2013年10月18日 (金)

佛蘭西通り

FranzCharlie ほんとに東側には決まった道以外、殆ど歩いたことがなかつた。フリードリヒ通りを南北に走る地下鐵に乘って、佛蘭西(フランス)通り驛へ降りた。この最終日だけ、何故か氣温もぐっと下がり雨。目の前にはギャラリー・ラファイエットと云ふ佛蘭西系百貨店。何とも粋な計らいである。

 中は、整然として見易い獨逸の百貨店と違ひ、案の定、意匠重視の見辛い店舗配置も佛蘭西らしい。それでも、舊東側に在るだけでも凄いと思つてしまふ。その後、ウンター・デン・リンデンに出ようと思つて、南北逆に歩いたら、今度は昔の東西唯一の窓口、チェック・ポイント・チャーリーに出くわした。
 銃撃戰があり、スパイ交換があり、車の中に隠れたり、西側に脱出するのに樣々に工夫され、亡くなった方も多い場所である。それが、唯の觀光名所で、その爲の寫眞用に役者が露西亞兵と亞米利加兵の格好をしてゐなければ、此処がそこだとも氣附かないであらう。もう統一から20年以上經つてゐるのだから、當たり前なのだが、何だか今回訪ねて、初めて統一感を新たにしたと云ふか、追憶も終えられた。

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2013年10月17日 (木)

中央驛

HbfBerlinhbf 東西冷戰の頃は伯林に中央驛はなくて、西側は動物園驛を主とし、東側は東驛を主として使つてゐた。「ツォーローギッシャーガルテン(Zoologischer Garten)」を約めて「ツォー(Zoo)」と呼んでゐたが、公衆便所の臭ひが漂ひ、立ちんぼがゐて、麻藥の賣買もあり、東から特赦でやって來たおばあさんたちがバナナを大量に買ひ込んで家族との別れを惜しむ、一種獨特な雰圍氣であつた。今ではごく普通の驛に成り下がってしまひ、變に健康的で明るい驛となつて、觀光客が溢れてゐる。

 さて、2006年の蹴球、世界杯獨逸大會に合はせて、運河脇のレアーター驛を改築して、硝子張りの「伯林中央驛舎」が完成した。建設途中は見たことはあつたが、今回初めて利用した。

 地下2階には地下鐵、地下1階には近距離列車、地上階は中央移動路となり、地上2階に市電、地上3階に長距離列車と云ふ立派な現代建築である。獨逸の首都たる顔だから仕方ないにしても、或る意味詰まらない。最近、評判を落としてゐるDB(獨逸鐵道)の案内係には長蛇の列、切符は全自動の機械だけ。面白味に欠ける驛となつた。

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2013年10月16日 (水)

信號男

Ampelmann 伯林の舊東側の歩行者用信號は可愛いらしい男の子の進めと、女の子の停まれであつた。東西統一で順繰りに撤去されてしまひ、それが惜しまれて、アムペルマン・グッズとして商品化されて流行つた。今では日本にも出店して簡單に買へるやうになつた。
 其の爲、昔の信號の意匠に戻された。但し、きっと燈火は最新式なのであらう。
 舊西側にも廣がりつつあるので、歩いてゐて、どちらにゐるのか、分からなくなる。


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2013年10月15日 (火)

アレクサンダー廣場

Alex 舊東側では、テレビ塔の在るアレクサンダー・プラッツ迄しか來なかつた。統一後は隣驛に再開發されたハッケシャー・マルクトなど、目新しい買物処もできたし、此処の百貨店も西側のカウフホフに變はつてゐた。
 寒々しい空と世界時計が虚しく感じたものだが、今も變はらず在るとほッとする反面、歴史遺産にも思へて來る。25年も前のことだから。


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2013年10月11日 (金)

ザウアーブラーテン

Sauerbraten 伯林にゐれば、久し振りに會ひたい友人ばかりで困る。ポツダム廣場のソニーセンター内のワインバー、ルター&ヴェグナーでワイン談義をし乍らの晝食。と云ふかワインの説明を山ほどした。シュペートブルグンダーに合はせたのは、ザウアーブラーテンと云ふ古典的獨逸料理。酢漬け牛肉を煮込んだもので、とても美味。


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2013年10月10日 (木)

驛中

Ekinaka 伯林市内で最も好きな地下鐵驛ヴィッテンベルク・プラッツの構内には、亞細亞料理の立ち食ひ処ができてゐた。鴨肉のロースト入り焼きそばが千圓程度。安い上に量があるので、庶民の味方。他の街ならきっと食べないであらうが、此処なら安心。椅子もあつた。


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2013年10月 9日 (水)

アプフェルシュトゥルーデル

Apfelstrudel 西伯林で最も有名なカフェ・クランツラーは赤白の庇(ヒサシ)に四角い建物に丸いテラスが目立つ。でも、ずっと這入ることもなかつたが、この度、友人との待ち合はせで初めて利用した。朝食をたっぷり摂ったので、晝食代はりのアプフェルシュトゥルーデル(林檎の薄皮パイ)。林檎の他に木の實が入り、シナモンが効かせてあつて、ヴァニラ・アイス添へ。昔ならこれにザーネ(ホイップクリーム)も添へたであらうが、今はそこまで要らない。日差しの強い午後、珈琲と共に食べて語らふ貴重な時間となつた。


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2013年10月 8日 (火)

希臘料理

RoseMixgrill 獨逸へ來たら、必ず行くのが希臘料理。茄子と挽肉のムサカ、羊肉の串焼きなどが美味。前回の2008年は圓安の爲、家族4人で百ユーロ食べて、17,000圓にもなつてしまつたが、今回は2人で50ユーロと殆ど一人當たりのユーロは同じなのに、円高で得をした氣分。ザヴィーニー・プラッツに在るパトリオを再訪。道路にはみ出したテラス席が氣持ちいい。

 ワインツアー以來、ずっと飲み續けてゐるが、美味しいので疲れない。久し振りに輕いロゼ、前菜にサラダ、そして主菜にミックス・グリル。量が多いので二人で分けて丁度。畫像は既に分けた状態。羊ミンチ肉の串焼、豚肉、牛肉。火の通りも抜群で、デザートも要らない。サービスに火酒をくれた。これは消化剤代はりなので、有り難く頂戴した。

 こちらが獨逸語が分かると、途端に店員が一所懸命、日本語で何と云ふのか訊いて來る。仕事熱心大いに結構。堅い獨逸人に囲まれてゐると、南歐系の人はおおらかでよい。

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2013年10月 4日 (金)

伯林フィル

1233430_615221425188871_1858797700_969839_615194631858217_1422006340_n 伯林に何しに來たと問はれれば、今回は伯林フィルを聽きに來たと答へるところだ。フィラモニー(ホール)での生演奏は以前、ベルランのお客さんを引き連れて來て以來、10年振りくらいであらうか。而も、藤村實穂子さんも出演するのである。但し、ラトルの指揮で、ヴィトルト・ルトスワフスキの交響曲第2番、グスタフ・マーラー:《さすらう若人の歌》、それに主曲がレオシュ・ヤナーチェク《グラゴル・ミサ》と云ふ近現代曲。マーラー以外は知らないので、ユーチューブで豫習はしたものの果たして、旅疲れで寝入りやしないか心配であつた。我らのコンマス、樫本大進はトップ・サイドで彈くやうだ。

 さて、本番が始まるや、何が飛び出して來るやら分からない面白さがあり、喰ひ入るやうに觀て、聽き惚れてしまつた。自分がかつてアバドで親しんだ音響はラトルからは全く感じられず、同じオケとも思へないのは以前感じたが、クリスティアン・ゲルハーヘル(バリトン)の歌ふマーラーが何だかLPレコードのやうな音に聽こえるから不思議。S席中央のやや後ろ下手の席で、どうも、葡萄畑のやうな獨特な會場の反響の所爲なのかも知れない。だからなのか、舞臺も遠いし、自分が其処にゐて聽いてる氣がしない。妙な氣分であつた上に、藤村さんの活躍所の少ない曲にも、何か拍子抜けした感じがした。
 曲作りは氣に入らないものの、此処で伯林フィルを聽けたことだけでも感謝しよう。今ではこの實況演奏がパソコンで聽けるのだから便利になつたものだ。

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2013年10月 3日 (木)

カリーヴルスト

CurrywurstWittenbergplatz 伯林へ來たならば、食べねばならない大切なものがある。それが、カリーヴルスト。燒きソーセージにケチャップとカレー粉をまぶし、ポメス(ポテトフライ)添へる單純なスナック料理で、伯林發祥とされる。ところが、ケチャップに隠し味があつたり、注文が入つてから燒く、揚げる店でないと美味くない。所謂、B級グルメの代表格故、獨逸全土で食べられるが、どうしてもうまいのが食べたかったら伯林へ來るしかない。

 左圖は舊東側、地下鐵のシェーンホイザー・アレー高架下で 創業1930年の老舗、コノプケ・イムビス。すっかり有名となり、ひっきりなしに客がやって來て、列をなしてゐる。此処の腸詰めは皮なし(ohne Darm)がよい。すっきりとした普通のトマトケチャップにカレー粉。でも、揚げてる脂がいいのか、ポメスも滅法美味しい。檸檬水で割ったビールがまた輕くていいのだ。

 そして、右側は西側、ヴィッテンベルク・プラッツのビオ・イムビス「ヴィッティーズ」。昔は有機栽培の馬鈴薯だのソーセージだの使ふ店ではなかつたが、在伯時代からのお氣に入り。此処では腸詰めも揚げるが、香ばしくでよい。ビオのビールも美味であつた。

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