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2013年6月 3日 (月)

ナブッコ

 ヴェルディの歌劇《ナブッコ》の新演出を新國で觀た。グラハム・ヴィックの演出はリンク先を見てくれれば解るが、かなりの際物。リンク先の動畫を見て貰へばわかるが、古代エルサレムのソロモンの神殿ではなく、高級店が並ひ、エスカレーターの在る明るいショッピングセンターに置き換へられ、ブランド信仰を嘲笑してゐる。しかも、攻めてバビロニア軍はテロリストなので單に薄汚く、バビロニアの宮殿や空中庭園と云ふ場面轉換もなく、物足りない。

 ところが、パオロ・カリニャーニ指揮の東フィルは俊敏様式の輕快なリズムで聽く者を飽きさせず、目を瞑つて聽いた方がいいくらいであつた。ルチオ・ガッロのナブッコはそつない出來だし、豫言者ザッカリーア役のコンスタンティン・ゴルニーもよく歌つてゐたが、アビガイッレ役のマリアンネ・コルネッティの聲量が抜きに出てをり、壓倒的に場を制壓してしまふのには驚いた。明るく透き通るイズマエーレ役の樋口達哉、か弱い乙女ではなく、意思をもった力強い王女フェネーナ役を好演した谷口 睦美など、日本人も活躍。演出さへよければ、素晴らしい舞臺となつたことは間違ひない。一體何を言ひたいのか、舞臺を見ただけで解らない演出はどうなものか疑問。

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