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2012年6月29日 (金)

大化の改新

Biwa 友吉鶴心さんの薩摩琵琶の世界に触れる會が淺草のギャラリー・エフで開かれた。例の江戸時代の藏の中、25名限定の會。第10章『平家儚常(へいけむじょう)』の 第1回は大化の改新を主題にした橋本治作詞による鶴心さんとの共作『雨』。古典の新作。

 平家の話で何故、蘇我入鹿と中大兄皇子かと思ひきや、天皇家と婚姻関係を結び政治を牛耳るやり方は中國の古典の時代から續くもので、日本の走りは蘇我氏であり、藤原摂関家であり、平家であり、皆同じ。橋本さんの格調高い文語文が、事前の解説でより一層心に響く。雨の描冩は激しく、内裏の中庭に吸い込まれてゆく感じであつた。


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2012年6月28日 (木)

カスタニエン・ブッシュ

KastanienWehrheimWehrheim1 ドクター・ヴェアハイム醸造所を訪ねたのは最後の和泉屋旅行であつたので、15年位前であらうか。白髪は増えたとは云へ、カール・ハインツさんは相變はらず抜群の記憶力と、上品で優雅な物腰と語り口。ファルツ五人組の中でも一番貴族的な雰圍氣。母屋も20世紀初頭の建物であり、納屋を改築して試飲室も新しく造られてゐた。

 そして、自ら優良畑のカスタニエン・ブッシュを案内してくれた。日本だとマロニエの名で通る西洋橡(セイヨウトチノキ)が象徴であり、猪も多く棲むと云ふ。それで、晝食には自分で仕留めた猪のソーセージをご馳走になつた。

 赤土の砂岩は水捌けがよく、ピノ・ノワールやリースリングに向くと云ふ。粘土質土壌にはヴァイス・ブルグンダーや他の品種を植ゑてゐるとの由。人柄がワインにも出るのか、綺麗で上品な味はひ。此処のシャルドネはシャルドネらしさがなく、獨逸らしさが前面に出て來る。

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2012年6月27日 (水)

武者繪

 永井畫廊で「武田秀雄展」を觀た。「WORLD NIGHT TOURS」、「地獄篇」 (各畫集)、 「OFF BLACK」(繪本)の3冊同時出版記念に開かれた。よく觀ると何ともエロチックな「源平合戰」。平家物語の場面を題材にしてはいるものの、全身入れ墨の兵士が褌(フンドシ)に、兜だけ被り戰つてゐるのだが、裸の女性に乘つてゐたり、大腿骨から下の骨格が御殿であつたり、微妙な外しが美しい表現となつてゐる。シルクスクリーンの極彩色も目に鮮やかで不思議な感覺であつた。

 それに對して、「WORLD NIGHT TOURS」シリーズは誰かの言葉を元に描かれてゐるのか、説明文が一言あつたが、それも創作であり、一緒に樂しんで貰はうと云ふ作家の意圖であつた。3階の會場には作家ご本人も在廊してゐて、常連さんと話込んでゐた。こんな言ひ草では失禮かも知れないが、もっと若い作家かと思つたら、ご年配の方で、のこの地味で冴えないおじさんの何処に、その發想の源泉と描き切るパワーがあるのだらうか。

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2012年6月26日 (火)

ジークリスト醸造所

Siegrist1 その昔、日本ドイツワイン協会聯合會會長の小柳さんが修業された、プファルツ地方のジークリスト醸造所。親日家とは云へ、かうして日章旗を掲げてくれるのはとても嬉しい。アウトバーンの事故澁滯に生憎の天氣で畑は歩けず、おつまみを頂き乍ら試飲だけでも19種。おまけに今まで買ったワインや明日買ふワインもまとめて此処から送つてくれることとなり、大助かり。持つべきものは友の友。

Siegrist2_2 エティケット(ラベル)には希臘神話のヘルメスが描かれてゐる。頭に翼の附いた丸い旅行帽を被り、傳令の証であるケーリュケイオンと云ふ杖に、空を飛ぶ事のできる黄金の翼が附いた魔法のサンダル「タラリア」を履き、そして武器である鎌を持つて、神々の傳令役を務める神樣の一人。

 これまでの造りではいけない、大量に造るだけではいけない、未來を見据えたワイン造りをしようと立ち上がつたプファルツの5人組が結成されて、昨年でもう20年。當時は變人扱ひされたと云ふが、世界に通用するピノ・ノワールを造り出し、シャルドネを植ゑたり、今では他が真似をするやうになつた。今でも5人で集まつては、赤ワインに就いて論議し、年に一度は世界の産地を訪ねて廻ると云ふ。農家の親父風なジークリストさんは何とも頼もしい。

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2012年6月25日 (月)

ブリッツィンゲン村

KumiaiTaru_480x640Schatzkammer_480x640 ブリッツィンゲン村の葡萄生産者協同組合の醸造所を訪ねた時は、生憎の雨で、2年前に改築し、最新鋭の機械器具と共に、貯蔵用タンクは昔乍らの木の古い大樽に寝かせてゐた。勿論、小さなバリックと云ふ新樽にも一部赤ワインを入れてゐたが、大きいのはなかなか他ではお目に掛かれない。かう大きいと樽の風味は附かないが、乳酸醗酵でまろやかになるのであらう。此処も多くがブルゴーニュ系の品種ばかり。

 親日家の社長は3度日本を訪ねたことがあり、磐城の温泉宿に毎年多額のワインを輸出してゐたが、昨年の震災で途絶え、同額の義援金を送ってくれたと云ふ。その爲か、22種も試飲させて頂いた。最後の甘口が出て來る頃には結構アルコールで舌も疲れ、集中力が續かなくなつてゐた。普通、口に含んで吐き出すが獨逸では口に入れたものは飲み込むのが禮儀。餘つたものだけ壺に出すので、それで酔つたのであらう。否、前日の深酒も殘つてゐたのであつた。

 普段、獨逸語は日本語にして考へてゐないので、通譯の疲れと殆ど初めての人ばかりとで疲れ、夕食時に氣が弛んで酩酊してしまつたからいけない。

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2012年6月22日 (金)

ジャズ・ヴォーカル

Hibiya 先日の第5回「新蓄音機の會」は颱風の近附く平日の午後開かれた。週末はホール優先故、空きがなく苦肉の策であつたが、13名の參加者があつた。

 初めて、ポップスに挑戰。慣れないジャズ・ヴォーカルで、サッチモの歌なしを掛けてしまつたり、調子に乘つてB面まで掛けたり、或ひは準備した筈の78回轉盤が用意してゐなかつたり、突發的なことは起こり得る。それでも、最近は動じなくなつたもので、謝罪の上淡々と濟ませる度胸が附いたのはご愛敬。

 年代順にビリー・ホリデイを掛けたが30年代の表現力豐かな歌ひ方が40年代になると鼻に附く不自然さが出て、50年代に入るといじってる感じがした。壮絶な人生を描いた彼女の生き樣も感じることができた。もう一回くらいは違ふ曲でビリー・ホリデイを中心に組めるかも知れない。そして、最後のナット・キング・コールの甘い艶やかな歌聲で〆。


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2012年6月21日 (木)

ベルンハルト・フーバー醸造所

AuxerroisSchlossberg  バーデンと云ふへば、今最も注目を浴びてゐるベルンハルト・フーバー醸造所。「うちはブルゴーニュの赤ワインを目指してゐます」と堂々と云ひ切り、極上のピノ・ノワールを造り出してゐる。この間、オバマ大統領が來獨した際に使はれたのは、もう品切れだとか。他にも珍しいオルセロワやムスカテラーと云つた昔乍らの白ワインもある。

 最初、來客があり商談してゐた社長自ら、一緒に畑へ赴き、15分位ヘックリング村のシュロスベルクの畑を登る。視界が開けて來た頂上では、先回りした藏人がロゼ・ゼクトを用意してゐて、直ぐに乾杯。この演出には參った。遠くは佛蘭西のアルザスや、谷の奧には瑞西も見渡せる南斜面の畑。石灰石が混ざる上質な畑だと云ふことが實感できた。

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2012年6月20日 (水)

ラングさん

 神田和泉屋の獨逸ワイン旅行に同行したのは、結婚前から凡そ10年位であつたので、既に最後が15年位前であらうか。それから、年賀状しか出してゐなかつたが、久し振りに訪ねたクレメンス・ラング醸造所

 當時中學生位であつた長男も手傳ひを始め、畑は10haに廣がり、納屋の下に天井高さ5米の醸造及び貯藏用の地下藏も完成し、更に蒸溜用の建物を建設であつた。それだけ順風滿帆なのであらう、ブルゴーニュ系の赤白ワインを中心に、家族經營らしい、穏やかなワインを造つてゐた。お父さんの代迄、協同組合にワインを賣るだけであつたのが、獨立した醸造所としてワイン造りを始めてから、全然スタイルが變はつてゐない。芯の振れないところが素晴らしい。

 バーデン訛りが激しく、久し振りで傳へたいことが山ほどあるのか、一文がずっと長くて、譯してゐる内に最初の内容を忘れてしまふ。そこへ鋭い質問が續いて、へとへととなつた。畑の地下は石灰質土壌でその上に氷河期以降流れて來た洪積層と云ふことが今回よく理解できた。

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2012年6月19日 (火)

朝食

Fruestueck 獨逸でまづ樂しみなのは朝食。どんな宿屋でも澤山のハム、チーズ、ヨーグルトにミューズリー、果物が出る。それに濃い珈琲がまた合ふのだ。
 パンもゼンメルのやうな小さな佛蘭西パンのやうに周り硬いもの、黒パン、ライ麦パン、芥子の實パン等色々あるので毎朝食べ飽きしないのが嬉しい。


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2012年6月18日 (月)

新型

Airbus 獨逸往復はルフトハンザ・ドイツ航空の新型機エアバスA380-788。総2階建てで2階は全てビジネスだと云ふ。今回は引率故、エコノミー級故、無縁。機種が新しいとなれば、機材も新品故氣持ちよく、映畫や歌劇もたっぷり見られたが、狭さは同じなのがとても殘念。

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2012年6月11日 (月)

バーデン&ファルツ醸造訪問

 2012年6月10日(日)より16日(土)まで、獨逸は南のバーデン地方の醸造所三箇所とファルツの醸造所三箇所、それにラインヘッセンの醸造所一箇所を廻つて來ます。ケナークラブ主催の「バーデン・ファルツワイナリー・ツアー」の引率です。小さな藏から中堅所、それに葡萄生産者協同組合の工場迄、色々なので樂しみです。戻りましたら報告しますが、その間ブログはお休みします。

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2012年6月 8日 (金)

銀河

 アートソムリエの山本さんのご縁で、近くの「閑々居」へ行った。すき燒 今朝の交差點を挟んだ斜向かひのL字型ビルの5階。畫廊の窓からうちの青い看板も見える。

 さて、昨日まで開催してゐた「長尾和典展」。大人しい作家さんも在廊してゐをり、名刺交換したら、手書き。普段交換しないからだとのことで、新鮮な喜び。

 作品は墨繪の枠に入る筈だが、白っぽい畫面に極細で蜘蛛の糸のやうな細い線が絲屑のやうな塊になつてゐたり、蜘蛛の巣のやうでもあり、そこから、すうッと別の薄い紐のやうなものが出てゐたり、動物の顔にも見えたり、何だらう、見てゐて飽きないのだ。吸い込まれるやうな力強さがある譯でもなし、ほんわかして、シミのやうに見えても實はきちんと描いてゐて、蠅が停まつたかと思へば、それも描いてあつた。大きな作品は遠くから見てみると白黒反轉した、宇宙空間。まるで、彼方此方に小さな銀河が浮かぶやうな感じとでも云はうか。奥行きとか廣がりも感じるのに、平面的な面白さもある、不思議なのだ。
口数の少ない作家の頭の中には、既に全體像があり、それを表に現してゐるだけらしい。それ故に、餘計な描き足しがないと云ふ。素人ならどんどん描き足して真ッ黒になつてしまふだらうに。優しさにも溢れてゐる。後で昨年結婚されたと聞いた。

また、畫廊のご主人、北條女史とは初めてお會ひしたと云ふ感じがしない位に話が合ひ、食べ物の話に華が咲いた。また、來やう。次回はツェッペリン・グッズをこっそり持って自慢しに。

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2012年6月 7日 (木)

座椅子

Photo すき燒 今朝で使つてゐた座椅子は、自分が物心附いた時からあった。40年は使つたのであらうか、角も擦り切れ、釘が出てしまつたり、ごつごつ座り心地も惡なつたので、前々から替へるつもりであつた。ところが丁度いいのがない。薄いと居酒屋のやうで安っぽいし、重ねられないと仕舞ふのに困るし、どうしたものかとずっと考へてゐて、やっとそれなりのものが見附かった。輕くて丈夫。お尻も痛くならない。これなら安心して座つて頂けます(畫像は新しき座椅子)。新舊交代、長い間ありがたう、これから宜しく。


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2012年6月 6日 (水)

天體ショウ

 本日、金星が太陽の前を横切る姿が見られる筈であつたが、東京は雨は上がつたものの曇り空。次回は生きてヰないであらうし、殘念至極。10日のドイツ旅行前に濟ませてをくことが大過ぎて外出もできず。

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2012年6月 5日 (火)

ヘルデン・テノール

 新國で歌劇《ローエングリン》を觀た。今回、生まれて初めてヘルデン・テノールの美聲に酔いしれた。クラウス・フロリアン・フォークトは白鳥の騎士の役柄に相應しく、惠まれた容姿に加へ、一寸癖のある大きな聲が何とも神々しく、崇高に聞こえて來る。嘗て、太つた歌手に駄目出しをしたルートヴィヒ2世でさへも、きっと感激の餘り、贈り物をしたに違ひない。

 この人、元はホルン吹きであつたのだが、テノールに轉向したと云ふ。聲質は嘗て銀行員からヘルデン・テノールとなつたフランツ・フェルカーに似てゐるかも知れない。第1幕の登場場面は久し振りに背中がぞくぞく、鳥肌がたつた。他にグロイスベックのハインリヒ王、メルベートのエルザ、グロフォスキイのテッラムント、レースマークのオルトルートなど、まとまりもよく、いつもの通り合唱の力強い歌聲が大いに盛り上げた。また、百戰錬磨のペーター・シュナイダーの指揮は手堅く、無駄のない引き締まったもので、過剰に盛り上げることもなく、走り過ぎず、遅すぎず、安心して聽ける。それに東フィルもよく應へてゐた。過去に觀た《ローエングリン》の中でも最高であつた。それは英雄の歌聲(ヘルデン・テノール)のお陰である。シュテークマンのちんけな演出は不問に附さう。

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2012年6月 4日 (月)

ドイツワイン・フェスト

Df1Df2 東京ドイツワイン協會主催の「ドイツワイン・フェスト」に、お客さんとして參加。 いつも裏方やお手傳ひで、氣樂に知り合ひとお話しし乍ら飲めるのが嬉しい。地方別の特徴的なワインを選んでくださり、ドイツ各地方のワインが樂しく飲めた。しかも、最初にドイツパンを手渡され、口直しもできるのが素晴らしい。アルコール度数が低いので、飲み疲れもしないと言いつつ結構量は飲んでしまった。

 最近のドイツの赤ワインはバリック(木の小樽)を使つたブルゴーニュ・スタイルが多い中、久し振りに色の薄い、輕快なアスマンズハウゼンの昔乍らのシュペートブルグンダーを發見。 長らく音信不通であつた舊友に出會つたやうな感じ。實に懐かしい味はひ。


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2012年6月 1日 (金)

総會

 本日は日本ドイツワイン協会連合會の総會。その資料作りが終はらず…

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