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2013年1月18日 (金)

俊の科白

 この間、宮崎 駿企劃・脚本作品《コクリコ坂から》が地上波で放送された。或る程度の短縮も致し方ないし、途中で宣傳が入るのが氣に入らないが、初めて見るには凝縮されてゐるのでよい。横濱を舞臺に、東京五輪前の高校生の姿を描いてゐるが、懐かしいものが澤山出てゐた。製麺機のやうなローラーで挾むだけの脱水機の附いた洗濯機とか、タイル貼りの臺所流し、齒釜鍋…、自分が子供の頃は幾らでもその邊で見られた風景なのだ。その上、カルチェラタンと呼ばれる明治から在る古い建物の建て壊しに反對する集會で、主人公の俊が

 「古いものを壊すことは過去の記憶を捨てることと同じじゃないのか!?」
 「人が生きて死んでいった記憶をないがしろにするということじゃないのか!?」
 「新しいものばかりに飛びついて歴史を顧みない君たちに未来などあるか!!」

 何と素晴らしい科白なのであらう。此処だけで痺れてしまつた。

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