佛蘭西通り
ほんとに東側には決まった道以外、殆ど歩いたことがなかつた。フリードリヒ通りを南北に走る地下鐵に乘って、佛蘭西(フランス)通り驛へ降りた。この最終日だけ、何故か氣温もぐっと下がり雨。目の前にはギャラリー・ラファイエットと云ふ佛蘭西系百貨店。何とも粋な計らいである。
中は、整然として見易い獨逸の百貨店と違ひ、案の定、意匠重視の見辛い店舗配置も佛蘭西らしい。それでも、舊東側に在るだけでも凄いと思つてしまふ。その後、ウンター・デン・リンデンに出ようと思つて、南北逆に歩いたら、今度は昔の東西唯一の窓口、チェック・ポイント・チャーリーに出くわした。
銃撃戰があり、スパイ交換があり、車の中に隠れたり、西側に脱出するのに樣々に工夫され、亡くなった方も多い場所である。それが、唯の觀光名所で、その爲の寫眞用に役者が露西亞兵と亞米利加兵の格好をしてゐなければ、此処がそこだとも氣附かないであらう。もう統一から20年以上經つてゐるのだから、當たり前なのだが、何だか今回訪ねて、初めて統一感を新たにしたと云ふか、追憶も終えられた。
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