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2013年3月19日 (火)

古代埃及

 5年振りの新國での《アイーダ》。ゼッフィレッリの豪華絢爛な古代埃及時代繪巻は健在。粟國淳による再演演出なので、元々の演出を忠實に再現してゐる爲、第二幕第二場のアイーダ・トラムペットの掛け合ひや、凱旋の馬、バレヱなど、最高の舞臺となつてゐる。これぞ歌劇の決定版と言つてもいい。

 今回はミヒャエル。ギュットラーはややがっちり枠を固める感じで、それに東響はよく應へてゐたが、歌はせて、歌はせる伊太利人タイプと違ふので、最後にブーイングも出た。併し、一番の出來はアイーダ役のラトニア・ムーア。兎に角、聲が太くよく通り、悲哀を訴へ續けてくれた。そして、戀敵、王女アムネリス役、マリアンネ・コルネッティは風格があり、上から目線でねちねちと虐める感じが、聲もしっかり届き、第四幕第一場は喝采をさらつた。生憎とラダメス役のカルロ・ヴェントレはやや出遅れて歌ひ始め、引き摺るやうな感じで、獨特な聲もこのアンサムブルでは異質で殘念であつた。こんな小さな欠點は豪華な舞臺に掻き消えて、壓倒的な印象で終はるのは素晴らしい。

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