初共演
表装の師匠が木目込み人形を作る方と初共演(コラボレーション)の展覧會を開いた。現代的な作品が多く、床の間ではなく、柱や白壁に吊したくなる掛軸や屏風。五厘幅の細い筋が多樣され、苦勞が偲ばれるが、これは携はつたからこそ、理解できるやうになつた。さうでないと、單に細い線があるとしか思はれないだらう。
また、人形は顔だけ真多呂人形で胴體は自分で工夫して形を變へてから、布地を貼り完成させると云ふ。然も着物の柄も描くと半年位は掛かる氣の長い作業の連續だ。素晴らしい人形なのに比べるとこちらの屏風は、きっと推奨されたものを唯置いたのであらう、殘念乍ら安ッぽくて見劣りした。折角なら、そこで表装の技と一緒にして、飾る作品があれば、もっと共演の意味合ひが深まつたことであらう。勿體なかつた。
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