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2012年8月28日 (火)

洋琴獨奏會

Kuroiwa 先日、友人の洋琴獨奏會を聽きに銀座ヤマハの6階に在るコンサートサロンへ。ほんの40名程の小さなホールで、洋琴の音がビンビン響くよい空間。
 黒岩悠さんは伯林在住の洋琴家で、一時歸國の際にしか聽くことはできないが、ポゴレリッチに似た力強い運指から、的確な音が表現されて行く。
 バッハの《佛蘭西序曲》BWV.831は思索的であり、内面へひた走る哲學的な曲想となり、難解に感じただけの、その直ぐ後に《主よ、人の望みよ喜びよ》は清々しく、そして、前半最後のヨハン・シュトラウス二世の喜歌劇《かうもり》よりグリュンフェルト編曲に拠る《維納の夜會》は、きっと譜面が音譜で真ッ黒だと思はれる技巧的な曲。装飾音過多で鳴り響きを意識してゐるのは19世紀末の後期浪漫派の匂ひ。それは、あっさりと彈き切つてしまふのはさすが。

 後半のシューマン《幻想曲》作品17は、頭に浮かぶ曲想が進み過ぎて筆が追ひ附かないシューマンぽさを感じる。
ファンタジー(幻想)に相應しい勢ひと留まり、廣がりから内側に籠もるところ、安易な複雑と云ふ表現を許さない深さを感じた。洋琴のもつ幅を考へさせられた演奏會であつた。

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