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2014年1月31日 (金)

三越美術

 日本橋三越で、寶居智子さんの菊花圖「高貴」が掛かつてゐる《三越美術特撰會》を觀た。亡くなってゐる評價の定まった畫家から、最近賣り出し中の若手まで、幅廣く、數萬圓から數千萬圓と、桁にも差がかなりあつた。

 そして、階下の《薩摩燒 第十五代沈壽官展》にも足を伸ばす。丁度、ご本人は談話中にてご挨拶できず。繊細な編み目であつたり、細かい繪柄や意匠に金を使ひ、實用品を超えた美術品ばかり。

 銀座へ戻り、靖山畫廊では《若手作家日本畫展》にも立ち寄る。面白い作風も多いが、自分好みは見附けられなかつた。

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2014年1月30日 (木)

闘牛場

 新国の歌劇《カルメン》を觀た。既にこの演出は過去に觀たことがあるが、露西亞系の歌手たちがきっちり聲が出切つてをらず、やや物足りない。アイナウス・ルビキスの指揮も極めて中庸で新鮮味もなく、かと言つて惡くもない。豫定調和的な進め方で南歐の溢れるばかりの熱氣が感じられず、殘念であつた。
 そんな中では、ミカエラ役の濱田理惠が第三幕で好演してゐた。

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2014年1月29日 (水)

補助金

 大阪の文樂座での新春公演が過去最多の動員を記録したのにも拘はらず、橋下の所爲で補助金が減らされることになつた。これはとても殘念。觀客動員數が少ないからこそ、補助金を出すものだと思つてゐたからだ。樂屋へお邪魔しても、暇を持て余してるやうな輩はゐないし、皆さん真劍に取り組んでゐるのに、どうしてかうなるのか、他に無駄はないのであらうか。

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2014年1月28日 (火)

ガン附

 高校の後輩でオルガニストの大平さんからお知らせを頂き、井上道義指揮、日フィルの「ガン付」を聽いた。ほんたうはサン=サーンスの交響曲第3番ハ短調 作品78《オルガン附》と云ふのだが、近頃は何でも省略するのでかう云ふと學生から聞いたのだ。

 最初の一曲目は、同じサン=サーンスの《絲杉と月桂樹》より〈月桂樹〉と云ふ短い曲も、オルガンが入ると俄然華やいだ感じになる。大平さんの演奏は昨年の修士卒業試驗に當たる學位審査會公開演奏會以來。昨年9月にお住まひのヴュルツブルクで一献交えて以來でもある。

 今回は二階中央最後列で聴いたので、真正面にオルガン奏者が見え、落ち着いて演奏してゐる様子がよくわかった。休憩後の「ガン付」には衣替へして力演。指揮者、井上がひとり張り切って、オケもよく鳴ってはゐるのだが、前日に戦車大隊の突撃のやうな怒涛の演奏を聴いたので、佛蘭西のエスプリとかではなく、日本人らしい淡白さにほっとする反面、ややもの足りなかった。

 樂屋に真ッ先に驅け附けて、勞をねぎらひ機山のスパークリングを手渡す。井上さんから色々學んだとの由。今後がますます樂しみである。

 

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2014年1月27日 (月)

戰車大隊

 テミルカーノフ指揮、サンクト・ペテルブルグ・フィルのマラ2を聽いた。我々にはムラヴィンスキイ指揮、レニングラード・フィルの名前の方が親しみがある。

 露西亞人のマーラーが一體どうなるのか、想像付かなかつたが、初ッ端から、重々しく泥臭い露西亞ぽさに溢れ、ジューコフの戰車大隊が突撃して來るやうな迫力な上、ロッケット砲・カチューシャの波状攻撃を受けたやうな衝撃的な演奏であつた。75歳の指揮者がどうして、これだけのものを引き出せるのか不思議。

 併し乍ら、最少音のpppがない代はりにfffffまである感じで、全て音が大きく、獨逸のオケに慣れた耳には洗練さは微塵も感じないが、壓倒的な力に平伏してしまつた。獨唱の森麻季と坂本 朱も、露西亞ぽい母音を強調した發音と間合ひでぴたりと嵌り、これにも吃驚。それでゐて、オケには全く気負ひと云ふものがなく、いつも通りに演奏してる餘裕すらあった。

 期待はしてなかつたので、久し振りに背中がゾクゾクするやうな感動を覺えた。

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2014年1月24日 (金)

アバド

 指揮者クラウディオ・アバドが亡くなった。かなり衝撃を受けました。昨年、ルツェルン音樂祭管との來日を心待ちにしてゐたが、病欠の報に一抹の不安を抱かされ、その後、特に報道もなく安堵してゐたからだ。

 1986年に渡獨して、現地のフィルハーモニー(ホール)で最初に伯林フィルを聽いたのがアバドであり、一番數多く聽いた筈だ。その伯林フィルとの來日公演では1994年のマーラーの9番、また、2000年の《トリスタンとイゾルデ》が決して忘れられない演奏であつた。その他、マーラーの2番もよかったが、實に悲しい。ひとつの時代の終はりを告げたと云へよう。

 ブルックナーの7番2樂章を聽いて、哀悼を捧げたい。

http://www.youtube.com/watch?v=x_IbwlSXHpQ

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2014年1月23日 (木)

バッハ

Bach 前々から行きたい、行きたいと思つてゐた、日本の珈琲文化のひとつの源流「バッハ」へ連れて行つて頂いた。

 お勸めに從つて、最初にバッハ・ブレンド。ごく當たり前のやうに、紙フィルターで一杯づつ丁寧に淹れてをり、慎ましやかでしっかりとした香りが立ち、バランスがよい味はひ。

 そして、二杯目もお勸めに從ひ「パナマ ドンパチ ゲイシャ ナチュラル」。決して、「巴奈馬芸者」の銃撃戰ではない。農園まで特定できる特別な豆。偶然にもゲイシャと云ふ品種ださうで、果皮を附けたまま自然乾燥させるので、ふくよかな果實の香りがして、しっかりとした酸味と相まつて、なんだか、ワインのやうな果實香と酸味のバランスが素敵。

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2014年1月22日 (水)

大正愛好會

 櫻鍋と葡萄酒の會には、先日のテレビのエキストラで一緒にした仲間も参加してくれた。それぞれ、建物に合はせて、粋な装ひ。許可を得てないので、冩眞なし。


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2014年1月21日 (火)

櫻鍋と葡萄酒の會

Nakae2 Beginnings主催、日本再發見プロジェクト「モノがたり」Vol.11では町歩きの後、吉原大門の中江で櫻鍋を食した。と云ふものの、自分は準備で先に現地入りする爲、町歩きはできず。音場を探り、疊座敷で一番響くには卓子の上に載せるとよいと分かり、下準備。ワインの抜栓など、準備はきちんとやらねばならない。

 この日、お聽かせしたのは、新年會と午年に掛けて、
 ストコフスキイ指揮、フィラデルフィア管の《越天樂》、 Nippon Victor RL21A (14142B)、1934年11月12日録音。
 リパッティ(洋琴)、ショパンの《華麗なる圓舞曲 變イ長調 作品34の第1》、Columbia LX1032B (CAX10027-2) 1947年9月24日録音。
 クライバー指揮、伯林フィル、スッペの《輕騎兵》序曲、Supraphon F22212 (018920, 018921) 、1933年1月28日録音。

 大正13年の建物故にか、昭和初期の世界へ一氣に移行した。

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2014年1月20日 (月)

正方形

 古家野雄紀さんからご案内を頂いた「スクエア・ダブル vol. 8」を觀に、千駄木の團子坂上に在るフリュウ・ギャラリーへ。鴎外の「觀潮樓(現記念館)」の少し先、マンションの一階だ。
 20人の若手作家が同じ正方形のサムホールサイズ(22.7㎝×22.7㎝)で2點づつ出品してゐる。矢鱈細かく氣合ひを入れてゐる作品、何となく流れで描いてゐるやうな印象を受ける繪、落差が激しく面白い。評價の定まつてゐない若手は無限の可能性を秘めてゐるだけに今後が樂しみなのだ。

 そんな中で古家野さんの作品「螺旋群像圖」のみに赤丸があつた。伊勢丹の時はプラスチックのケース附きであつたが、今回は規定に合はせて額なし。赤が多く、青も交じり、金枠で縁取られた人々が列をなして、螺旋状に歩いてゐる。もう一枚はそんな群集の一部を切り取り、側面から眺めた感じ。やや大きめの人物なのに、こちらだと躍動感に欠けるのが殘念。

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2014年1月17日 (金)

カフリンクス協會

 15日の晩は「日本カフリンクス協會」の例會。長袖シャツの腕先のカフスを留めるカフリンクス(カフス釦)を着用する人たちの集まり。今回は随筆家の中野香織さんから、ファッションに就いての小講義もあつた。單に異業種交流ではなく、きちんとした着こなしのできる人の集まりなので、實に愉快。ベスト・ドレッシャー賞は逃したが、次點でお土産を貰ふ。そろそろ、殿堂入させて頂かないと毎回賞品をいただいて申し譯ない。お洒落は積み重ねでもあるから。

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2014年1月16日 (木)

初め

 枝香庵の《はじめ展》にも顔を出した。畫廊縁の作家たちの小品がずらりと並ぶ。見たことのある作家も多いのは足繁く通ったお蔭か?冬の日差しは温かく、陰ると途端に冷えるが屋上庭園はいつ來ても氣持ちいい。

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2014年1月15日 (水)

兆し

 銀座一丁目の中央通り、真ッ白なポーラ化粧品ビルの3階に在るポーラ美術館別館(ポーラ・ミュージアム・アネックス)へも足を伸ばした。本館は熱海に在ると云ふ。
 此処では《KIZASHI 友禪の斬新、漆藝の大膽》と題し、若手友禪染作家と漆藝作家の二人展である。

 石井 亨が傳統儀法に則り染め上げた色鮮やかな友禪染めの布地は、富士山や都市の風景ではあるが、よく見ると現代社會を描いてゐる。本型電算機(ノートパソコン)の鎧を纏つた企業戰士、象徴的な「ファストフードの瀧」など現代の問題點をも抉る内容になつてゐる。山口晃に影響を受けてゐるのかも知れない。

 現代ポップアートのやうな岩田俊彦の漆繪は古典的日本の意匠(デザイン)的であるが、現代的な風が入り、髑髏がゐたり、蛇や蝙蝠とも共存してゐる不思議なもの。

 それぞれ、傳統技法を踏襲してゐるものの、輕く垣根を跳び越え、垢抜けて先を走ってゐる。一體、今までの作家は何をして來たのかと唖然とする位、簡單に枠を飛び超え、傳統と現代を融合し、新しいものにしてゐるのだ。實に愉快であつた。

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2014年1月14日 (火)

梅薫る

 先週のこと、南青山のギャラリー・ショアウッドに《蚕雅展》を觀に出掛けた。日本畫の二人展で、中澤 梓の舞子はん、寶居 智子さんの花蝶畫がそれぞれ、ほんわかした雰圍氣でゐて、若々しさがある。よくよく觀ると舞子はんの簪が着物の柄に比べると細かく描かれず大雑把な感じなのが惜しい。寶居さんもカザフスタンに住んでゐて、よくぞこんなに描いたと思ふ程、紅白梅に蝶々だとか、過去の大きな出品作も並ぶが力作が多い。春は其処まで來てゐる感じだ。

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2014年1月10日 (金)

櫻鍋

 來たる平成26(2014)年1月19日(日)17時より、吉原大門、土手の「櫻鍋中江」で《櫻鍋と葡萄酒の會》を開く。まだ、二階大廣間は埋め尽くす程人は集まつてをらず、ご興味ある方は連絡を呉れたし。

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2014年1月 9日 (木)

70人

 5日迄、伊勢丹新宿店の7階、催事場では「アートのチカラ」と題し、新春を言祝ぐ若手アーティストのWAがあつた。70餘名の20代、30代の畫家の作品ばかりを集めた、とても意欲的な展覧會であつた。入口には色紙大の正方形の同じ寸法で描かれた作品がずらりと並び、個性の違ひが立ち所にわかるやうになつてゐて、とても親切。そして、奧へ進むと各作家の作品がそれぞれ並べられてゐるのだ。

 この中で、まだ藝大二年生と云ふ古家野雄紀さんの作品に吸い寄せられるやうにして見入つてしまつた。群集が渦巻きを描いてゐるものと、獅子舞なのだが、明るい人物を盛り上がった金色で縁取りしてあるのが、華やかでゐてとても新鮮。何だか、わくわくして來るだけでなく、ホッとさせるものがある。金の縁取りが少し、キーヤンの雰圍氣に似てるのかも知れない。

 同じ日本畫でも關谷 理の作品は細密なアルプスは「アイガー」であつたり、「富士」であつたり、根ッから山好きな山男なのではないかと思はせる強い力を感じた。山に對する畏敬や憧れすら畫面から感じられる。

 そして、もう一人、みやじまゆういちの作品は、絹谷幸二のやうな色使ひ乍らも、もっとポップで平面的な意匠に拘りがある。「猫の額」と題した作品は一瞬單なる風景畫なのだが、よくよく見るとその景色は猫の額の上であつたり、ぬいぐるみが耳にイヤホンをした「睡眠學習」など、見てるとふと微笑みが溢れる。

 他にも意欲的な作品が多かったが、力みすぎて疲れるもの、技巧に走るもの、その色々さが樂しい展覧會であつた。

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2014年1月 8日 (水)

日本の技

 新宿伊勢丹本館5階の食器賣場では、古伊万里のやうな特別展示の他、「凜を感じるにほんの技展」と題し、筆繪、染色、布織&紙折、日本刺繍、古代装身具、そして漆器の作家が並び、箱瀬淳一さんの作品が數も多く目を惹いた。ご本人の來る前であつた爲、先に夕飯の買ひ物をしてから戻ると、元氣に姿で歡迎してくれた。懐が寂しいので今回は何も買へなかつたのだが。

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2014年1月 7日 (火)

三人展

 正月早々から伊勢丹が面白い。知人たちの別々の展示が同じ階であった。「華やぎの色 繪畫三人展」は、1984年の同じ年+生まれの組展示。中原亞里沙の美人畫、贔屓の寶居智子さんの花と蝶に少女像、そして油彩の藤井誠のは透明感のある質感の池と富士山。それぞれ個性の光、新春らしい華やいだ作品ばかり。
 寶居さんの作品は銀座三越では小さい作品ばかりが、此処では大きな作品ばかりが賣却濟の赤札が附いてゐた。どれもよい作品ばかりであつた。午後から作家本人もいらっしゃるとのことであつたが、晝食を兼ねて新年會の豫定があり、早々に退散したところ、上階でばったりと遇ふことが叶った。着物姿も美しく、繪から抜け出たやうで艶やかであつた。

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2014年1月 6日 (月)

聽き初め

 明けましておめでたうございます。本日より通常營業です。
年初めに學生さんを招いて、蓄音機でワルターのマラー9番。家族も出かけてゐるので、大きな音で掛けられた。すると、1938年1月16日の維納、樂友協會の大ホールにゐるやうな臨場感が出現。實況録音の言はれを知ると悲し過ぎるのだが、色々と考へさせられる素晴らしい演奏。よい一年となりますやうに。

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