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2012年5月30日 (水)

サンテミリオン

Satmillion さう云へば、先週は久し振りにボルドーの試飲會へ。サンテミリオンの醸造家がやって來て直接試飲させてくれるのが素晴らしい。ドイツワインの場合は資金提供者がゐない爲、來られないと云ふ事實。然も、消費量の伸びてゐる新嘉坡(シンガポール)や中國に顔が向いてゐて、落ち込みの激しい日本は過去の相手と云ふ扱ひだ。草の根運動で消費者から聲上げないと輸入して貰へないし、飲む機會も減つてしまふのが殘念。


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2012年5月29日 (火)

モノ語り

Hmv102Bunomu 西麻布の古民家を改築した呑屋「葡呑(ブノン)」で、ビギニングス主催のワイン交流會「モノ語り」に參加。若い人たちが始めた、人と繋がりる、傳へ、動かし、變はつて行くと云ふことを、ワインを片手に飲み食ひし、緩く、併し真面目にやって行かうと云ふ運動に共感した。

 學生から70代まで、幅廣い世代が集まつたが、自分は既に年上の方で、若人ばかり。名刺交換して話をしても、實に面白い。全く違ふ職業の人と話すのは樂しい。
 今回は、木造建築の良さをけやき建築設計の畦上順平さんが語り、元神主でフジオ労務士事務所の大沢富士夫さんが意外と知らない伊勢神宮に就いて語り、最後に私が蓄音機に就いて語り、その後實演。皆さん、だいぶ酔つてゐたが、竹針でカザルスを掛けたら涙を流す方も。知って貰へてよかった。

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2012年5月28日 (月)

阿古屋琴責め

 先週、文樂五月公演第二部を聽いた。名人揃ひの素晴らしい舞臺に久し振りに感動した。《傾城反魂香》より〈土佐将監閑居の段〉では、住大夫は吃音の主人公を餘りに上手に演じた爲、演技とは思へない位で吃驚。錦糸さんも撥を押さへ附けるやうに、詰まった彈き方をして表現に幅を持たせてゐる。女房おとくの文雀の夫を思ふ妻の悲しみをよく表現。

 《艶容女舞衣》より〈酒屋の段〉では嶋大夫の中の後、源大夫の聲も通り、「お園のくどき」が涙を誘ひ、簑助のお園が後家になつてしまふ上、主人半七と女藝人三勝の間にできた子供を預かる哀れがよく表現されてゐた。

 そして、大曲《壇浦兜軍記》より〈阿古屋琴責の段〉。DVDしか見たことがないので、平家の殘黨惡七兵衛景清の行方を捜す源氏方から、五条坂の遊女阿古屋が尋問される。堀川御所の守護代官、秩父庄司重忠は仁智に優れた人故、無闇に拷問にかけることをせず、琴、三味線、胡弓を彈かせ、弦の調べが素直で亂れもなく、真實を語つてゐると判段され、阿古屋は無罪放免となるのでした。
 阿古屋を勘十郎、左遣ひに一輔、足遣ひに勘次郎と三人とも顔を出しての人形遣ひ。津駒大夫の阿古屋は變なビブラートも掛からず哀れを誘ひ、寛治の三味線に合はせた、三曲(琴、三味線、胡弓)の寛太郎の藝の良さ、鍛錬の賜物。よくぞここまで稽古に励んだと云ふ技量を見せ附けられ、思はず唸るほど。

 大夫、三味線、人形遣ひ、それぞれの良さが存分に出た近年稀に見る素晴らしさであつた。

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2012年5月25日 (金)

祝賀會

Recep AGO定演第100回記念レセプションはサントリーホール横のインターコンチで行はれた。本來、學生さんたちは打ち上げで大いに羽目を外すところだが、外山先生、中村先生の他、理事長、院長、學長、校友會會長、顧問等、お歴々の方々もご來賓としてお招きしただけに、公式行事となり、學生は背廣で然もアルコール禁止となつた。先生方の居る前で誰が未成年か判別できず、何か不祥事があつてはいけないと云ふ配慮である。

 學生とOB會と共同で開催したにも拘はらず、當日は自分が一切を仕切ることとなり、ホテル側へのお願ひや確認から、司會の學生への合圖など、しっかり仕事をした。まるでホテルの人みたいと褒められた。

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2012年5月24日 (木)

第百回

Suntory サントリーホールで青學オケ第100回記念定期演奏會が開かれた。外山雄三指揮、中村紘子洋琴により、マイスター前奏曲、《皇帝》《巨人》と長いコンサートであつた。

 思へばOBとして、3年前から準備に取り掛かり、今の役員の3年生が1年生の時に、君たちは100回に載るのだと言つても、全然ピンと來てをらず、傳手を頼りにホールを押さへ、著名人に振って貰ふのにトレーナーの先生方に今まで以上にお世話になり、やっと此処まで辿り着いた感がある。
 27年前に演奏したことのあるマイスターは喇叭と同じ呼吸をし、案外、獨奏が不安で、次ぎの旋律は大丈夫かと、手に汗握り、ハラハラドキドキ、聽いてゐるこちらも胃が痛くなる程緊張した。途中で止まることなく、無事に演奏が終はりホッとしたのも束の間、その後のレセプションの準備もあり、慌ただしい一日であつた。吃驚したのは、豫定に入つてゐなかつた、中村紘子さんのアンコール。15歳でデビュー以來、最先端を走るのも實に苦勞が堪へないことであらうに、いつも笑顔には頭が下がる。


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2012年5月22日 (火)

利き酒大會

Bigband 週末に神田和泉屋學園同窓會の総會があり、最初にABCビッグ・バンドの演奏。久方振りのジャズの音色を堪能。
 その後、懇親會前に10年振りくらいの出席故、きき酒大會に挑戰した。好き嫌ひの順番を7位まで附け、場所を移動し同じ清酒が違ふ順序で並んでゐるものも、同じく7位まで順位附け。3種位なら違ひもわからうものの、7種では迷ふので第一印象だけでさっさと濟ませた。

 さうしたら、見事7位に入賞。日頃ワインばかりしか飲んで居ないのに、日本酒も理解してゐたらしい。最近、卒業したばかりのアル高校40數期の中でアル高校8期として、華を添へられた。


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2012年5月21日 (月)

天體ショウ

Nisshoku 今朝の7時半頃、東京でも雲の隙間から金環日食が觀えた。専用眼鏡を買つてをいたので、自宅のベランダから觀察。右上から徐々に月に隠れ出す様子も面白い。三日月のやうになり、つひに金冠となる。
 長女は見ても、特に興味を示さず。青春真ッ直中だと目に入らないのか。テレビ番組のはしゃぎ樣は騒々しいが、隣近所からも見えた、見えたと聲が響くのには笑つた。


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2012年5月18日 (金)

in the garden

 柴田悦子畫廊で平野俊一展を觀た。冩眞で切り取つたやうに、手前に焦點が合ひ、奧はぼやけた感じで、奧行と廣がりのある日本畫ばかり。今回は庭を主題に、花の咲き乱れる庭や櫻が中心でとても温かみがある。巨大なパネルから小さな額繪迄、それぞれに宇宙が在り、存在感が違ふのが面白い。

 先日の森田晴樹さんのやうな一線に命を懸け、背景のぼかしに幾重も重ねるやうな描き方と全く違ふのが面白い。

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2012年5月17日 (木)

加藤清正

 文樂五月公演の第一部は《八陣守護城(ハチジンシュゴノホンジョウ)》と云ふ清正公(加藤清正)を主人公にした時代もの。戀あり、毒殺あり、忠義あり、親子の情があり、名劍七星丸だとか小道具も利き、回り舞臺で御座船が船首を向けたり、城を去りゆく人々が左右に列を成して行く度に白壁が引っ込み、最後に天守まで見える演出も派手で見應へがあつた。

 清介の冴えた太棹と清公の琴がよく合ひ優雅な御座船の雰圍氣が出てをり、英大夫がとても聽き取り易くなつて成長の具合が知れる。但し、〈正清本城の段〉では、咲大夫のもごもごした語りで熟睡。大事な雛絹姫の自害の場を見損ねた。

 そして《契情倭荘子(ケイセイヤマトゾウシ)》は心中した二人が蝶となつて舞ふもの。いつも浮いて見える人形の良さを生かし、日本舞踊よりも可憐で素敵であつた。特に〈二人三番叟〉で組む幸助と一輔の息が合ひ、よい組み合はせ。

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2012年5月16日 (水)

東京ドイツワイン協會

MazutakiTamago この頃ドイツワインの集まりばかりお誘ひを受ける。まあ、聯合會の事務局長だから仕方ないが、京橋ワインさんの試飲會は最近の造り手の傾向もわかり、興味深かった。そして、東京ドイツワイン協會の総會が築地の新三浦であつた。

 ロイヤル・コペンハーゲンやジノリの器に和食が載せられて出て來るモダンな盛り附け。また、水炊きは最初にスープだけが出て、その後一人用の鍋で供されるのにも吃驚。これにはファルツのクニプサー醸造所の造る2005年産ディムシュタイナー・マンデルプファット・ヒンメルセレヒ・シュペートレーゼ・トロッケン(グローセス・ゲヴェクス)が
よく合つた。適度な熟成具合が柔らかく煮込まれた鶏肉と抜群の相性であつた。そして、厚燒玉子にはラインガウのハンス・ラング醸造所の2011年産の若いリースリング・カビネットが爽やかで仄かな甘味が玉子によく合ふのだ。かうして、選び抜かれたワインだと和食にもよく合ふことが實証された感。堪能させていただいた。


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2012年5月15日 (火)

ワイン東京2012

 東京流通センターで WINE TOKYO 2012 があつた。日本ドイツワイン協会連合会も後援してゐるので、招待状を頂き訪れたが、入り口で國際企劃のテイスティンググラスを300圓で購入し、それに注いで貰ふ仕組み。勿論、このグラスは持ち歸へることができる。併し乍ら、人が多くてなかなかワインを注いで貰へない。

 立ち止まる度に取引先やFBで知り合つた人に挨拶を交はして、たっぷり試飲。先日、リオハの古酒をすき燒に合はせてくれたワイナリー和泉屋さんの所ではご自慢の西班牙ワインの數々を堪能し、日本のワインコーナーでは、各社の技術向上に感心し、ドイツワインは唯一ラシーヌさんだけ、モーゼルのクレメンス・ブッシュ醸造所の9アイテムを並べ、灰色シーファーと赤シーファーと土壌の違ひが樂しめた。それにしても、ドイツワインが其処しかないと云ふのが悲しい。

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2012年5月14日 (月)

あなたに見せたい

 江戸表具若手研究會の研鑽を發表する「表装展」を八重洲田中畫廊へ觀に行つた。美しい裂地の合はせや、溜息が出るやうな凄い技から、あれっ何で此処に皺が寄つてゐるのかと、妙に人間臭い技術の差も理解できた。

 そして新橋の店まで歩いて歸へる途中、ふと交差點で「あなたに見せたい繪があります。」と云ふ文字が目に飛び込み、そんなら見てやらうぢゃないかと、いそいそと曲がりブリヂストン美術館開館60周年記念展を觀ることと相成つた。
 此処は1952年にブリヂストンの創業者石橋正二郎が、自分の蒐集品を公開する爲に開設され、自分の死後もきちんと續くやうに財團を作り、そちらへ美術品を寄贈して作られたもの。かう云ふお金持ちは立派であり、金の使ひ道をよく知つてゐる。

 全106點の作品を「自畫像」「肖像畫」「海」などの主題に分けて展示。60年かけて正二郎が集めた銘品の數々じっくり觀て廻るのに丁度いい。教科書に出て來るやうな畫家、マネ、セザンヌ、ルノワール、ドガのやうな印象派だけではなく、日本人畫家の油繪も多い。岸田劉生、安井曾太郎、藤田嗣治、青木繁《海の幸》や4幅の雪舟 《四季山水圖》もあつて吃驚。椅子も多く、ゆっくり鑑賞する人、ふらりと寄つたサラリーマン、おばちゃん軍團等、客層も廣く、一度は訪れたい美術館。こんな近くに穴場であつた。

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2012年5月11日 (金)

憩ひの場

 銀座は未だに一寸した所に路地が殘り、面白い表情を見せてくれる。入口さへ判らない店も澤山あるものだ。「枝香庵」もそんな畫廊のひとつ。屋上庭園のやうな開放感が素敵な、まるでオアシス(憩ひの場)を提供してくれる。昇降機で最上階へ上がり、細い階段脇から展示は始まり、狭い乍ら吹き抜けの一室と屋上へ續く階段壁も展示場となつてゐる。

 アートソムリエの山本冬彦さんと訪ねた時はまだ準備中であつた中村 眞彌子さんの「となりあわせの日常」展を連休前に觀た。雨ではあつたが、珈琲をご馳走になり乍ら、作家さんの説明を聞き、雑談。過去の作品も紹介下さつたが、今回の明るい繪がいい。自分で木枠の角を削り、キャンバスを貼って描く作品は、幼稚園兒のお繪描きのやうな純粋な樂しさに溢れてゐた。生憎、自分が氣に入つたものは既に賣却濟の印があり、購入に至らなかつたものの、今後の活躍にも期待したい。

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2012年5月10日 (木)

光の王國

9784863240407Aoitaban 印象派は相變はらず日本人に人氣だが、フェルメールとて例外ではない。たまたま、ドレスデン、巴里とフェルメールを觀たお陰で矢鱈氣になり、銀座で開かれてゐる「フェルメール光の王國展」へ行つた。最新技術で撮影された原寸大の精密印刷畫全37作品が一堂に會しじっくりと見られる。勿論、本物に優るものわけではないが、近くで詳細に觀察できるが面白い。また、携帶で撮り放題なのも笑へる。

 この展示は福岡伸一さんの制作であり、その後本も讀んだ。これは全日空の機内誌「翼の王國」に連載したものに加筆訂正したと云ふ。30數作品しかないので、世界中回って全作品制覇して感じたことを平易に書いてゐる。福岡さんはフェルメールが描く「光の粒」に注目し、當時最新の冩眞技術(針穴を空けた黒函に投影)や生物學者レーウェンフックの顕微鏡を使用したのではないかと推測する。他にもフェルメール本をどっさり買ひ込んで一氣に讀んだが、科學者の新しい視點と云ふ意味でも一番面白かつた。

 來月から伯林國立美術館マウリッツハイスとフェルメールが續々と來日する。

http://books.rakuten.co.jp/rb/フェルメール光の王国-福岡伸一-9784863240407/item/11305518/


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2012年5月 9日 (水)

ドイツワインの日

 4月28日が「ドイツワインの日」に制定された。日本でのドイツワインの普及に尽くした古賀 守先生を偲んで、お弟子さんたちが内々で開いてゐたものを、大々的に全國的にドイツワインを飲まうと云ふ日として制定された由。當日は在日獨逸大使館から参事官がご挨拶にいらっしゃるなど賑やかな祝賀會ではあつたものの、實行委員に名を連ねてゐたが會議に欠席すると、議事録もなく、何ら情報は知らされず、丸切り状況が把握できず、單にお手傳ひだけとなつた。
 來年からはGW(ゴールデン・ウィーク)はジャーマン・ワインとして賣り出して行く方がよささうだ。

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2012年5月 8日 (火)

藝術家

 無聲映畫「アーティスト」を觀た。今年のアカデミー賞では、83年振りにサイレント映畫として作品賞の他、主演男優賞、監督賞等5冠に輝いたもの。

  丁度、サイレントからトーキーに變はる頃の活動冩眞の役者の物語。主演のジャン・デュジャルダン、ベレニス・ベジョの佛蘭西勢に加へ、澁いジョン・グッドマン、ジェームズ・クロムウェルのやうなハリウッドの脇役が固め、ジャック・ラッセル・テリアのアギーの名演技が花を添へ、見應へがあつた。
 佛蘭西人のミシェル・アザナビシウス監督が臺詞に頼らない映像技術に回歸し、往年の名映畫監督を彷彿とさせる手腕に脱帽。よく研究してゐるのが判つた。戰前のハリウッドはかくありなんと云ふ感じ。お勸め。

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2012年5月 7日 (月)

風呂好き

 連休前半に映畫「テルマエ・ロマエ」を見に行く。休日も練習がある長女がいないのを幸ひに、一人ッ子状態の次女とかみさんと、ユナイテッドシネマの廣い會場であつた。スクリーンがでかいと疲れない。

 物語はハドリアヌス帝(市村正親)時代の古代ローマ帝国で浴場設計技師であった ルシウス(阿部 寛)が斬新な意匠が思ひ浮かばず、浴槽に沈んだ ところ、排水溝に飲まれ、現代日本に時空を移動し、そこで見た新しい技術を盗んで、どんどん應用して行くが…。

 實にばかばかしいと思ひ乍ら、そのくせ聲を出して笑つてしまつた。阿部寛、河村一輝(ケイオニウス)、宍戸 開(アントニウス)など濃い顔の俳優を集めて、伊太利人の中に混ぜて演じるのが秀逸。然も、場面によつてはきちんとラテン語を話し、全員がラテン語の場合は畫面右上に「バイリンガル」の表示も出る藝の細かさ。
 監督は「のだめカンタービレ 最終章前編」の武内英樹故に、同じ漫畫の乘りでぐいぐいと觀客を引き込む。何故か伊太利歌劇の有名なアリアを多様するのも笑へる。此処でこの曲かと。憂さ晴らしにはいいだらう。お勸めする。

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2012年5月 2日 (水)

雪舟

 サントリー美術館で開催中の「毛利家の至寶展」へ行つた。博物館の在るミッドタウンは元長州藩毛利家の下屋敷なので、その縁で毛利美術館の品々を借りられた由。勿論、お目當ては雪舟の「四季山水圖」である。

 決して技巧がある方ではないと思ふが、丹念に描かれてゐる。岩肌の點描冩が面白い。

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2012年5月 1日 (火)

アートソムリエと歩く

 連休中日、暦通りすき燒 今朝は營業してをります。


Artsommelier つひにアートソムリエの山本冬彦さんにお會ひする機會を得た。奥野ビル内の隠れ家を訪ねると、狭い室内のそこかしこに蒐集された作品が飾られ、さすが蒐集家らしい佇まひ。サラリーマン蒐集家として、若手作家の作品をコツコツと買ひ集めて、既に1500點以上に登ると云ふ。ふと、『週末はギャラリーめぐり』をこのブログで紹介して、それに氣附いてご連絡頂いてから、やっとご本人に會ふことができた。繪畫蒐集はしてゐないが、自分もコツコツとフルトヴェングラーの78回轉盤やツェッペリンの飛行船グッズを蒐集して、氣附けば日本人随一になつてしまつたので、同じ蒐集家としても興味深い。

 山本さんのご案内で奥野ビルを散策しがてら畫画廊探訪の後、建物を出でて銀座の街へと繰り出す。ギャラリー枝香庵日々gallery G671など丹念に觀て回る。今、若手作家が熱いのだ!

 銀座の屋上ギャラリーがまるで憩ひの場(オアシス)のやうな「ギャラリー枝香庵」では、中村眞弥子さんの展示準備中でご挨拶だけ濟ませ、「日々」では普段使ひに潤ひを與へる津田清和さんの硝子器を觀る。茶器や酒器など工業製品にない味はひがあるので、後日酒器を買つてしまつた。そして、「gallery G671」では佐藤明日香さんのボールペンで細かくネジや羊、或いは鎖を描き込ん作品群に感嘆の聲を上げた。細かすぎる。遠くから觀ると灰色のケント紙のパネルが近附くと細かな模様だと氣附く。こんな宇宙もあるのかと云ふ感じ。唯一額装された「ネジ」は見てて飽きない。かう云ふ獨自性は美大出身者でないのもまた樂し。かう云ふ作家を世に出さうと云ふ山本さんの姿勢も見習ひたいもの。

 彼等は理屈抜きに突き動かされる衝動を形として現すのだらうか。その内に特に氣に入つたものがあれば是非買はうと思ふ。近頃、晝食營業後は試飲會は畫廊巡りが定番になつて來た。繪に癒されるので、若手から目が離せない。

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