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2012年8月31日 (金)

文章を綴ると云ふこと

 書き貯めすることもあるが、日々更新するブログで、文章を綴ることが鍛えられる。或る程度、數をこなさないと見えて來ない部分があるのか、スラスラと一氣呵成に書けることもあるが、何も思ひ浮かばず數日放つてをくことも屡々。

 正字舊假名遣ひは特殊かも知れないが、獨りよがりとならない、誰にでも理解できるやうに努めてゐる。併し乍ら、内田 樹 『街場の文体論』 ミシマ社 を讀むと、まだまだ足りないと思ふ。相手に届く言葉を綴らないと意味がないのだ。でも、萬人向けでは響かない。突き進んで、壁を越えた所から戻って來られるのが一流の小説家だと云ふ。

 大學での最後の授業を文章に起こしたものだけに、平易に傳はつて來る。傳はると云ふこと。續けて氣附くことも多い。

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2012年8月30日 (木)

人造人間

 セミナー、演奏旅行、同窓会の準備で畫廊巡りができな日々が續くが、本を讀むのは相變はらず。夏と云へばホラーなので、今月中は集中的に讀んだが、分野の違ふこの本が一番印象に殘つた。伊藤計畫 『虐殺器官』 ハヤカワ文庫 は最近讀んだ中では壓巻であつた。

 邊境地域での内戰や大規模虐殺の裏に、常に謎の男ジョン・ポールの存在を突き止めた特殊部隊の兵士、シェパード大尉が彼を追ふのだが、一筋縄で行かない。殆ど人造人間のやうな殺人兵器と化してゐるものの、人殺しの意味や殺人に就いて、段々と惱やむ姿は、植物人間となつた母親の死を決めたことへの躊躇ひから惡夢を見るなど繊細な人格が滲み出る。戀はしない筈であつたのに、ポールの彼女に惹かれて、思はぬ展開を見せる。

 息も附かせぬハードボイルドと違ひ、淡々と内面で自問を繰り返し乍ら、命令を遂行する主人公。殺人に疑問をもつては任務が上手くいかないと知つて、考へない筈であつたのに…。

 亡き伊藤渾身の作。お勸めする。

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2012年8月29日 (水)

セミナー

Dnavi セミナーに向けて資料作り終了。慣れないパワーポイントで如何に美しく仕上げるか。とは言ふものの、セミナーの中身で勝負したいところ。 多くの人に合格して貰ふにはどうしたいいのか、日々惱む。

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2012年8月28日 (火)

洋琴獨奏會

Kuroiwa 先日、友人の洋琴獨奏會を聽きに銀座ヤマハの6階に在るコンサートサロンへ。ほんの40名程の小さなホールで、洋琴の音がビンビン響くよい空間。
 黒岩悠さんは伯林在住の洋琴家で、一時歸國の際にしか聽くことはできないが、ポゴレリッチに似た力強い運指から、的確な音が表現されて行く。
 バッハの《佛蘭西序曲》BWV.831は思索的であり、内面へひた走る哲學的な曲想となり、難解に感じただけの、その直ぐ後に《主よ、人の望みよ喜びよ》は清々しく、そして、前半最後のヨハン・シュトラウス二世の喜歌劇《かうもり》よりグリュンフェルト編曲に拠る《維納の夜會》は、きっと譜面が音譜で真ッ黒だと思はれる技巧的な曲。装飾音過多で鳴り響きを意識してゐるのは19世紀末の後期浪漫派の匂ひ。それは、あっさりと彈き切つてしまふのはさすが。

 後半のシューマン《幻想曲》作品17は、頭に浮かぶ曲想が進み過ぎて筆が追ひ附かないシューマンぽさを感じる。
ファンタジー(幻想)に相應しい勢ひと留まり、廣がりから内側に籠もるところ、安易な複雑と云ふ表現を許さない深さを感じた。洋琴のもつ幅を考へさせられた演奏會であつた。

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2012年8月27日 (月)

米澤牛のすき燒

Tokiwa すきや連の米澤での宴會は創業明治27年の「登起波」で開かれた。全國のすき燒屋の主人に女將、牛肉卸問屋、酪農家、鶏卵農家、野菜農家、それにすき燒好きの凡そ50名。
 餘りに時間が掛かるのでもう全員の挨拶はなくなり、新しく加はつた方たちのみ。卓子に備へ附けられた瓦斯コンロは火の部分が随分と下の方で、昔は底に炭を入れたのではないかと思はれる獨特なもの。此処では極上の米澤牛の他、姫筍、木耳が入るのが新鮮。割り下はやや甘味があり、色が薄いのが特徴。つひ煮炊きを色で判斷してゐると味が濃くなつてしまふ。
 土地、それぞれの味はひが樂しい。


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2012年8月24日 (金)

米澤牛の牧場

YonezawaSato_2 8月8日(水)に米澤へ向かつた。すきや連で米澤牛肥育牧場を訪ね、夜は登起波さんですき燒を囲む算段。
 まづ佐藤畜産さんを訪ねた。普通は見せては頂けないものだが、白衣を着て、靴に被ひをして、消毒を重ねての入場。稲藁だけでは足りず、焼酎粕の入つた國産混合飼料を食べさせ、堆肥も循環使用と云ふ徹底した管理で千頭も肥育してゐると云ふ。震災以降、熊が山越えして山形に入り、頻繁に現れては餌を食べてしまふと云ふので、番犬が厩舎に數頭づつ居る鹽梅。兎に角、吠える。牛は綺麗な目をして、大事に育てられてゐることが判った。

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2012年8月23日 (木)

親子すき燒體驗

Oyako1 昨日はレス協主催、夏休み特別企劃「親子すき燒體驗教室」であつた。もう4年目も迎へたので、店側も慣れ、自分もできるだけ子供の目線で話すことができた。
 小學校低學年では、歴史の話は難しかつたやうだが、調理手順を聞いてから、實際にお母さんに取り分け、それから自分の器によそひ、次の具材を鍋に並べてから、やっと食すので、随分と手間取つてはゐたものの、最後まで一人で調理できた子は一寸誇らしげでもあり、大きな自信に繋がつたことであらう。
 傳へるこちら側も學ぶことが多いので、來年も開催の豫定。


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2012年8月22日 (水)

桟敷席

 先日、新橋演舞場で海老藏が10役を早替はりで演じる『伊達の十役』を觀た。然も、友人の手配で取れた桟敷席故、スパークリングで乾杯して、ゆるりとできた。

 元々、先代の猿之助が得意としてゐた舞臺だけに、歌舞伎であり乍ら、宙吊りもあり、現代娯樂に徹してゐるのがいい。但し、相變はらず海老藏はくぐもって聞き辛いのだが、華があるので舞臺映えする。細川の殿様の凛々しさ、仁木弾正の妖術使ひや立ち回りには舌​を巻くものの、政岡(正義)より八汐(惡者)の方が似合う氣がする。今後、益々氣になる。


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2012年8月21日 (火)

凱旋行進

Parade_2 昨日の五輪凱旋行列行進は銀座一丁目から八丁目であつたが、11時前後には新橋交差點も人で溢れ返り大賑はひ。すき燒 今朝は丁度二階故によく見えた。
 併し乍ら、こちら側は芝口に當たり、銀座ではない爲、選手は座るやうに指示されたやうで、車兩も急に速度を上げて走り去つた。何萬人集まつたか知らないが、暴動にならないのが素晴らしい。


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2012年8月20日 (月)

秋空

Rphils 長らくお休みを頂き、昨日は六本木ヒルズ49階に在る「アカデミーヒルズ・アーテリジェントスクール」で「大人の魅せ文字」講座を受講。先日、ホテルロビーで見た個展の山田翔光先生の指導で、基本的な筆の持ち方から、書く姿勢、身體を使つて文字を書くこと、憑きに通じる三日月形の名前の書き方、滲む和紙の極意、クロマトグラィーを利用した繪の描き方など、短い時間に傳授して貰ふ。
 芳名帳や祝儀袋に名前を書くのも恥ずかつたが、惡筆も矯正して頂き、自信をもつて文字が書ける。

 11時から、五輪凱旋行進を一目見ようと集まつあ人々が新橋交差點に溢れ始めた。


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2012年8月13日 (月)

夏期休暇

 8月13~17日まですき燒今朝はお休みを頂きます。20日より平常通り営業いたします。

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2012年8月10日 (金)

油日

Houkyo 第三回「油-日(yu-bi)」展女子の部に宝居智子さんが出展するので、青山のギャラリー・ショアウッドへ行つた。都内の美大生と卒業生、油彩と日本畫が中心となつて集ふと云ふ展示會。各人5點程飾つてあり、版畫、日本畫2名に油彩。宝居さんの作品は花の繪で、丹念に描き込んであり、繊細な中から生命力を感じる。

 まだ、賣り出し中の宝居さんの小さなSMと云ふ大きさの「小手毬」。こんな立派な額では赤字ではと心配になつてしまふくらい。

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2012年8月 9日 (木)

ゼクト

Sekt 先月末、ドイツワイン好きな方からゼクト(獨逸産發泡酒)の試飲をするから來ないかと誘はれ、獨逸文化會館内に新しくできたコンディトライ「ノイエス」へ、汗を拭き拭き出掛けた。獨逸パンと維納菓子と云ふやうに、獨逸料理が得意と云ふ譯ではなささうだ。
 モーゼル上流にしか植ゑられてゐない古い品種エルプリングだけで造られたゼクト古酒1991年産が、まだ酸味も若々しく驚いた。そして、1989年産モーゼル・リースリングゼクトは昨年、購入したものと原酒が違ふ爲、こちらの方がまだまだ長生きしさうな若さがあるから不思議。
 試飲も後は持ち寄つたワインをたっぷりと頂き、ドイツワイン談義に華を咲かせたが、ふと氣附くと自分が長老であつた。


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2012年8月 8日 (水)

紅茶茶碗

Porzellan1 何故か七月はツェ伯號の紅茶茶碗まで手に入つた。以前から持つてゐるもは罅が入つてゐたが、こちらは完全品。然も、裏書きにはUS.ZONEの文字。見比べてみるとGRAF ZEPPELIN 1928の文字も見當たらない。併し、全く同じ意匠故、翌年以降に最初から米國内の補充用作成したものの可能性もある。それで、米國に送つてをいたものなのであらうか。

Porzellan2

Tasse2


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2012年8月 7日 (火)

洋式急須

Teekanne6
Teekanne4_2 ツェッペリン伯號で使はれてゐたと覺しき紅茶用洋式急須を落手。當時の冩眞でも見たことはないが、裏の刻印を見る限り、正しく船内で供されたのであらう、ツェッペリン飛行船航空會社のロゴLZ、LZ-127の文字に飛行船とZEPPELINの文字は確かだ。真ん中の2や4は備品の數なのであらうか。そして、消えかかつてゐる部分はステンレス・スティールの配合なのであらう。

 一人用の小振りな二杯取りの急須。その内にこれで飲んでみたい。

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2012年8月 6日 (月)

櫻桃

Outou 顔本で知り合ひ、春先にすき燒今朝を訪ねてくれた方から櫻桃を頂いた。北海道は今が櫻桃の旬なのだと云ふ。月山錦と云ふ黄色い品種は甘味も強く美味。佐藤錦の方が素直な甘さかも知れない。紅秀峰も大きく甘く味はひも濃い。かう云ふ繋がりは大歡迎。お返しは何にしようか。


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2012年8月 3日 (金)

スクリーンプリント

 シロタ画廊を出て歸へらうとした矢先、同じビルの1階のart data bankが目に留まつた。「東樋口 徹展」最終日。幾色か重ねた輪郭だけで描くスクリーンプリント。キッチュなお尻であったり、マリリン・モンローであったり、とてもシンプルなのに説得力があり面白い。特にダ・ヴィンチの「最後の晩餐」を主題とした「dinner」がとても気に入った。

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2012年8月 2日 (木)

乖離

 シロタ畫廊では「小林美佐子展」。乖離する身體と云ふ副題で、顔のない制服という記號の身體は、他者からの視線と自己意識が乖離した状態。それを銅版畫にしたもの。時を現す骨とか、透かして見える姿が恐い。作家ご本人からは「恐い」は褒め言葉だとも。

 また、山本冬彦さんが紹介していた軸装は、掛軸の形をした額で裏から入れ替えができる優れもの。作品を中心に上下を折り畳むこともできると云ふ。作品と裂もよく合ひ、嬉しい驚き!かう云ふものが廣まるといい。

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2012年8月 1日 (水)

小泉 八雲

 銀座のオアシスギャラリー枝香庵では「わたしの中の小泉八雲 -イメージと創作-」。各作家が小泉八雲の作品から得た心象を描いたもの。樂しくお化けを描いてゐる作家もあれば、幾つかの作品はとても怖ろしい。夜寝られなくなる。正に生靈であつたり、死靈であつたり、幽靈であつたり、夜寝られなくなるくらいの迫力がある。丁度雑誌「幽」を讀んでゐる途中であつた所爲か。繪の前に立つだけで、これは駄目だと生理的に逃げたくなつた。

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