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2013年1月 9日 (水)

睨まれる

 姪にせがまれ、かみさんも一緒に淺草公會堂で新春吉例、若手による「新春淺草歌舞伎」を觀る。

 第二部は《彦山権現誓助剱(ひこさんごんげんちかいのすけだち)》より、〈毛谷村(けやむら)〉。堂々とした六助藥の愛之助もよいが、お園役の壱太郎がよかった。立ち回りもでき、女形らしい、しおらしいところもあり、若々しいので溌剌として、觀てゐて氣持ちがいい。そして、壽初春《口上》は、ご存知、海老藏の睨まれたからには、今年一年無病息災になる筈。縁起がいい。
 そして、肝心の歌舞伎十八番の内《勸進帳》は、愛之助の富樫、海老藏の辯慶、孝太郎の義經と云ふ次世代の配役がいい。長唄は店で時折流してゐる所爲か、「旅の衣はすずかけの…」と耳に聞き覺へがある爲、初ッ端から舞臺に集中できた。白紙の勸進帳の「讀み上げ」はそれなりに緊迫感もあつたが、續く、富樫の問ひに對する辯慶が應じる「山伏問答」の掛け合ひは、張り合ひがなく殘念であつた。この大事なところで、睡魔に襲はれてしまつた。

 そして、最後に振る舞ひに、なみなみと注がれた酒を頂き、「延年の舞」には切れがあり、幕切れの花道を下がる時の堂々とした「飛び六法」は圧巻。これを見られただけでもよしとするか。前回、幸四郎が息も絶え絶え、疲れ切つてゐたのと違ひ、さすがに十八番だけあつて、決まつてゐた。

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