2014年8月29日 (金)

真夏の美の夢

 古家野雄紀さんからご案内を頂き、九段耀畫廊で「真夏の美の夢」展を觀る。主に藝大生や院生の日本畫作品が並ぶ中、色使ひの所爲なのか、古家野さんの黒地に螺旋群像圖と正方形の青地に龍の繪が目を惹く。その他、傳統技法を驅使し乍らも、自らの畫風を成立されてゐる人、自信はあらうが今ひとつ訴へて來ない人など、樣々な作品の可能性を信じつつも、今後彼等が生き殘るのは至難の業だ。

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2014年8月26日 (火)

壁畫

Wagyu2_640x480 キーヤンの和牛と葡萄の壁畫は、13頭の黒毛和牛に20房の葡萄が重なり、33と云ふお釈迦樣が變化された吉祥數ださうです。然も、よい方角を向いてをります。
 階段途中の一際大きな牛は母牛で、肉にされることなく、年に一度子供を産むために育てられてゐる牛なのです。


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2014年6月17日 (火)

墨垂らし

 先週、柴田悦子畫廊に「森田晴樹展」を觀た。ご縁がなく手にすることはなかつたが、濃い墨を背景にぼんやり花にだけ光の焦點が當てられたやうな獨特な形式が美しい。墨と金しか使つてゐないのではないか。今回はそれに螢も飛んでゐたのが如何にも清々しい初夏を思はせる。また、どんと真ん真ん中に花が來る從來の作風ばかりか、背景の黒部分が多く、左右に花を配置した作品もあつた。これは初めてである。
 ご年配の作家さんだと聞き及んでゐるが、常に進歩してゐるのだ。自分も見習はねばなるまいて。

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2014年6月13日 (金)

銅版畫

 椿ギャラリーに行く爲に京橋で降りたが、凄い變はりやうで驚いた。奧の小さい方の場所で、「武田史子展」を觀た。新作なのであらう、1/30など、第一刷ばかりが並ぶ。濃淡のくっきりとした植物の靜物畫が多いが、細かい線が丁寧で、僅かに色が入り、靜謐感が抜きに出た美しさ。暫く見入つてしまつた。

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2014年6月 5日 (木)

若手が復興支援

 銀座の屋上庭園枝香庵でのART TO HEART VOL.5 -東日本大震災チャリティー企畫-を觀る。かなりお手頃價格からそれなりの作品まで色々あつた。葉書や扇子に、似顔繪をその場で描くなんて云ふのもあり、面白い。

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2014年6月 4日 (水)

デジタルアート

 デジタルクリエーター23人展へ行った。末廣町に在る千代田區の廢校を利用した美術展示場、3331 Arts Chiyodaと云ふ建物の地下。昔は教室であつたことが直ぐに判るやうな施設だが、其処に若手23人のデジタルアート作品が並ぶ。

 鉛筆で精密な原畫を描いてから、それをスキャナーで讀み込み、コムピューター上の畫面で色附けをして行くのだと云ふ。水彩調のものであつたり、漫畫や劇畫のやうな感じであつたり、それぞれの個性が出てゐて面白い。過去2年位見てゐる人は垢抜けてゐたり、進歩が垣間見られて樂しかつた。

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2014年5月28日 (水)

蓄音機を掛ける

10321507_670636026350272_4344311441 昨年に續いてお寺さんで蓄音機を掛ける。こちらの反響版が秀逸なのだが、これだけでは足りず、左右に木の衝立を置くことで解決した。アクースティックはかう云ふ微妙なところが面白い。
 希望によりジャズを掛けたが、こちらは専門ではないので難しかった。 


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2014年5月22日 (木)

浮世繪

2_1 國政さんが返名してしまひ、本名に戻っての展覧會石川真澄展覧會「深世界奇譚」を觀るのに、新宿ビームス内6階のBギャラリーへ。

 肉筆現代浮世絵師ならではの風刺と深層心理を露はにした、おどろおどろしくも、ユニークな作品が並ぶ。髪が蛇の見たら石になると云はれるメドゥーサが和装であつたり、性器そのままの妖怪であつたり、ムムッこれはと驚く作品が面白い。最近かう云ふエログロを題材とするのを見掛けないだけに樂しい。

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2014年5月21日 (水)

桂月

1_1 没後50年記念 松林桂月展を觀に練馬區立美術館へ。自宅から一本で來られる割に、靜かで人がゐなくて、とても見易い。

 今流行りの厚塗りの日本畫と違ひ、南畫の流れを汲む山水畫や墨の濃淡を究めた水墨畫の大きな作品が並ぶ。
透明感のある色彩に奥行きを感じ、せせらぎの音を聞き、風を見ることができた。積極的に紹介してくれたM先生に感謝しないといけない。

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2014年5月14日 (水)

一軒家

Ikken 連休中日であつたが、「山本冬彦コレクション展」を觀に、一軒家の「ギャラリー やさしい予感」へ行った。アートソムリエが自分の感覚で選び、購入した人物画を中心に展示してある。幾人か知った作家の名前もあった。

 二階の奥は「しつらへ」と題した和モダンの掛軸ばかり。現代作家な作品を掛軸にして、氣樂に飾らうと云ふ志向。
よく見たら表導会の兄弟子に當たる、澁谷の掛け軸屋さんの仕立てであった。道理で馴染みのある仕立てだと思った。次回はモダンなものに挑戰しようと思ってゐた矢先、作品に合はせた裂がなかなか素敵で、かう云ふ風に仕上げるのかと、とても勉強になった。

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