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2013年12月 9日 (月)

120年振り

 文樂12月公演では《大塔宮あさひの鎧》が錦糸さんにより、121年振りに蘇演された。震災の後の3月23日の夜、素淨瑠璃で行はれた時は店を離れられず聽くことができなかつた。少ない觀客の前で披露されたものの、非常に反應がよかつたと聞いてゐたが、昭和28年に復活された《曾根崎心中》と同じく、何の違和感もなく、自然と話の筋に導かれ、太夫の語りに耳を澄まし、太棹の勢ひに乘せられて、人形を見入つてゐた。

 子供を身代はりにすると云ふ、文樂ではよくある題材だが、不憫だから祭の最中に切ってしまつてくれと頼むのも凄い。そして、身替はりの身替はりのどんでん返し。前半睡魔に襲はれたものの、後半は錦糸さんと文字久大夫の氣迫でがっつり聽くことができた。

 後半は珍しく江戸が舞臺の《戀娘昔八丈》。材木問屋城木屋の娘お駒に戀する番頭丈八の早合點、一人芝居でお駒は罪人として、鈴ヶ森で処刑される寸前に助け出されると云ふ話に、お家騒動も重なり、世話物として知られてゐる。後半の呂勢大夫と藤藏の勢ひがよく、氣持ちよかつた。

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