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2013年5月15日 (水)

農業

 着物文化が危ないと云ふのは誰の目にも明らかであり、機會がある毎に袖を通し、さも普段から着てる風を装つてゐる。腹も出たので帶の収まりもしっくりし、肩も凝らず、馴染んで來たところだ。最近、中谷比佐子 『きものという農業 大地からきものを作る人たち』 三五館を讀んだ。

 これを讀むと自然と、着物を着ると云ふことは、日本の農業に就いて考へねばならなくなる。嘗ては世界一の品質を誇つた日本の生糸も、量産化により悲しい女工たちの紡績もあり、すっかり過去のものと思はれてゐるが、需要が減り、それに伴ひ養蚕が衰退、和綿栽培の減少、農業が廢れて行き、ひいては日本の土臺も失はれかねない。
 機械ができて便利になると、効率を求めて熟練職人が仕事を失ひ、輸入された生糸や綿花か、或ひは石油化學製品が溢れ、健康を害する人も増える。そろそろ、循環型の生活に移行できないものか。大きな問ひ掛けだ。

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