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2014年3月31日 (月)

追ひコン

 連休最終日は學生の「追ひコン」に招かれ、宴會だけ參加した。それに伴ひ演奏會もあつたが、犬の散歩で出られず、万全の態勢で宴會へ行くと、長らく就活で顔を見せなかった卒業生も大勢ゐて懐かしかった。
 狭い會場で管と弦に別れ、トラムペットはもうひとりOGが來た爲座席が足りず、とロムボーンに迎へ入れられ、一緒に鍋をつつく。安い會費なので、えっこれだけ?と思ふ食べ物しか口に入らず、ビールも足りず、學生と共に莫迦話をし、獨逸の思ひ出や、卒業生が新入生の頃の話などに大笑ひ。すっかり若返つた氣分で歸宅した。二日酔いにならず助かった。

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2014年3月28日 (金)

獨逸男子會

 連休初日の晩、第二回 獨逸男子會を陳家私菜 渋谷店で開いた。二年前に一緒に獨逸へ行ったAGOの學生たちと、新たに加はつた一年男子。主に卒業を控へた四年生との思ひ出話ばかりになつたが、よく一緒に旅行に行けたと思ふし、この四年間によくぞここまで成長したものだとも感心した。

 從業員が皆中國人で中國語が飛び交ひ、春の割引料理に更に加へて、團體割引が利き、幹事さん無料、燒小龍包、北京ダックも追加され、飲み放題プラン故に、大賑はひとなつた。一年生は未成年なので、氣の毒だがコーラだの烏龍茶やジュースで我慢して貰つたが、珍しい前菜や北京ダックには大はしゃぎしてゐた。
 唐辛子の薬味だけを皮で包んで、遅れて來た奴にそっと渡して、反應を見るやうな惡い遊びもしてゐたが、皆樂しんでくれて、とてもよかった。

 歸へり際に新四年生のチューバの子にバック社のC管ピストン・トラムペットを、新二年生の喇叭の子にヤマハのB♭管ロータリー・トラムペットを譲り、今後も吹いて貰へることとなったのも嬉しい。長いこと吹いてゐないので、鳴りが惡いが、練習する内にいい音が戻るであらう。特にロータリー獨特な音色は失はれてゐないのが確認できた。今後が樂しみだ。

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2014年3月27日 (木)

歌曲の夕べ

Kioi 毎年、欠かさず聽き續けてゐる「藤村實穂子 リーダーアーベント」も、今年で4回目となる。會場はいつもの紀尾井ホールだが、今回はS席が取れずA席二階左横、舞臺上。袖からの入りが見えない席だが、距離感が違ひ、ぐっと近い。

 今回はリヒャルト・シュトラウスとマーラーの《子供の魔法の笛》より數曲と後期浪漫派に絞つてゐて、時代の空氣なのか、作風もどこか似たところがある。マーラーの第7曲〈原初の光〉は、交響曲第2番の第四樂章にそっくり取り入れられ管絃樂伴奏となつてゐる爲、獨奏樂器が洋琴伴奏ではどうなるのか、よくわかった。そして、〈この世の生活〉と〈魚に説教するパドゥアの聖アントニウス〉も何某か2番に使はれてゐる。普段何氣に聞いてゐる交響曲の原型を垣間見られたのがとてもよかった。
 廣瀬大介さんがプログラムの中で、藤村さんを「求道者」と読んでゐる通り、毎回工夫が凝らされた選曲や演出には舌を巻く。今回の伴奏もヴォルフラム・リーガーで、丁寧な彈き分けがまた、曲を盛り上げてくれた。

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2014年3月26日 (水)

コレド室町3

 離日前の寶居さんに會ひに、新しくできたコレド室町3の「ちばぎんひまわりギャラリー」へ。「寶居智子展 -日本と中央アジアを結ぶ新しい日本畫-」の廣い會場のために、この数箇月、徹夜で描き續けたと云う。

 無印良品の4階の片隅なのだが、一歩入ると明るく、寶居さんらしい作品ばかり。花と蝶々だけでなく、今回は日本とカザフスタンを主題にしてゐるため、向日葵畑や民族衣装の可愛らしい子供たちの作品が並んでゐた。

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2014年3月25日 (火)

飛沫

 枝香庵で「古賀勇人 寫眞展」を觀た。大きく打ち寄せる波の中に這入り込んで、その水飛沫(しぶき)の一瞬を捉へた作品群は偶然の一瞬の筈なのに、決まった構圖のやうにも見えるので吃驚。時には波に足を取られて苦勞どころか、命懸けの撮影だと云ふ。北斎の「神奈川沖波裏」のやうな波の泡でもあり、北斎にはそれが見えてゐたのかも知れない。
 空まで寫り込んでゐる作品はクールベの油繪「波」のやうでもあり、飛沫模様が日本畫のやうでもある不思議な世界。壁を覆ふ程大きく引き延ばした作品は、焦点が合ひ、ぶれずに迫力が出て、ほんたうに波打ち際にゐるやうな錯覚に陥り、息苦しくもなる。
 そして、左右対称、或ひはそれをまた天地對稍にした都會の寫眞は宇宙船の中であつたり、別の近未来の世界に見えて來る。やってることは單純な筈なのに、元の寫眞が違ふのであらう、切り取り方が違ふのであらう、迫力と云ひ説得力と云ひ、ぐいと迫ってくるのだ。偉いこと撮影する人が現れたものである。

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2014年3月24日 (月)

ersterbend

 インバル&都響のマーラー・ツィクルス最終章、交響曲第9番をみなとみらいで聽いた。前回の8番が壓倒的規模の音の渦にどっぷりと浸かり、久し振りの感動を味はつたので、期待はしてゐなかつた。
 極めて中庸を保つたテムポで遅すぎず、じっくりと聽かせてくれる。第三樂章ロンド・ブルレスケは崩壊寸前まで煽り、恐ろしく速いがその分、第四樂章のアダージョが活きてくる。特に弦樂器は歌はせ、歌はせ、これでもかと盛り上げるのが素晴らしい。何度もうなる聲が聞こえて來るが、嫌味がない。そして、「死に絶えるやうに(ersterbend)」と云ふ最終小節後、指揮棒は直ぐに下されず、無音の餘韻をたっぷりの殘してから、息を吹き返したやうに、割れんばかりの拍手に應へてゐた。誰一人として飛び出して拍手をする者もないのも素晴らしかった。この數十年で聽衆の質も向上したのであらう。何度聽いてもよい曲だ。

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2014年3月20日 (木)

豪州・新西蘭のワイン

 小さな輸入元5社の試飲會が新橋の伊太飯屋であつた。小粒で光るワインが多く、ロックフォード 2008 ローカルグ・ローワーズ「セミヨン」、リリアン 2010 「マルサンヌ・ルーサンヌ」が面白い個性を放つてゐた。新しいワインではない所爲か、熟成により風味が増し、自分の中にある品種の印象を見事に覆す程であり、特に後者は熟した柑橘系果物の香りがあり、重心は低く、まろやかさが秀でてゐたので、これならすき燒に負けないかも知れない。

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2014年3月19日 (水)

十四代

Imaemon ご案内状を頂き、和光へ「十四代今泉今右衛門展」を觀に行った。びっしり柄に覆はれた從來の器よりも、新作は無駄を廢し、新しい濃緑が加はり、何だか一皮剥けたやうな斬新さが現れた。
 今回は社長から350萬圓を300萬圓に負けるから買はないかと云ふ半分冗談な營業もなくてほっとした。と云ふよりも、多くの作品に既に賣却濟みの赤札が附いてをり、その人氣も程が知れる。買へる身分になりたいもの。
 記念にいただいたお布巾は紫染めの白抜き菊花模樣で新作だと云ふ。とても嬉しい。


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2014年3月18日 (火)

一千人

Mmhall インバル指揮、都響によるマーラーの交響曲第8番《一千人の交響曲》をみなとみらいホールで聽いた。これは初演の際に、オケの他、獨唱、合唱、兒童合唱それに特殊樂器やバンタ(觀客席側乃至舞臺袖で演奏する)などを含めて、實際に1,030人の出演者となり、興行主の宣傳通りとなつたものである。

 それだけ出演者が多いと東京で聽かうにも、否、世界でも毎年聽けるものではないので、可能な限り足を運ぶやうにしてゐる。マーラー自身が「宇宙が鳴り出すと思ってください」と出だしを表現したやうに、オルガンの強奏から始まり、派手なのである。歌詞はラテン語と後半はゲーテの《ファウスト》科白から取られてゐる獨逸語だが、幾度も聽いてゐるうちに何語だらうとどうでもよくなつた。

 初めて耳にしたのは早稲田の創立百周年の折、高校からワセオケに入部した友達に切符を貰つて行った1982年のことだから、勉強不足が祟って壓倒的な印象だけであつた。その後、ショルティ指揮、シカゴ響のLPで聽き込んで、1987年の東伯林のシャウシュピールハウスで伯林市制750周年記念の折であつた。そして、歸國してからは確かインバル指揮の都響で過去に一度あつた程度と、非常に聽く機會の少ない大曲である。

 今回はテムポもぐいぐいと引ッ張る疾風樣式で獨唱等を疲れさせずに歌はせ、非常に次元の高い、背中が幾度となくぞくぞくする素晴らしい演奏であつた。一度、バリトンが出だしを數小節間違へた時はひやりとさせられた他、ソプラノの聲が聽き取り辛い程度で、非常に滿足度の高い、忘れ得ぬ演奏會となつた。

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2014年3月17日 (月)

卒オケ

Generalprobe 我々學生の時は4年の秋定まで乘り、12月のヘンデル《メサイア》で卒業する形式であつたが、最近は3年の秋定で終はり、卒業式前に4年生中心に卒業オケなるものを急拵へで演奏するのが一般的なやうだ。

 今回はベートーヴェンの《運命》とチャイコフスキイの5番。誰にでも親しまれてる名曲を先輩指揮者にお願ひしてゐた。午後の本番には横濱で別オケの切符を既に手配してゐたので、ゲネプロ(舞臺)だけ聽く。樂章毎に通して、問題箇所、氣になる箇所を指摘、修正して完全な形に仕上げるので、久し振りに經過樂しめた。
 最後だと云ふこともあり、それぞれに氣合ひが入り、舞臺練習と思へない程の氣迫を感じたが、若々しい、學生の青春の息吹を感じた。

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2014年3月14日 (金)

富士山

 知人が主催者のひとりとして関はつてゐる「アート・ランダム作品展」が東京銀座畫廊であつた。山梨縣内で活躍する作家を纏める特定日營利活動法人 藝術文化振興センターの主催で、書家、版畫家、墨繪家、洋畫家だけでなく、造形まで含め、多才な顔ぶれであり、既に今回で五回目である。

 毎回顔を出すので、知った顔も増え、會期中に觀客の面前で太筆で揮毫作品を仕上げる企劃や體驗型講座(ワークショップ)、茶會なども開かれてゐた。富士山が世界遺産に登録されたことを祝し、地元らしい富士山を主題にした作品が多く、それぞれに工夫された描き方が面白かった。簡單な作家紹介の冊子を頂いたが、主催者の苦勞が忍ばれる。間に合はずに空欄となつた作家、經歴はあつても出品作品の畫像がないもの。自分たちが圖録を仕上げた時を思ひ出してしまつた。

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2014年3月13日 (木)

新装開店

Yabaton1Yabaton2 知人の銀座店が2丁目の昭和通りの角に移轉し、その矢場とん 新東京銀座店お披露目内覧會にお招き頂いた。

 元は燒肉屋であつたところを上手に改装され、地下1階は元の店のほほ同じテーブル配置で團體向け、一階部分は一人でも這入れるやうに大卓子で食べられ、二階は間仕切りで分けられるので家族向けと云ふ感じ。その上、店内には式年遷宮で切り出された切り株やご神木も飾られ、行くだけでパワーを貰へさうなところが凄い。

 母の在所の八丁味噌に昔から親しんだ故、味噌カツは大好き故、是非、家族を連れて来よう。益々のご繁昌を祈念す。

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2014年3月12日 (水)

雲の上

2014030512320000 國内の移動はマイレージを貯めるべく、可能な限り飛行機を使ふが、伊丹からの歸へり、富士山がくっきり見えた。


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2014年3月11日 (火)

鴨川縁

Moritaya2 「すきや連」も第17回目を迎へ、二度目の京都。モリタ屋 木屋町店は入口がぐっと狭く、石疊のずっと奧の玄関を潜り、中へ這入ると、また、くねくねと曲がる廊下の先に、鴨川を見渡す廣間に出た。
 まづ、京野菜の話を伺ひ、関西風、否、京都のすき燒を頂く。前菜、お椀の後に、直ぐすき燒である。近江牛はやや厚めのロースがひとり二枚。120グラムくらいか。

Moritaya1Moritaya3_2 関西なので最初に牛脂を溶かした後、いきなりザラメ糖を振って、やおら牛肉を載せて燒き始め、それから醤油と味醂の一緒になったタレを掛けて、大胆に肉の旨味を堪能する。ザラメ糖の香ばしさがいい。
 そして、後は野菜と一緒に食べるのだが、これが全くの別物。優しい味はひになる。〆に饂飩。燒き饂飩のやうで、煮込むものでなく、殘つた玉子に附けて食べるのが新鮮。
 その上、ご飯も附くので通過して、お新香と赤出汁だけ頂き、最後の果物へ辿り着いても、胸燒や胃もたれがしない。それが心地よい。勉強になつた。

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2014年3月10日 (月)

スタジオ

Kiyan 山梨から戻り、翌日は京都へ。
 祇園のスタジオにキーヤンをご縁を頂いた方とお訪ねして、表敬訪問となつた。さすが、ロック魂の宿る壁繪家である!

 ご自身が手掛けられた過去の企劃、協議會で優勝すると批評家が取り上げてやっと賣れる日本の繪の仕組みはおかしい、音樂なら認められれば何千にと聽くのに、偉い違ひだと。そして、気持惡いく避けて來たものこそが新しいと勘違ひしてゐる若い作家に對する苦言など、齒に衣を着せぬ意見に大いに盛り上がつた。

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2014年3月 7日 (金)

モツ煮

Motuni 山梨はほうたうが有名だけれど、味噌汁に崩れた南瓜が入り、太い饂飩が店により差が大きく難しいので、蕎麦にした。鹽山驛に程近い奧藤第十分店。折角なので、B級グルメ大賞を取つた「モツ煮」も一緒に。

 こってりと甘辛く、みたらし團子のやうな濃厚なタレに絡まったモツとハツが美味い。ビールが進む味はひ。かう云ふのは地元ならではであらう。


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2014年3月 6日 (木)

長梢の誘引

Kizan2 前の晩に鹽山温泉の宿でしこたまワインを飲んだのに、午前中からご夫婦ふたりだけで切り盛りする機山ワインで試飲をして、マール、ブランデーまで頂いた。スパークリング、白ワイン、ブランデーと食前酒、食中酒、食後酒と全て甲州でできるのが凄い!今回は珍しく、藏の説明や在庫本數の話があり、發泡酒の瓶詰め工程などもじっくり見ることができた。

 こちらの畑は既に雪もなく、長梢の誘引を待つメルロー。

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2014年3月 5日 (水)

雪の葡萄畑

Rubaiyat 續いて午後訪ねたルバイヤートの舊屋敷畑は畦道が雪に埋もれ、足跡通りに歩くのだが、靴に雪が入り冷たい。こちらは剪定は終はつてゐた。試飲の際の社長のお喋りが樂しい。


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2014年3月 4日 (火)

剪定前

Mercian2 メルシャンの祝田ヴィンヤードでは、まだ剪定されてゐない。來週、お客樣の希望者にして貰ふと云ふ。日陰には雪が大量に殘り、資料館の屋根の瓦が割れたり、雪害が彼方此方で見られる。


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2014年3月 3日 (月)

オーク樽

Mercian1 日本再發見プロジェクト「モノがたり」Vol.12で久し振りに訪れたシャトー・メルシャンは改装されて、すっかり綺麗になると同時に、衛生面から醸造設備内の見學ができなくなつた。その代はり、樽貯蔵庫だけは見せてくれる。それが、まるで外國の醸造所のやうに美しい。


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雛人形

 HinaHina1 すき燒 今朝では、本日迄、雛人形を飾つてゐます。母が誕生した時に貰つたものは、段飾りの御殿まであつたさうです。そして、磁器は母が繪附けをして燒いたもの。なかなか、評判です。


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