« 2012年9月 | トップページ | 2012年11月 »

2012年10月31日 (水)

入院

194inside 來週の講演前に、ゼンマイ原動機の分解點檢修理の爲、回轉盤下動力部分のみ入院中。
 11月6日(火)18:00~19:30、河合塾 池袋校西校舎別館 7E教室に於いて「音の傳道者 蓄音機で聽く100年前の音」と云ふ講演をやります。入場無料、申込不要ですので、もしも、お時間がございましたら、お出かけください。

|

2012年10月30日 (火)

駱駝

Higure 作家さんからご案内を頂いたので、西日暮里まで足を伸ばす。開成高校を右手に、左へ路地を入ると江戸時代から變はらない道幅で、お寺と仕舞た屋がびっしり並ぶ所にふと、駱駝が目に入る。なんだこりゃと思ひ乍ら近附くと画廊であつた。元々、町工場であつたのであらう、地下の作業場、一階が搬出用に奥がトラックの荷臺の高さで、天井も高く、二階の床には荷物を上げる爲の扉もある。

 コンクリの冷たい雰圍氣の中ではあるが、「長尾和典展」が開かれてゐた。以前にも書いたが、染みにしか見えないやうな細い墨線の模樣が散らばる不思議な繪。大きいものだと、宇宙のネガを見てゐるやうでもあり、小さいものでも何かしらに見える。でも、見えない氣もする。理解せずに樂しまうと云ふ氣にさせられ、肩の力がスッと抜けるからいい。


|

2012年10月29日 (月)

東京ドイツワイン協會

Bitte 東京ドイツワイン協會の例會が赤坂のビッテであつた。

「ハムの盛り合はせ」とモーゼルのゼクトで始まり。「ツヴィーベルクーヘン(玉葱のキッシュ)」にアダムの2011年 ドローナー・ホーフベルク・リースリング・ファインヘルプの仄かな甘味に癒され、「シュタインピルツ(山鳥茸)のシュペッツレ」にナイスの2010 ヴァイスブルグンダー・アルトレーベン・トロッケンに思春期の横を向いた少女を感じ、「ほろほろ鶏のロースト」には、クレーメンス・ブッシュの2008年 ピュンダーリッヒャー・マリーエンブルク・ファールライ・テラッセン・グローセス・ゲヴェクスの質の高さに酔い、ドメーネ・アスマンズハウゼンの2010 ヘレンベルク・シュペートブルグンダー・トロッケンね気品を感じ、「チーズケーキ」にフリッツ・ハーグの2002 ブラウネベルガー・ユッファー・ゾンネンウーア・リースリング・アウスレーゼの若々しさに驚いた。

 何年振りにシュタインピルツを食べたであらうか。フェファリンゲン(杏子茸)と共に舌で覺へた秋の味覺は忘れない。


|

2012年10月26日 (金)

ドイツワイン祭

Shoukoukaigisho 在日獨逸商工會議所主催の「ドイツワインフェスティバル 2012」のお手傳ひを今年もした。今までの皇居和田倉問近くの會場は駄目になつたとかで、八芳園となつた。今までは2時間前に行って、氷でワインを冷やし、試飲をして順番を決めて並べてゐたが、會場が變はつたことで對應もよく、助かつた。また、今年は事前に試飲もさせて頂き、ワインの論評もお傳へしたので、擔當者でなくても或る程度味はひを理解してくれたやうだ。來年は業者任せとせず、もっと地方別にするとか、品種別にするとか、工夫するともっとよいと僭越乍ら助言もさせて頂いた。

 初日170人に、翌日180人。3時間の宴會ともなると、説明し乍らワインを注いでるだけでも腕が痛くなるが、美味しさうに飲んでくれた。


| | コメント (0)

2012年10月25日 (木)

ドイツフェスト

Fest 昨年、有栖川宮記念公園で開かれた「ドイツフェスティバル―絆を繋がう ドイツと日本」がたいへんに盛り上がり、今年もやらうと云ふこととなつた。おとしのドイツフェストは場所が青山公園に移つたものの、ワイン、麦酒、ソーセージにドイツパンなどの食品の他、雑貨も販賣されて大いに盛り上がつた。

 先月以來なので1箇月振りではあるが、本場の味を再現したヴルスト(ソーセージ)やドイツワインにドイツビールは美味い。つひ食べ過ぎたのは言ふまでもない。

|

2012年10月24日 (水)

ケナー試驗

 やっとドイツワインケナー及び上級ケナー呼稱資格試驗が終はつた。今年の受驗生はやや少ないものの100名超える方がドイツワインに對する日頃の知識と試飲能力を試した。例年に比べ、博士號を持つ北嶋さんの添削も入り、途中質問がひとつもなかつたのが嬉しい。何度も何度も出題を訂正しただけのことはある。他の設問で答が出てゐたり、整合性が取れなかつたり、受驗する方が餘程簡單だと思ふ。多くの方が合格して、ドイツワインの普及に役立てて欲しい。

|

2012年10月23日 (火)

提琴の誘惑

 久し振りに開かれた日比谷公會堂アーカイブカフェでの「新蓄音機の會」は平日であつたが、有り難いことに18名もいらして下さった。是非、日比谷公會堂縁の演奏家にして欲しいと云ふ要望から、提琴家(ヴァイオリニスト)特輯として、ハイフェッツ、ティボー、メニューインを選んだ。始めから完成してゐて終生衰へなかつたハイフェッツを別として、78回轉の録音の頃に絶頂期を迎へたティボー、メニューインの演奏は都會の粋や聽き惚れるやうな説得力があつた。改めて、提琴のよさを感じたのだつた。

|

2012年10月22日 (月)

HOTOGY95

Hotogy95 シェルマン12年振りの蓄音機コンサートへ。以前の音友ホールや欅ホールとも違ふ108名しか入らない東京建物八重洲ホール。狭いが天井が高く、ホールとしての響きはとても良いので、まるで貴賓席のやうな二階中央に陣取る。

 まるでEMGのやうな形状だが、革を貼り合はせ、人工漆で堅く仕上げたと云ふ。故罐(ホトギ)氏の遺志を嗣いだお孫さんが新たに高音が出ないと云ふので改良を重ね、一年掛けて仕上げたもの。本體驅動部分はEMGそのままだが、自重で立つことのできないホーンを支へる枠を附け、專用の臺まで拵へた。

 柔らかさ、低音から高音まで再現能力共に優れてゐた。どの分野でも不得意を感じさせない。現代の技術でやつとここまで再現できたと云ふ感じ。生前、罐氏はサウンドボックスも制作してをり、入口と出口さへきちんとできれば、78回轉でも鑑賞に耐えうる素晴らしい音が鳴るのだと証明できたのだ。心地よい音と云ふのはかう云ふことを云ふのであらう。但し、家庭に置けるかどうかは別問題。でか過ぎる。


|

2012年10月19日 (金)

ピーター・グライム

 歌劇の新季節となり、新演目として注目を浴びてゐたブリテン作曲、歌劇《ピーター・グライムズ》を觀た。20世紀のこの曲は1945年6月に初演され、ブリテン31歳の作品。曲想的には《ヴォツェック》のベルクと《不滅》のニールセンの丁度間くらいに位置し、無調に徹することなく、旋律らしきものもあり、所によつては聞き易い箇所もあつた。

 ヴィリー・デッカーの演出は閉塞的な村に於ける部外者と集團の對立と悲劇と云ふ根幹が、荒涼とした海とヒースしかなささうな草原の村に現れ、非常に現代的であつた。それは場所を移動させれば、日本のネット社會にも見られる普遍的な現象だからだらう。山崎浩太郎氏は「ブログが炎上した」やうだと表現してゐた通り、閉鎖された村社會の噂が正義となり、皆で部外者を排除したがる怖さとか、家庭内暴力とか、色々と考へさせられた。
 舞臺は久し振りに傾斜が附いてをり、奥行きを狭くして、左右から高い塀で覆つて暗く、正面の隙間には荒れた海が見えるので壓迫感が強い。そこに村人が大勢出て來るので、暑苦しく、息苦しい感じがよく描かれてゐた。 

 歌手の出來もよく、共同演出にも拘はらずでッカー本人が來日して指導したお陰か、合唱の動きもよく、東フィルの演奏もよく、久し振りに申し分のない演奏であつた。
 

|

2012年10月18日 (木)

ファン・フォルクセン

Photo_2ラシーヌの試飲會。モーゼル上流のザールに在るファン・フォルクセン醸造所のご當主ローマン・ニエヴォドニツァンスキーさん初來日を記念したセミナーもあつた。

100年前評価の高かったモーゼルの辛口に特化し、収穫量を抑へて高品質に拘つている。10世紀末のホテルのワインリストを蒐集してゐると云ふのが興味深い。私のツェッペリン飛行船の献立表に附いてゐるワインリストを見せてあげたいくらい。

 野生酵母を使ひ、殺虫剤、合成肥料は使はず、ひたすら昔乍らの傳統的造りを目指してゐるだけに、エゴン・ミュラーとは全く違ふ先を目指してをり、シャルツホーフベルガーは香りも高くとても上品。でも、お隣のフォルツ(Volz)の方が華やかな感じがして自分好み。

マグナム瓶が小さく見えるご當主はニ米は優に越える長身。チビな私と話す時は目が合ふやうに、わざわざ座ってくれた。その心遣ひが嬉しい。


|

2012年10月17日 (水)

硝子

 西麻布の桃居での「津田清和 硝子展」へも行つた。顔見知りになつたからか、ご案内を頂いて出向いたが作家を在廊ではなかつた。それでも、手にしっくりと來る酒器ばかり眺め、触つて來た。箔を巻いて焼いた小物入れが硝子に全く見えない。古代埃及のファラオの秘寶のやうでもある。開けてみると底は透明で硝子だと分かる。然も、蓋がお香立てになるなんてお洒落なのだ。

|

2012年10月16日 (火)

加藤 清之展

 全く知らない畫廊は敷居が高く、なかなか入り辛いもの。最近では山本冬彦さんの顔本を見たと云ふと随分と歡迎される。そんなに怪しいのであらうか。

 もう先々週のことだが、知人の紹介でギャラリーせいほうの「加藤 清之展」へ。薄い磁器のレリーフに厚みのある陶器の立體。全く違ふ方向なのに、ひとりの作家が兩方樂しんでゐる。角は薄く摘んだだけ、その手前にある家なども随分と繊細な造りの磁器。それに對して陶器は一輪挿しに使へるゆやうな丸こくて、穴がポコポコあるものなど、不思議な感覺で面白い。

|

2012年10月15日 (月)

藝術の秋

 涼しくなつて來ると試飲會と展覧會が増える。この間、東京美術倶樂部の「東京アートフェア」へ、消防署へ届け出をした序でに行つた。美術倶樂部の組合員の内約40店舗が茶道具・繪畫・近代美術を出品してゐるので、ほんの冷やかしのつもりであつた。茶道具は飛ばして、古美術は掛軸の裂ばかり注目し、死んだ作家よりも現在の若い作家の方へ自然と目が行く。

 岩波 昭彦の摩天楼、森本 純の厚塗りをしない、絹本に描いた淡い日本畫、漫畫ちっくな瀧下 和之、金地に蛙が可愛い磯部光太郎などの作品が氣に入つた。これからが樂しみなので、名前を覺へてをかうと思ふ。

|

2012年10月12日 (金)

奉納演奏

Jissouin2 颱風により京都岩倉、實相院での「觀月の會」が中止となつたが、折角なので奉納演奏させて頂いた。門跡ご夫妻、我々の仲間3人だけの靜かなもので、大雨も忘れて集中して聽くこととなつた。徐々に風も強まる中、雨の重みで撓垂(シナダ)れる紅葉が床に映つて美しい。

 最初は狩野派の襖繪を開けて御簾の前で、それから襖を閉めてみると、漆塗りの床の反響が凄い。折角だからと、飾つてあつた礫翔さんの三日月を背後に置いてみたところ、途端に建物全體が鳴り響く感じが凄まじい。

Jissouin 唯でさへ天井は三米を超える高さにあるだけでなく、天井裏は伽藍の一番高い所に當たり、かなり空間があるとのこと。それがまたよい効果を生んでゐるらしい。襖の陰にゐても、欄間の上を越えて、音が降つて來る感じとでも云はうか。後ろの方で正座して聽くと、何とも生々しい。まるで歌劇場の二階正面で聽いてゐるやうな迫力なのだ。ポータブル如きでこんなに大きな臨場感の音が再現されるとは驚きであり、殆ど鳥肌が立つた。

組曲《假面舞踏會》より〈ワルツ〉
Frantisek Dyk (Cond), Prague Radio Symphony Orchestra
Supraphon 11201/03A-V (046629/33) 1950年録音

片鱗位はお聞き頂けるだらうか。 次回、本番が樂しみである。


|

2012年10月11日 (木)

洋食

Hikita 祇園に最近できた「洋食ひきた」は豐中でビストロを營む疋田恒郎シェフの店。彼とも顔本で知り合つた。本店がお休みの日しか京都に來られないとのことであつたが、折角なのでランチを食べに行く。
 箸でも食べられる氣樂なお店で、日本のワインを中心の品揃へも嬉しい。飲み疲れした胃にも、ロールキャベツは優しく、また來たくなる店であつた。


|

2012年10月10日 (水)

祇園の美術館

Kahituskan 祇園と云へば一力なのだが、未だご縁もなく、四条通りの反對側に在る京都現代美術館「何必館(カヒツカン)」へ。常設展の村上華岳、山口薫、北大路魯山人の作品が多々有る。個人蒐集家がこれだけ集めるのもたいへんであつたらうが、それを展示するのは更にたいへんだらうと思ふ。入場料千圓は妥當だらう。

 但し、導線が頂けない。最初に昇降機で二階に上がり、次いで三階へ階段で上がつて見て、また階段を下り、二階からまた昇降機で八階へ行き茶室と作品見て、今度は地階へ下りて見ると云ふ、面倒と云ふか複雑過ぎなのだ。きっと、狭い敷地を利用し、途中階に事務所も在ることであらう、彼処も此処も見せたにと云ふ氣持ちもよおく分かるが、それでも敢へて言ひたくなる程、使ひ勝手が惡いのが、とても殘念。

|

2012年10月 8日 (月)

西陣の町屋

Yuan 夜は西陣の町屋伊太利飯バー「yu-an」で蓄音機から音樂を聽く會『月夜の曲』に招かれた。日本家屋の場合、設置場所で決まると言つて過言ではない。疊に音を吸はれ、彼方此方に置いて試聽するがなかなか決まらない。今回、金箔師の裕人 礫翔さんの作品「滿月」が飾つてあり、そちらの前に置くと、丁度反響盤となり思ひの他、素敵な効果があり、共同制作(コラボレーション)となつた。
 その上、お辯當をご馳走になつたが、何と、和久傳の「鯛散らし」であつた。この上もなく、上品で食べ易い最高の辨當であうた。

 演目は

  ○渡邉 はま子・霧島昇: 蘇州夜曲 Nippon Columbia 100063
  ○ グレンミラー楽団: ベートーヴェンの月光ソナタ HMV BD5768
  ○ビリー・ホリデイ: ホワット・ア・リトル・ムーンライト・キャン・ドゥ Colubia 36206A 
 ○グレンミラー楽団: ムーンライトセレナード BlueBird B-10214
  ○ザ・キング・コール・トリオ: イッツ・オンリー・ペーパームーン Capitol 20012
 ○プレスリー: ブルームーン RCA Victor 20-6640

で、少し解説を交へて話した。

| | コメント (0)

2012年10月 5日 (金)

葛切り

Kagizen4_2 祇園まで足を伸ばしたら、必ず寄る「鍵善良房」。但し、此処でも長蛇の列で葛切りがずっと食べられない。もう15年以上食べてゐないのだが、今回覗いたら老婦人一人切りしか待つてゐなかつた。では、改装されて初めて這入る。以前は二階席で食べたものだが、今は店奧となつてゐる。藏の見える奧庭も綺麗で、皆、葛切りを食べてゐる。 一寸、量が多いので一緒に行った方に葛切りを勸めて、自分は和菓子と御薄。

 滑らかな餡が美味しい。御抹茶でも心も落ち着く祇園町。一口、葛切りも頂いた。猛暑の中並んで食べた先回の記憶が鮮やかに蘇る。柔らかい氷水に浮かぶ葛切りは柔らか過ぎず、堅過ぎず、丁度いい鹽梅。それを附ける黒蜜がこれまた美味。至福の時間となつた。


|

2012年10月 4日 (木)

ご飯

YasakaTaicha 八坂神社前に美味しいご飯を食べさせる店があると聞いて、同行してくれた方と一緒に行ってみると、名前を書いてひたすら待つこと小一時間。並んでゐる間に注文を訊いてくれるので、座ると直ぐに料理が運ばれて來た。
 此処、「八代目儀兵衛」2階席のカウンターから八坂神社がよく見える。頂いた鯛茶漬けの美味しいこと。一緒に附いて來る藥味のあられ、三ツ葉、岩海苔、鹽昆布だとかも嬉しい。ご飯のお代はり自由であつたが、この後を考へてぐっと我慢。

|

2012年10月 3日 (水)

上洛

Yaosan この週末は京都へ。夜、蓄音機を掛ける爲、朝一番の飛行機で伊丹へ飛び、朝9時過ぎには京都驛到着。いつも通りのことだが、驛で先にお土産を買ひ、荷物をホテルに預けて、三条の「八百三」で柚子味噌、イノダコーヒーでミルクと砂糖の入った珈琲飲んで、新京極の眼鏡研究所へ行き…。
 造形大のスクーリング以來、殆ど形式(パターン)化してしまつた。此処へ寄らないと始まらないのだ、

|

2012年10月 2日 (火)

工房を支へる九人

 表參道の 硝子ギャラリー カラニスでは、漆工芸 箱瀬工房9展 漆.塗.蒔絵 オブジェからフタモノまでが開かれてゐた。

 箱瀬淳一さんと工房のお弟子さん全9名の展示即賣會。半年に一度くらいしか、個展に足を運ばないが、着實に進化を遂げてゐる箱瀬さんのお弟子さんたちも、しっかりとした技術があることは分かった。ところが、あと一つ何か足りない。パッと見ると綺麗だし、同じなのだが、手に取るとしっくり來ない。妙に角を附けて水垢が附き易くなつてゐたり、蓋の締まりが惡かつたり、少し勿體ない。その邊りは感覺の問題なのであらうか。

|

2012年10月 1日 (月)

艶姿

 表参道のギャラリー・ショアウッドで女流日本画四人展 -艶姿-が開催されてゐる。
 勿論、寶居さんの美人畫も4點程並ぶ。寶居さんの作品の中には、まるでアルフォンス・ミュシャのやうな佇まひの植物柄の大首繪があつた。和風の文樣を背景に描き込むところも、實はアール・ヌーヴォーの影響なのかも知れない。
 他には4點お買ひ上げの赤丸の附いた大竹さんの作品は、ネガのような色彩でおどろおどろしい女性の怨念のや
うなものが滲み出て來る怖ろしい繪が多い。また、存在感のある女性の顔をアクリルで描いていた加藤さんの作品も特徴的だが、我が家には飾りたくない。そして、骸骨やらに憑かれて恍惚とした女性像の山科さんの作品は、殆ど幽靈に戀した女性像とでも云はうか、表具仕立ての鶏の作品群は月夜に浮かぶ甲冑を身に纏つた軍鶏の靈なのか。それぞれ際立った個性の違いが面白い。

|

« 2012年9月 | トップページ | 2012年11月 »