« サーカス | トップページ | パシナ »

2012年12月19日 (水)

解説

 橋本治と云ふ人は自ら變だと云ふだけに、解説でも人が見逃しさうな妙なことに氣附いて、それを他に人も納得させるだけの文章力がある。『淨瑠璃を読もう』 新潮社 を讀んだのだが、これが非常に解り易い。現代人に擬へ、然も當時の人々の心境に迄踏入つて教へてくれるのだ。

 『假名手本忠臣藏』での勘平に就いてはにべもない。
  「時間外の業務をオフィスラブで過ごした勘平は…」
  「しかし、勘平は、主人の大事の時に女とセックスをしていて、そのままとんずらしてしまった男である。」

確かに、さうなのであるが、江戸時代のお姫樣は戀をするだけの存在、色男は自分で判斷して運命を切り開くと云ふより、状況に流されるだけの存在であつたり、當時の常識を元にしてゐる爲、今の我々には解り難いと説明してくれるのだ。小氣味いいテムポで一方的に話し續ける橋本節に慣れると、實に面白い。随分と文樂を聽いて來たつもりであつたが、これで合點がいったことが多々あった。

 

|

« サーカス | トップページ | パシナ »