その金で牛肉店「和田金」を創業したと云ふ。そして、その妻松田みねは1921年に東京で開かれた畜産博覧會で唯一の女性委員として審査に當たつた。「良いものしか賣らない」を家訓に、1964年に直營牧場を設立し但馬の若齢仔牛を肥育して居る。松阪牛の歴史は和田金の歴史と云つても過言ではない。

 但し、歩留まりと霜降りだけで選ぶ現在の和牛の評價基準に疑問を呈し、融點の低い不飽和脂肪酸の質も問ふべきだと。現在の松阪牛の内僅か5%が特産であり、もしも和田金の牧場で育つたものを加へると20%位になるが、加盟してゐないのは、脂の質を問はないから。日本のすき燒を世界遺産に登録しようと云ふ動きもあるらしい。

 さて、前菜と共に炭に火を入れ、牛脂を入れた後、ロース肉を燒き、砂糖、溜まり醤油、昆布出汁を垂らす関西風の燒き方。今朝と同じやうに肉の後にザクを燒き、一人二枚130グラムの松阪肉はでかい。卵割皿も大振り。アッと云ふ間に平らげた。確かに霜降りは少ないが肉の味はひは絶品。天下の和田金であつた。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年2月17日 (金)

牧場

2012021511250000 第11回になるすきや連の集まりとしては、初めて松阪の和田金でお世話になつた。途中、名古屋で味噌煮込みで腹拵へをして、いざ松阪へ。

 最初に、牧場を見學。防疫上、バスごと消毒するのには吃驚。現在、2千頭もの牛を飼つてゐるのだとか。1964年に和田金直營牧場を開いた時は、まだ荷役や農作業用の牛が多く、牧場開設には反對意見も多かつたと云ふ。古い厩舎には、一頭ずつ柵がされてゐるが、他は五頭一組として少し廣い5 x 10米四方の枠の中で飼はれてゐる。但嶋の仔牛を此処で30箇月育てるのだが、最近では血液檢査までして健康管理をするのはまるで人間と一緒。

 全自動餌やり機など使ふと牛の樣子が判らないので導入せず、食欲不振の牛にはビールを飲ませ、手鹽に掛けて牛を育ててゐる樣子が牧場長の口から判る。融點の低い口解けのする極上の脂身の乘つた牛を育てるのに、發情期食べ過ぎると自家中毒を起こすことがあるらしい。愛情一杯育てれば、いい肉を作つてくれるのだと云ふ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年2月16日 (木)

味噌煮込み

2012021511230000 名古屋へ行つたならば、味噌煮込みを食べたい。ぐつぐつ音を立ててゐる小振りの土鍋の蓋を受け皿代はりに使つて食べるもの。鰹出汁の効いた赤味噌の風味、齒應へのある饂飩、それに生玉子がゆっくり外側が固まり出して最後に食べる頃にはいい感じになる。

 新幹線で到着早々、地下街エスカに降りて山本屋本店へ。 漬け物食べ放題で、名古屋コーチン入りを食した。母親のお蔭で馴染んだ味噌がいいねえ。うまし。
 また、てきぱきとした店員、食べ終はる尽かさずにデザートの小さな札を見せて勸める。商魂逞しいところは見習ひたい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年2月15日 (水)

小さい寶物

 20日迄、銀座和光の地階で「箱瀬淳一展」をやつてゐる。もともと、蒔繪師なので細かい沈金蒔繪が得意な箱瀬さんの真骨頂、今回は器だけでなく、箸置きのやうな小さな作品も並ぶ。四角いものはまるで大きなキャラメルのやうな感じで、ひとつとして同じ柄がないのも魅力。二つ斜めに並べて使つてもよいとのこと。或ひは丸型も可愛いらしい。

 ミルクピッチャーのやうな片口から、從來の重箱、茶碗、根來椀等まで凡そ250點。既に赤丸賣却印が多かつた。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年2月14日 (火)

銀座畫廊

 一昨年に引き續きアート・ランダム作品展を觀に銀座畫廊へ行く。久し振りにお會ひする版畫家の河内成幸さんからは直ぐに聲を掛けられる。書家の石原太流さんにもご挨拶。藝術文化振興センターの主催者が知人故か、色々な作家と知り合へるのは面白い。洋畫家の降矢組人さんも山梨ご出身故、同じ構圖の大小の富士山畫であつたが、ご本人ではなく、丁度昇降機で乘り合はせた奧樣と話ができた。

 二年振りに觀ると、70名を超える作家それぞれ成長著しく、作品から傳はる勢ひが以前にも増してあり、上手になつた氣がした。例へば、鉛筆畫の土屋好風さんは滑らかな線に磨きが掛かり、存在感が増した。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年2月13日 (月)

いがみの権太

 文樂二月公演の第二部は、《義經千本櫻》より〈椎の木〉〈小金吾討死の段〉〈すしやの段〉、そしてお夏、清十郎の《五十年忌歌念佛》を聽く。前半部分は歌舞伎でも觀てゐて知つてゐるのに、何故か眠くて、途中でうつらうつらと夢見心地。それが、住大夫が出て來た途端に、こちらも一音も逃さずまいと聽き耳を立てる。

 段々と聲量は減つて來てはゐるものの、その分減り張りが附き、誰なのか演じ分けがしっかりしてゐるので心に聲が染み渡る。源大夫休演に附、英大夫が代はりに語り、後は千歳大夫。この二人も大分上達した氣がする。千歳大夫の相變はらず、がなって聲が擦れる語り口は好きではないが、まだよくなつた。勘十郎のいがみの権太も横暴な荒くれ者から、忠義な息子に變はる邊りの演じ分けが素晴らしく、觀てゐて氣持ちよかつた。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年2月10日 (金)

鶴田錦史

9784093882156 好意にさせて頂いてゐる薩摩琵琶奏者、友吉鶴心さんの師匠に當たる鶴田錦史の傳記が出た。武滿 徹作曲の《ノヴェムバー・ステップス》の初演者としても知られて、文樂の太棹三味線の野澤錦糸さんと音が同じなので、氣になつてはゐたが、鶴心さんから發せられる思ひ出や教へ以外に、深く知る由もなかつた。

 然も、10代半ばから40代半ばに就いて、自ら語ることはせず、男装で通した女性であり、實業家として成功してゐた爲、美しいもの、綺麗なものだけを身に附けてゐたと聞いて、尚更興味が湧いた。

 練習嫌ひであつたが、天賦の美聲を武器に早くから頭角を現し、10代で既に弟子を取り、無聲映畫の伴奏や高座や興行で家族を養つてゐた菊枝(錦史)。併しライバルの出現に、その後は結婚、出産、離婚、琵琶とは離れて水商賣で稼いだものの戰爭で失ひ、戰後、母の生まれた別府に移り住んでGI相手の事業を廣げ、大分にダンスホールを開き、東京にキャバレーを始め、時代と共にナイトクラブに鞍替へし、ライバル水藤錦嬢の弟子、鶴田櫻玉の時代は語られることなく、女を捨てて男装し、錦史として演奏を再開させた。

 波瀾万丈を繪に描いたやうな人生だが、我々に殘してくれた現代に通用する薩摩琵琶の功績は大きい。現にお弟子さんたちが大勢活躍してゐると思ふと、偉いことだ。

 


| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年2月 9日 (木)

身代はり

 文樂公演、第三部を聽く。《菅原傳授手習鑑》から〈寺入りの段〉と〈寺子屋の段〉、そして《日本振袖始》。寺子屋は2度目だが、人形の入らない素淨瑠璃や歌舞伎でも親しんでゐるので、粗筋は知つてをり、語りや三味線の冴へ、それに人形の細かい情をたっぷりと鑑賞できた。

 菅原道真こと菅丞相が流された後、息子、菅秀才を預かる武部源藏のところに、敵方の藤原時平に仕へる松王丸が菅秀才の首を所望してやって來る、ここ一番とも云へる謂はば山場。松王丸は自分の子供を身代はりにし、昔薫陶を受けた菅丞相の恩に報いると云ふ話。最初は敵だと思つてゐた松王丸が、實は味方で然も、息子を差し出してゐたと云ふところが憐れ。家族よりも忠義を取ると云ふことは今だとあり得ないが、子供まで差し出し、差し出される子供も納得の上と云ふ不条理。何度見ても色々考へさせられる。

 久し振りに元氣な姿で人形を操る文雀、今も冴へ渡る寛治の三味線など、聽きどころ滿載。寺子屋の前は津駒大夫と寛治、切り場を嶋大夫と富助が演じ、大いに盛り上げてくれた。二人の大夫ともベタな語りだが、それぞれの持ち味の生きたいい舞臺であつた。
 玉女の松王丸はやや動きが堅いが、威嚴のある役らしく、大きく演じられ、その女房、千代の文雀の情の隠つた藝の深さに感じ入り、いつも女形の和生の源藏も武士の心が通じる。
 
 後半は素戔嗚尊が八岐大蛇を退治する話で、題名は生け贄にされた稲田姫が振り袖の中に蠅斬(ハバキリ)の名劍を偲ばれたことに由來する。呂勢大夫、咲甫大夫と若手の美聲が響き、清治率いる三味線軍團の激しい合奏や鼓や鐘などの鳴り物も派手な上、勘十郎の岩長姫の立ち回りも素晴らしく、しんみりとした寺子屋の後だけに、すっきり爽快に終はつた。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年2月 8日 (水)

特産松阪牛

Gyugin 來週はすきや連で松阪へ行き和田金でお世話になるが、丁度、同じ松阪に在る牛銀本店が本を出した。すき燒となる松阪の牛を育てるところから描いた『すき燒き』と云ふ本が出た。
 松本栄文の平易な文章と共に岩崎洋一郎の冩眞が美しい。後世に殘したくなる里山、特産松阪牛に就いてもきちんと説明してゐる。殆ど、消費者にとって特選だか特産だかの違ひすら知られてゐない。

 特選はその店が特に選んだものにすぎないが、特産松阪牛とは松阪牛の中でも特に、兵庫縣で生まれた牛を 三重縣の松阪牛生産地域で900日以上の長期間育てたものだけを指す。霜降りだけが注目されがちだが、この特産松阪牛の場合、肉そのものに風味があり美味いのだ。
 通常の松阪牛は九州など各地で10箇月程度に育てられた仔牛を仕入れ、松阪牛生産地域で31箇月の間大きく育てたものを指す。以前は、枝肉での格付けも定義されてゐたが、現在それはなく、等級の低いものでも松阪で一定期間育てられると松阪牛となつてしまふ。まあ、それでも仔牛から出荷まで「松阪牛個体識別管理システム」があるので、履歴は判るやうになつた。

 狂牛病、口蹄疫、産地偽装もあり、そして昨年からは全頭殘留放射能の検査も行つてゐるので、とても安全なのだが、どうも牛肉は食べたいのに食べられてゐないのではなからうか。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年2月 7日 (火)

カフェ飯

2012020612000000 休みの日の度に犬を連れて這入れるカフェばかり探してゐる。豐洲ビバホーム近くに犬も大丈夫なTeTeS 豊洲店が在ると知り、行くことに。

 簡單なパスタやキッシュと共に梶木鮪のソテーを注文。スープ、サラダバー、五穀米、ソフトドリンク、珈琲紅茶も附くのは便利。地元の靜かなワンコや、家族連れが多く、明るく落ち着ける。


| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年2月 6日 (月)

商談展示會

2012020317070000 スーパーマーケット・トレードショーへ東京ビッグサイトまで出掛けた。

 下仁田納豆の社長さんや大量生産をしてゐるドイツのジンマーマン・グレーフ・ミュラー社の輸入元の展示等知人を訪ねる他、新しい食材を探して歩く。

 益子の友人のお勸で自宅で使つてゐる柴醤油に出會ひ、我が家の定番、三河味醂等、知つてゐる作り手は氣安く話し掛けた。その他、必死に呼び掛けをするご當地食品、一寸ひねった袋食、近頃流行の鹽麹だとか、自然山の茶畑の釜炒り茶「りぐり山茶」だとか、食こそは日本人の元氣の源だと感じる。

 女性向けの可愛いらしい青瓶の日本酒だとかもあり、戰前からお附き合ひのある菊正宗では業務店向けの濁り酒をソーダで割った「にごりん」を出してゐた。ほんのり日本酒の香りのカクテルで、アルコール度數もかなり低いので女性受けしさう。振り返つた白猫も大人氣だとか。
 丁度お隣では白雪が犬印の酒を今月新製品として出すさうで、好對照。どちらも初めて日本酒を飲む人が注目してくれると嬉しい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年2月 3日 (金)

煎茶

 出光美術館で開かれてゐる『三代 山田常山』展を觀に行く。三代 山田常山は愛知縣の常滑で朱泥の急須造りの名手と云はれた人間國寶。三代續いた作品の數々が展示してある。

 結婚した頃にかみさんが煎茶を習つてゐて、お相伴に與(アヅカ)ることもあり、何となく煎茶獨特な茶器の使ひ道は知つてゐたが、かうして並べられると壓巻である。概して小振りなものばかりだが、中國式のマグカップのやうに注ぎ口と反對側に取手のあるもの、肩の張った急須、滑らかな肌から土そのもののやうな肌、酒器、一輪挿し、花瓶、登り窯の自然釉の大きな鉢等、多岐に亘る作品群それぞれに込められた作家の強い思ひが傳はつて來る。
 磁器に慣れた自分の目には善し惡しは全くわからないが、一揃へで如何にも高價なのはわかる。持った感じも掌に収まり使ひ易かつたことだらう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年2月 2日 (木)

201201311051000020120131105200002012013110520001 レス協關東支部幹事會が銀座朝川であつた。會員店での會食はご主人やお女將を知つてゐるだけに、心安い反面、色々と心配りが分かり申し譯なく思ふことも。
 虚無僧でもある尺八の名手、平塚の竹万のご主人もいらしてゐたことから、若女將の鼓と突然の共演。然も、《ゴッドファーザー》の主題曲を演奏するとは意表を突かれた。お座敷藝のある人は素晴らしい。一寸した餘興ができる人には餘裕がある。今度は蓄音機もって行かないと駄目かな。

 河豚の薄造り、喉黒の煮附の他、初春らしい品々に舌鼓を打ち、清酒、ワインとまた飲み過ぎた。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年2月 1日 (水)

不便至上主義

 明石散人『日本語千里眼』講談社文庫 を讀んだ。諺に秘められた意味や、元々の意味を著者が自由に解釈したもの。それが滅法面白い。『東洲齋冩樂はもういない』で冩樂は誰かを立証したのも吃驚したが、此処ではもっと身近に使ふ言葉の解釈を語り繼がれて來た定説に惑はされず、語源を探り、使はれた時代の意味を考へてゐる。

 江戸時代は極端な金持ちもゐないかはり、税金を納めるのは農民だけであり、橋を架けないので人足にお金は落ちるし、多くの人の収入を支へたと考へる。無視することを「シカト」と云ふが、もとは「鹿の頭(タウ)」、花札の10月の繪柄から來てゐると云ふ。作家自身が同じ構圖で何枚も複冩(コピー)して描いたものを複製(レプリカ)と云ひ、他人が真似したものは模造品(フェイク)と云ふなど、知つてゐるやうで知らない話も多い。想像力、空想力も欠けると愈日本も荒廢する。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2012年1月 | トップページ | 2012年3月 »