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2013年2月19日 (火)

媚藥

 新國の歌劇《愛の妙藥》を聽く。『トリスタンとイゾルデ』の悲戀物語を聞いた農夫ネモリーノが、村一番の美人、農場主のアディーナへの戀を成就させる話なのだが、インチキ博士の媚藥の力を借りたり、その藥を買ふために軍隊に入ると聞いて、本物の愛を確信したアディーナも心を開いて、幸福な結末を迎へる。
 今回はネモリーノ役のアントニーノ・シラグーザが抜群の聲を響かせ、他の者を壓倒し、伊太利歌劇らしい歌を聞かせてくれた。特に第2幕のロマンツァ〈人知れぬ涙〉はカルーソーで聽き慣れてゐたが、遜色ない。演出が氣に入らなくても、指揮者のテムポが嫌でも、他の歌手が不揃ひでも、そんなことは全く氣にならない位にシラクーザが抜きに出てゐた。凄いものだ。

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