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2013年8月 6日 (火)

告別

 新日フィルの音樂監督アルミンクが10年目に下りるのに際し、最初に振つたマーラーの交響曲第3番を取り上げた。藤村實穂子さんのアルトを聽きたいのが一番であつたが、告別記念演奏となつたのだ。
 墨田トリフォニーホールは四角いホールで、さう云へば、15年前の此処の柿落としでも、新日フィル、小澤征爾の指揮でマーラーの交響曲第3番を聽いてゐたのを、やっと思ひ出す。たっぷりテムポで、彼の溜めない指揮が好きではなかつたし、それほど聽き込んでゐなかつたので、大きな印象が少ない。

 それに比べると、アルミンクも遅めのテムポでじっくり聽かせる形故に、まどろっこしく感じる箇所も幾つかあつた。最初のホルンの出だしは幸先よかったが、途中バンダ(觀客から見えない裏で演奏)のポスト・ホルンが氣持ちよく吹いてはくれず、肝心な箇所でとちるので殘念。五樂章でも高音が出てゐなかつたのが、尚更、全體の評價を貶めてゐた。然も、補助要員がゐたにも拘はらず。
 その他の樂器はそれぞれ存分に鳴らし、複雑な総譜から的確な響きを出してゐただけに、喇叭の失敗だけが目立つてしまつた。
 藤村さんの聲を何処までも深く、大きく響く。ホール全體を鳴らし切るから素晴らしい。彼女の歌聲に浸れただけでもよしとしよう。

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