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2013年2月13日 (水)

歌合戰

 ワーグナー生誕200年記念の今年、新國で歌劇《タンホイザーとヴァルトブルクの歌合戰》を觀る。ハンス=ペーター・レーマンの演出は再演であり、奈落から迫り上がるヴェーヌスベルクの洞窟場面以外はメルヘンを追ふやうで、さうでもなく、變化に乏しいもの。コンスタンティン・トリンクスの指揮も疾風樣式と云ふよりは、荘重樣式のやや重い引き摺るやうな演奏ではっきりせず、物足りない。

 千秋樂なので、タンホイザー役のスティー・アナセンがやっと風邪が抜けて好調らしいが、聲量があるでものなく、華奢なヴェーヌス役のエレナ・ツィトコーワとも張り合へず、初ッ端から睡魔に襲はれた。併し乍ら、第二幕に入るとエリーザベト役のミーガン・ミラーが堂々としてゐて、清楚で愛に溢れた貴族の娘を好演し、全體を引ッ張つてゐた。そして、ヴォルフラム役のヨッヘン・クプファーの「宵星の歌」は聞き惚れる程よく、領主ヘルマン役のクリスティン・ジグムンドソンの貫禄のある演技とバスの魅力で引き締めた。
 終はつてみれば、ワーグナーのどっぷりと音に浸る醍醐味はなく、出來不出來はあるものの、何とかまとまり、目出度し目出度しと云つたところか。

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