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2013年12月20日 (金)

OZU

2013122015030000 伯林に住んでゐた1989年であつたか、單館上映の映畫館で「特輯OZU」とあり、全然ピンと來なかつたが、これは小津安二郎のことであつた。

 京橋のフヰルムセンターで「小津安二郎の圖像學」展を觀た。映画の小道具に、當時の畫家の繪をきちんと飾つてゐたことを知った。事務所の壁、料理屋の廊下の奥、客間の掛軸など、言はれて初めて氣附くところばかり。

 例へば、《秋刀魚の味》では橋本明治「石橋」、他にも、月岡芳年「一ツ家 五代目尾上菊五郎」、梅原龍三郎「萬暦赤絵より」、東山魁夷画集『東京』より「迎賓館」等、さりげなく本物を入れてゐたところが粋だ。

 自身の筆による標題、文字デザインもあり、多才なだけでなく、色彩にも五月蠅かったこともわかる。さう云へば、熱海の旅館で小津特製の「カレーすき燒」も考案する位、食にも五月蠅い人であつた。贔屓にしてゐた上野のとんかつ屋にも未だ足を運んだことはないが、故人の日本人映畫監督の中では、人氣もあり、とても氣になる人だ。

 今回は映畫のセット背景や看板も復元されてをり、面白かった。

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