2013年4月18日 (木)

成層圏繋留氣球の構想

 空氣より輕い乘り物を研究する「ブイヤント航空懇談會」の例會があつた。元宇宙科学研究所所長、東大名譽教授
秋葉 鐐二郎さんの講演「成層圏繋留氣球の構想」と題し、宇宙から見た成層圏の飛行船の話。

 ロケットは騒音を撒き散らし、莫大な費用が嵩むので、成層圏のやうな高い所から飛ばせば宇宙へも安く行ける。宇宙昇降機の開發はカーボンナノチューブの發見後、一氣に實用化の可能性が見えて來た。まだ、宇宙は無理でも成層圏へ繋留氣球を留めることができるのではないか。それには強度のあるポリエチレンの釣絲で充分可能であり、風の影響も鑑み計算した人がゐる。
 成層圏繋留氣球は實現可能であり、是非共LTA(Lighter Than Air)を諦めて欲しくない。今までの常識に囚はれないところに發展がある。體積が一定の飛行船は經濟的な移動手段に變はりはないと話してくれた。
 
 會報には自著論文「ツェッペリン伯號の歡迎2」掲載。

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2012年8月 8日 (水)

紅茶茶碗

Porzellan1 何故か七月はツェ伯號の紅茶茶碗まで手に入つた。以前から持つてゐるもは罅が入つてゐたが、こちらは完全品。然も、裏書きにはUS.ZONEの文字。見比べてみるとGRAF ZEPPELIN 1928の文字も見當たらない。併し、全く同じ意匠故、翌年以降に最初から米國内の補充用作成したものの可能性もある。それで、米國に送つてをいたものなのであらうか。

Porzellan2

Tasse2


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2012年8月 7日 (火)

洋式急須

Teekanne6
Teekanne4_2 ツェッペリン伯號で使はれてゐたと覺しき紅茶用洋式急須を落手。當時の冩眞でも見たことはないが、裏の刻印を見る限り、正しく船内で供されたのであらう、ツェッペリン飛行船航空會社のロゴLZ、LZ-127の文字に飛行船とZEPPELINの文字は確かだ。真ん中の2や4は備品の數なのであらうか。そして、消えかかつてゐる部分はステンレス・スティールの配合なのであらう。

 一人用の小振りな二杯取りの急須。その内にこれで飲んでみたい。

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2012年4月19日 (木)

阿竹骨

 3つの形の部品の組み合はせで多面立體を作り出す阿竹骨で有名な阿竹 克人さんの「太陽熱+小蒸氣飛行船の可能性に就いて」の講演がブイヤント航空懇談會であつた。

 バックミンスター・フラーの研究をしてゐる阿竹さんが考へ出したテンセグリティ構造の防災テントが震災直前に防衛省に採用されたが間に合はなかったと云ふ。このテンセグリティを利用すれば、直径1マイルともなれば、空氣よりも輕いドーム建築ができるらしい。愛知滿博では直径64米の地球の風船を作り、地軸の平行にすれば世界時計にもなると計畫されたが、結局採用されなかった話など、知らない世界なので面白い。

 また、二十構造の飛行船を造り、内側を黒くするとその中の水蒸氣だけで浮かぶので、天然瓦斯の輸送にも役立てられるのではないか。或ひは水蒸氣ごと運べば水を安く大量に運べるのではないかと、エアロゲルの利用だとか、興味が尽きない話題。但し、日没以降氣温が下がると飛行船自體も高度が下がるので、それをどうするか。西村教授から適度に茶々が入り、なかなか面白い論議であつた。 

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2011年3月23日 (水)

悲劇

 ほんたうなら、今頃成田を出發し瓜姆嶋(グアム)へ家族旅行に出掛ける筈であつた。併し、この未曾有の震災直後の計畫停電で營業もままならない中で店を空ける譯にも行かず、氣を取り直して出社。

Hindenburgdvd 先日、獨逸より取り寄せたテレビドラマ「Hindenburg」を觀た。若人の色戀も交へ、最新の調査結果を基に描かれてゐる。其の上、原寸大のセットだけでなく、特殊撮影(SFX)により現實感を伴ふ見事な出來であつた。乘船客の細かい描冩は史實と違ふところもあるが、概ね間違つてはをらず、目くじらを立てる程のこともなかつた。特に客室、食堂、プロムナードデッキの再現は壁の色こそ違へど秀逸。食事の場面では、きちんと商標入りの皿も使ふ念の入り樣。將に乘客たらんとするやうな雰圍氣をもたらした。また、爆發に至る場面も氣嚢が破れ、水素が漏れ出てゐるところに静電氣が走り引火する表現も真に迫つてゐた。このやうな大型飛行船がヘリウムで運航されてゐたらと思ふと悔しい。

Hindenburgdvd2 一緒に手に入れた「Das Geheimnis der Hindenburg」は事故後、檢証に訪れたエッケナー博士の回想から描かれた獨逸第二放送局(ZDF)の2007年製作のテレビドラマ。こちらはやや豫算の少なさが氣になるものの、ナチスにより葬り去られた原因のひとつ、静電氣による引火説が既にあつたことを結論附けてゐる。當時の政治的状況から、レイクハースト海軍基地の指令ローゼンタールは破壊工作(サボタージュ)説を採つてゐたが、真ッ向から否定することとなつた。併し、生き殘つた人々の証言を重ね合はせると、エッケナー博士の結論に軍配が上がると云ふ作り。

 地震の後に不謹慎と言はれるかも知れないが、どうしても今見ずにはをけない氣分であつた。

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2011年2月28日 (月)

飛行船船長

 ブイヤント航空懇談會で、大森 二三男さんの「私が乗った飛行船」と云ふ題で講演があつた。輕飛行機、ヘリコプター、飛行船の操縱を續けたベテラン・パイロットの話は興味深かつた。飛行船だけでも、ツェッペリンだけでなく、樣々な型に乘り、長所短所を知り尽くしてをり、專門家ならではの話。

 氣温が上がると浮力が附くこと、格納庫がないので雨晒しの上雪や突風に弱い他、製作會社により皮膜の暑さが違ふこと、ヘリウム瓦斯の濃度が94%迄落ちるともう飛べない等、知らなかつたことばかり。
 運行地近くの格納庫が在り、ヘリウム瓦斯の温度を一定に保つ高品位技術が確立されたり、皮膜の強度が更に上がったら、ひょっとすると、國内常駐の飛行船が飛ぶかも知れない。

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2011年2月15日 (火)

テレビドラマ

 ルクセムブルク大手民放放送會社のRTL(Radio Télévision Luxembourg)が、どうやら飛行船「ヒンデンブルク號」の最期の航空をドラマ化したらしい、とラインヘッセンの葡萄酒醸造家、淺野さんから連絡があつた。
 まづ日本では放送されないだらうから、非常に氣になる。ネットを通じて見られるとよいのだが如何に。

Zep1Zep5Zep4 時を同じくして米國の競賣に「ツェッペリン伯號」の食器60點が掛けられてゐる。400萬圓あれば落札できるだらうが無い袖は振れない。これさへあれば大勢集めて直ぐにでも、再現料理ができさうだ。或ひは展示に貸し出すか… よい夢を見せて貰つた。

Zep3

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2010年8月 2日 (月)

クラスター氣球

 ブイヤント航空懇談會の総會と講演があつた。エアロノーツの市吉三郎さんによる「クラスター氣球」。
 初めて聞いて、ん?クラスター氣球とは何?。
 飛行船や氣球の專門家が多く、參加者は皆周知の事實らしく、全く語句の説明もなく始められ、つひ最近ドーヴァー海峡を初めてクラスター氣球で渡つた人がゐると紹介され、1950年代のジャンピング・バルーンから最近の樣子まで教へてくれた。

 要は空着よりも輕いヘリウムのやうな瓦斯を入れた風船を集めて、椅子なり器具を身體に取り附けて飛ぶことらしい。米國には航空機としてその椅子と氣球を登録して、飛行許可を貰つて飛んでゐる人がゐると云ふ。以前、亞米利加へ飛ぶと世間を騷がせたまま行方不明になつた「風船おじさん」と同じだが、こちらはバラスト、GPS、パラシュート、PC、無線機など最新機器を積んだ本格的な飛行なのだ。

 こんな風船が集まれば空を飛べるかもと思ふのは、子供の夢かも知れないが、實際に飛んでゐるとは思ひも寄らなかつた。然も、ドーヴァー海峡を飛行船や熱氣球ではなく、このクラスター氣球が飛んだのはつひ最近だと云ふことも驚いた。叶へ易い夢だと思つてゐたものが、案外、叶へ憎かつたのかも知れない。

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2010年7月 7日 (水)

解體

P1040520 桶川のホンダ飛行場に繋留してあつたツェッペリンNT號の解體が今週から愈始まつたらしい。何処か買ひ取つて、國内で遊覧事業を繼承してくれないものだらうか。悲しい。
 畫像は昨年、搭乘した際のもの。一生の思ひ出である。


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2010年6月 7日 (月)

Frame 先月は奈良から友人が訪ねてくれた。すき燒が食べたい、蓄音器が聽きたいの他に、ツェッペリン飛行船蒐集品を見たいと云ふので、色々と引ッ張り出してご披露した。
 これはその時まだ入手してゐなかつたツェ伯號オリヂナルのフレーム(枠)!


の筈である。
 裏書きを見るとヒンデンブルク號の事故の後、ニュージャージー州、レイクハーストに在る海軍飛行船格納庫に殘されたものと書かれてゐる。米海軍錨印に216878と番號も振ってあるので、それらしい。腐食防止の爲、青い塗料を塗つてゐたのは、フリードリヒスハーフェンに在るツェッペリン博物館で見てゐるから、十中八九本物。社の刻印の入つた器や書籍なら、見間違ふ筈もないが、個人蒐集家のものだと、絶對とは云ひ切れない。

Frame2


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